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姫君
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ひめぎみ
ふりがな文庫
“
姫君
(
ひめぎみ
)” の例文
しかしそれらの悪魔の中で、最も我々に興味のあるものは、なにがしの
姫君
(
ひめぎみ
)
の
輿
(
こし
)
の上に、あぐらをかいてゐたと云ふそれであらう。
悪魔
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「これこれ、このお
方
(
かた
)
をだれだと
思
(
おも
)
う。
三条
(
さんじょう
)
の
宰相殿
(
さいしょうどの
)
の
姫君
(
ひめぎみ
)
だぞ。うっかり
失礼
(
しつれい
)
なまねをすると、この
一寸法師
(
いっすんぼうし
)
が
承知
(
しょうち
)
しないぞ。」
一寸法師
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
金
(
きん
)
の
小鳥
(
ことり
)
のやうないたいけな
姫君
(
ひめぎみ
)
は、
百日鬘
(
ひやくにちかつら
)
の
山賊
(
さんぞく
)
がふりかざした
刃
(
やいば
)
の
下
(
した
)
に
手
(
て
)
をあはせて、
絶
(
た
)
えいる
声
(
こえ
)
にこの
世
(
よ
)
の
暇乞
(
いとまごひ
)
をするのであつた。
桜さく島:見知らぬ世界
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
ある
国
(
くに
)
に
美
(
うつく
)
しいお
姫
(
ひめ
)
さまがありました。いつも
赤
(
あか
)
い
着物
(
きもの
)
をきて、
黒
(
くろ
)
い
髪
(
かみ
)
を
長
(
なが
)
く
垂
(
た
)
れていましたから、
人々
(
ひとびと
)
は、「
赤
(
あか
)
い
姫君
(
ひめぎみ
)
」といっていました。
赤い姫と黒い皇子
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
御殿
(
ごてん
)
づくりでかしづいた、が、
其
(
そ
)
の
姫君
(
ひめぎみ
)
は
可恐
(
おそろし
)
い
蚤
(
のみ
)
嫌
(
ぎら
)
ひで、
唯
(
たゞ
)
一
匹
(
ぴき
)
にも、
夜
(
よる
)
も
晝
(
ひる
)
も
悲鳴
(
ひめい
)
を
上
(
あ
)
げる。
其
(
そ
)
の
悲
(
かな
)
しさに、
別室
(
べつしつ
)
の
閨
(
ねや
)
を
造
(
つく
)
つて
防
(
ふせ
)
いだけれども、
防
(
ふせ
)
ぎ
切
(
き
)
れない。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
徳太郎
(
とくたらう
)
信房
(
のぶふさ
)
と
稱
(
しよう
)
し
後
(
のち
)
に
吉宗
(
よしむね
)
と
改
(
あら
)
たむ
御母
(
おんはゝ
)
は
九條前關白太政大臣
(
くでうさきのくわんぱくだじやうだいじん
)
第四の
姫君
(
ひめぎみ
)
お
高
(
たか
)
の
方
(
かた
)
にて
御本腹
(
ごほんぷく
)
なり
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
これほどの
人
(
ひと
)
他人
(
たにん
)
に
取
(
と
)
られて
成
(
な
)
るまじとの
意氣
(
いき
)
ごみにて、
聟
(
むこ
)
さま
拂底
(
ふつてい
)
の
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
なればにや
華族
(
くわぞく
)
の
姫君
(
ひめぎみ
)
、
高等官
(
かうとうかん
)
の
令孃
(
れいぢよう
)
、
大商人
(
おほあきんど
)
の
持參金
(
ぢさんきん
)
つきなど
彼
(
あ
)
れよ
是
(
こ
)
れよと申
込
(
こ
)
みの
口〻
(
くち/″\
)
より
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
その
女
(
ひと
)
こそ、彼が永い間、探し求めて止まなかった理想の妻だったのです。……それは、まるで
白菊
(
しらぎく
)
のように清らかな
女
(
ひと
)
でした。輝やかしい
姫君
(
ひめぎみ
)
でした。彼は夢中になりました。
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
あの
馬方三吉
(
うまかたさんきち
)
の芝居に出て来るお
乳
(
ち
)
の
人
(
ひと
)
の
重
(
しげ
)
の
井
(
い
)
、———立派な
袿襠
(
うちかけ
)
を着て、大名の
姫君
(
ひめぎみ
)
に仕えている花やかな貴婦人、———自分の夢に見る母はあの三吉の母のような人であり
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
京師
(
けいし
)
の、
花
(
はな
)
を
翳
(
かざ
)
して
過
(
すご
)
す
上臈
(
じょうろう
)
達
(
たち
)
はいざ
知
(
し
)
らず、
天下
(
てんか
)
の
大将軍
(
だいしょうぐん
)
が
鎮座
(
ちんざ
)
する
江戸
(
えど
)
八百八
町
(
ちょう
)
なら、
上
(
うえ
)
は
大名
(
だいみょう
)
の
姫君
(
ひめぎみ
