“みたらし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
御手洗73.1%
手洗水5.8%
御手洗鉢3.8%
洗水盤3.8%
三滴1.9%
御手洗水1.9%
御水下1.9%
御洗水1.9%
手水洗1.9%
手洗鉢1.9%
神水1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
不躾ぶしつけですが、御手洗みたらしで清めた指で触って見ました。冷い事、氷のようです。湧いて響くのが一粒ずつ、てのひらに玉を拾うそうに思われましたよ。
半島一奇抄 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
背後うしろには躑躅の花飛び飛びに咲きて、青き草まばらに、やがて堂のうらに達せし時は一株も花のあかきはなくて、たそがれの色、境内の手洗水みたらしのあたりをめたり。
竜潭譚 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
やしろ御手洗鉢みたらしのようにえてあるのですが、百貫近かろうと思う同じ御影石の蓋は、後ろの方にはねけたまま、縁に付いた血潮までもそのままにしてあったのです。
洗水盤みたらしの石を発止はっしと打つと、竹刀の中革なかがわ先革さきがわ物打ものうちのあたりがポッキと折れる。
大菩薩峠:07 東海道の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
女はまた一つの青い色のびんを取出しましたから、これから怨念があらわれるのだとおそれいだくと、かねて聞いたとは様子が違い、これはてのひら三滴みたらしばかり仙女香せんじょこうを使う塩梅あんばいに、両のてのひらでぴたぴたとんで
湯女の魂 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
すっかり黄金色こがねいろに染って、夕風が立ったら、散るさまが、さぞ綺麗きれいだろうと思われる大銀杏いちょうの下の、御水下みたらしで、うがい手水ちょうず祠前ほこらまえにぬかずいて、しばし黙祷もくとうをつづけるのだったが
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
クロの行方ゆくえを知るよしもないので、瀬戸物せともののかけらに御洗水みたらし清水しみずをすくってきて、この床下ゆかしたへ身をひそめ、ただ一ねんにいのり、一念に目を洗っているのだった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
口につけると塩気があるから、海潮うしおがさすのであろう。その川裾かわすそのたよりなく草に隠れるにつけて、明神の手水洗みたらしにかけた献燈の発句には、これを霞川、と書いてあるが、俗に呼んで湯川と云う。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
スーとからかさをすぼめて、手洗鉢みたらしへ寄った時は、衣服きものの色が、美しくたたえた水に映るか、とこの欄干からはるかな心に見て取られた。……折からその道筋には、くだんの女ただ一人で。
妖術 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
二人は神水みたらしで手を洗いその手をつつましく打ち合わせて病魔退散を祈るのであった。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)