電線でんせん)” の例文
二人ふたりは、往来おうらいえきほうかって、したのです。電線でんせんうえに、しろつきが、ぽかりとかんでいました。これをつけた、良二りょうじ
昼のお月さま (新字新仮名) / 小川未明(著)
つい其処の歌舞伎座の書割かきわりにある様な紅味あかみを帯びた十一日の月が電線でんせんにぶら下って居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
さくらえだにも、電線でんせんにも、一寸ちよつとまるのもなければ、よこにそれようとするのもない。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
真黄色だ真黄色だ、電線でんせんから
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
『おかあちゃんにしかられるからよしたがいい。』と、電線でんせんにとまっているつばめが幾羽いくわも、口々くちぐちにさえずりながらめたのであります。
黒いちょうとお母さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
せままちまぐろしい電線でんせんも、ぎんいといたやうで、樋竹とひだけけた蜘蛛くもも、今朝けさばかりはやさしくえて、あを蜘蛛くも綺麗きれいらしい。そら朝顏あさがほ瑠璃色るりいろであつた。欄干らんかんまへを、赤蜻蛉あかとんぼんでる。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
正直しょうじきな、やさしいかみなりは、くろい、ふと一筋ひとすじ電線でんせんが、空中くうちゅうにあるのをつけました。そして、注意深ちゅういぶかく、そのせんうえりました。
ぴかぴかする夜 (新字新仮名) / 小川未明(著)
電線でんせんにとまった、おしゃべりのすずめは、はしらがみょうなものをかぶって、こまっているのをてチュウチュウわらっていました。
頭をはなれた帽子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
なつはじめになると、みなみほうくにから、つばめがきたほうくにんできました。そして、電線でんせんや、屋根やねうえや、たかいところにまって、なきました。
つばめの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのはしらはしらあいだには、幾筋いくすじかの電線でんせんがつながっていました。そして、そのほそ電線でんせんにさらされてひかっていました。
長ぐつの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ちょうど、そこへ、どこからか二のつばめが、んできて、電線でんせんにとまると、ふたりのうたみみかたむけたのです。
春の真昼 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ものぐさの主人しゅじんを、てこずらせるほどの、元気げんきなねずみですから、電線でんせんわたっていこうと、冒険ぼうけん決心けっしんしました。
ねずみの冒険 (新字新仮名) / 小川未明(著)
人間にんげんのつかないひるごろのことでした。ねずみは、一ぽん電線でんせんわたりはじめました。ちそうになるとをくるりと針金はりがねきつけて、からだささえました。
ねずみの冒険 (新字新仮名) / 小川未明(著)
のつばめは、いくらこそうとして、電線でんせんうえからさけびましたけれど、ねこは、をさましませんでした。
春の真昼 (新字新仮名) / 小川未明(著)
これを電線でんせんうえていたつばめは、どんなにちいさなむねをとどろかせたことでしょう。かえるは、みずなかにもぐりみ、みみずは、だまってしまいました。
春の真昼 (新字新仮名) / 小川未明(著)
電線でんせんはうなって、公園こうえん常磐木ときわぎや、落葉樹らくようじゅは、かぜにたわんで、くろあたまが、そらなみのごとく、起伏きふくしていました。
公園の花と毒蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ある、すずめは、この温泉おんせんに、わかれをげました。そして、やまえて、広々ひろびろとした野原のはらました。かれは、電線でんせんうえまって、しばらくやすんだのです。
温泉へ出かけたすずめ (新字新仮名) / 小川未明(著)
「あのからすといい、また、電線でんせんといい、なんというしんせつで、ものしりなんだろう……。わたしは、しあわせものだ。」と、すずめはびながらおもったのです。
温泉へ出かけたすずめ (新字新仮名) / 小川未明(著)
翌日よくじつも、またあつでありました。子供こどもがちょうど、昨日きのういしひろってげつけたところにきますと、またもつばめがたくさん電線でんせんうえまって、いていました。
長ぐつの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
汽車きしゃとおってしまったあと、かぼちゃのはなはたけち、無限むげんにつづく電線でんせん行方ゆくえやりながら、自由じゆう大空おおぞらんでいるつばめのを、うらやんだことがありました。
風はささやく (新字新仮名) / 小川未明(著)
「あっ、ごらん、ねずみがあんなところをわたっている。」と、さきつけたのは、いさむくんでした。すずめが電線でんせんまっているとおもったのが、あにはからんや、ねずみでありました。
ねずみの冒険 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ひろ野原のはらなか汽車きしゃがゆくときに、つばめは、電線でんせんうえまって、じっとながめていたこともあります。また、あお海辺うみべつらなる電線でんせんまって、うみほうていたこともあります。
つばめの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
つばめは、幾羽いくわとなくならんで、電線でんせんまっています。そして、いていました。
長ぐつの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
のみならず、そこにはおおきな建物たてものならんで、けむりそらにみなぎっているばかりでなく、鉄工場てつこうじょうからはひびきがこってきて、電線でんせんはくもののようにられ、電車でんしゃ市中しちゅう縦横じゅうおうはしっていました。
眠い町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
すると、電線でんせんが、かぜなかで、わらいました。
温泉へ出かけたすずめ (新字新仮名) / 小川未明(著)
電線でんせんく、かぜおと
死と話した人 (新字新仮名) / 小川未明(著)