)
から、
下
(
した
)
は
歌舞
(
うたまい
)
の
菩薩
(
ぼさつ
)
にたとえられる、よろず
吉原
(
よしわら
)
千の
遊女
(
ゆうじょ
)
をすぐっても
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
もう
姫君
(
ひめぎみ
)
は
死
(
し
)
んだのだ、
死
(
し
)
んでしまへば、もうこの
世
(
よ
)
で
花
(
はな
)
も、
鳥
(
とり
)
も、
歌
(
うた
)
も、
再
(
ふたヽ
)
びきくこともみることもできないのだ。
桜さく島:見知らぬ世界
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
「
先生
(
せんせい
)
、
私
(
わたし
)
たちは、どこへいったらこの
姫君
(
ひめぎみ
)
にあうことができますか?」と、三
人
(
にん
)
は、
学者
(
がくしゃ
)
に
問
(
と
)
うたのです。すると、
学者
(
がくしゃ
)
は、三
人
(
にん
)
の
顔
(
かお
)
を
見
(
み
)
て
冷
(
ひ
)
ややかに
笑
(
わら
)
いながら
三つのかぎ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
百人一首
(
ひやくにんいつしゆ
)
と
云
(
い
)
ふ
歌
(
うた
)
の
本
(
ほん
)
においで
遊
(
あそ
)
ばす、
貴方方
(
あなたがた
)
にはお
解
(
わか
)
りあるまい、
尊
(
たふと
)
い
姫君
(
ひめぎみ
)
の
繪姿
(
ゑすがた
)
に、
面影
(
おもかげ
)
の
肖
(
に
)
させられた
御方
(
おかた
)
から、お
聲
(
こゑ
)
がかりがありました、
其
(
そ
)
の
言葉
(
ことば
)
に
違
(
ちが
)
ひありませぬ。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
私
(
わたくし
)
はあの
姫君
(
ひめぎみ
)
を堕落させようと思ひました。が、それと同時に、堕落させたくないとも思ひました。あの清らかな
魂
(
たましひ
)
を見たものは、どうしてそれを地獄の火に
穢
(
けが
)
す気がするでせう。
悪魔
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
知べき筈なしと
咎
(
とが
)
められしに山内は
嘲笑
(
あざわらひ
)
御面部また御音聲まで
似奉
(
にたてまつ
)
る事お咄し申さんに紀州大納言光貞公の御
簾中
(
れんぢう
)
は九條前關白太政大臣の
姫君
(
ひめぎみ
)
にてお高の方と申し其お腹に
誕生
(
たんじやう
)
まし/\しは則ち當時將軍吉宗公なり御幼名を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
その
時
(
とき
)
、
黒装束
(
くろせうぞく
)
に
覆面
(
ふくめん
)
した
怪物
(
くわいぶつ
)
が澤村路之助丈えと
染
(
そ
)
めぬいた
幕
(
まく
)
の
裏
(
うら
)
からあらはれいでヽ
赤
(
あか
)
い
毛布
(
けつと
)
をたれて、
姫君
(
ひめぎみ
)
の
死骸
(
しがい
)
をば
金泥
(
きんでい
)
の
襖
(
ふすま
)
のうらへと
掃
(
は
)
いていつてしまつた。
桜さく島:見知らぬ世界
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
いよいよ、
赤
(
あか
)
い
姫君
(
ひめぎみ
)
と
黒
(
くろ
)
い
皇子
(
おうじ
)
とがご
結婚
(
けっこん
)
をなされるといううわさがたちました。そのとき、
一人
(
ひとり
)
のおばあさんの
予言者
(
よげんしゃ
)
が、
姫君
(
ひめぎみ
)
の
前
(
まえ
)
に
現
(
あらわ
)
れて
申
(
もう
)
しあげたのであります。
赤い姫と黒い皇子
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その跡を御追いなすった事、今ではあなたの御家族の中でも、たった一人
姫君
(
ひめぎみ
)
だけが、
奈良
(
なら
)
の
伯母御前
(
おばごぜ
)
の
御住居
(
おすまい
)
に、人目を忍んでいらっしゃる事、——そう云う御話をしている内に
俊寛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
出
(
で
)
が
王樣
(
わうさま
)
の
城
(
しろ
)
だから、
姫君
(
ひめぎみ
)
の
鸚鵡
(
あうむ
)
が一
羽
(
は
)
。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
赤
(
あか
)
い
姫君
(
ひめぎみ
)
を
慕
(
した
)
って、
黒
(
くろ
)
い
皇子
(
おうじ
)
が
追
(
お
)
っていかれる。」と、いまでも、いっているのでありました。
赤い姫と黒い皇子
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
こは
姫君
(
ひめぎみ
)
のかんざしの
どんたく:絵入り小唄集
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
姫
常用漢字
中学
部首:⼥
10画
君
常用漢字
小3
部首:⼝
7画
“姫”で始まる語句
姫
姫様
姫路
姫百合
姫御前
姫鱒
姫神
姫樣
姫王
姫糊