“石塊:いしころ” の例文
“石塊:いしころ”を含む作品の著者(上位)作品数
島崎藤村6
海野十三4
小川未明4
豊島与志雄4
江戸川乱歩4
“石塊:いしころ”を含む作品のジャンル比率
総記 > 団体 > 博物館100.0%
文学 > ロシア・ソヴィエト文学 > 小説 物語3.2%
文学 > 日本文学 > 小説 物語0.9%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
馬籠は田畠たはたの間にすら大きくあらわれた石塊いしころを見るような地方で、古くから生活も容易でないとされた山村である。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
しかし、その石塊いしころは彼のまえを歩いている薄汚い子供が、糸で結んで引摺ひきずっているのだということが直ぐに判った。
(新字新仮名) / 太宰治(著)
すると、地上に石塊いしころのように投げ出されてる、自分自身が、自分の生活が、遠くの方からだんだん目近に見えてきた。
白日夢 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
「じゃいつもあの男が、自慢じまんそうに下げている玉だ。もっともこのほかに下げているのは、石塊いしころ同様の玉ばかりだが。」
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
そこは垣根に添うた、石塊いしころの多い、荒れた地所で、野菜畠として耕す前には先ず堅い土から掘起して掛らなければ成らなかった。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
敬二は、壊れた石塊いしころの上に腰を下ろして、ドン助がどこへいったのだろうかと、心あたりを一つ一つ数えはじめた。
○○獣 (新字新仮名) / 海野十三(著)
何でも、自分の記憶の底に沈んで居る石塊いしころの一つの名も、たしか『高沼繁』で、そして此名が、たしか或る狂人の名であつた樣だ。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
堤から下りて大音寺前の方へ行く曲輪外くるわそとの道も亦取広げられてゐたが、一面に石塊いしころが敷いてあつて歩くことができなかつた。
里の今昔 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
血迷ったかこいつら、爺様までが何をいうよ、島も山も、海の上へ出たものは石塊いしころ一ツある処じゃねえ。
海異記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それでも、ペンチを握る手をときどき休めては、そば石塊いしころの上に腰を下ろして見物をしている大隅学士の顔をジロジロ眺めるのであった。
地球盗難 (新字新仮名) / 海野十三(著)
何でも、自分の記憶の底に沈んで居る石塊いしころの一つの名も、たしか『高沼繁』で、そして此名が、たしか或る狂人きやうじんの名であつた様だ。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
あかく燃えるような帯揚などは、畠に出て石塊いしころを運ぶという人の色彩いろではなかった。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
崖の中腹には、小使の音吉が弟を連れて来て、道をつくるやら石塊いしころを片附けるやらしていた。
岩石の間 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
あらゆる手頼たよりの綱が一度に切れて了つた様で、暗い暗い、深い深い、底の知れぬ穴の中へ、独ぼつちの魂が石塊いしころの如く落ちてゆく、落ちてゆく。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「これも国の柱石ではない! 無用なこけばかりはやした、ただの石塊いしころだったか——」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私は、誰れも見ているものはなかったのですけれど、態々一寸つまずく様な恰好をして、これも予め探し出して置いた一つの大きな石塊いしころを蹴飛しました。
赤い部屋 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
だが、そう遠くまで駈けなくても、すぐ後ろに草の根や石塊いしころの下から湧いている泉がある。城太郎はしゃがみ込んで、両手に水をすくおうとした。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まりは、石塊いしころうえをころげたり、つちうえはしったりしました。
あるまりの一生 (新字新仮名) / 小川未明(著)
新宿の歩道の上で、こぶしほどの石塊いしころがのろのろって歩いているのを見たのだ。
(新字新仮名) / 太宰治(著)
二つの石塊いしころのように、触れ合うことが互に傷つけ合うことになるのは、実際堪らない。
二つの途 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
堤から下りて大音寺前だいおんじまえの方へ行く曲輪外くるわそとの道もまた取広げられていたが、一面に石塊いしころが敷いてあって歩くことができなかった。
里の今昔 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
それは、漬物石つけものいしを小さくした様な、ただの石塊いしころに過ぎないのでした。
屋根裏の散歩者 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
次に分りやすいのは、水兵さんの足許あしもとの左に石塊いしころのようなものが落ちているが、これはどうみてもDという字がひっくりかえっているとしか思えない。
流線間諜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「一体、どこの首くくり野郎だ?」と、その石塊いしころを拾ひあげながら彼は喚いた。
全く方角も解らなく成つて了つたやうな、知らない道を三日も四日も歩いた後で、私は銀さん達と一緒に左樣いふ峠のしかも險しい石塊いしころの多い山道にさし掛りました。
途上の人は大きな小説中の人物になって路傍の石塊いしころにも意味が出来る。
イタリア人 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
続いてすぐに、左手のやや大きな石塊いしころをも、右手に取って投げつけた。
悪夢 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
しかし、なにもはかずに、このけるような石塊いしころおおみちあるくよりは、どんなに子供こどもにとって、くつをはくことがよかったかしれません。
長ぐつの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
だからこそ、支那人に内地人の労働力が、邪魔っけな石塊いしころみたいに、隅の方に押しこくられずにはいないのだ。洋服が決して、民族的矜持にはなりはしないのだ。気を付けろ!
放浪の宿 (新字新仮名) / 里村欣三(著)
と、自分の教へられた支部長の声色を使つて、眼前の石塊いしころを睨んだ。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
広い石塊いしころの原を横ぎり終ると今度は見上ぐるばかりの険山の連脈だ。
月世界跋渉記 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
見兼ねたか、縁側えんがわからってり、ごつごつ転がった石塊いしころまたいで、藤棚をくぐって顔を出したが、柔和にゅうわ面相おもざし、色が白い。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
私は石垣や草土手の間を通って石塊いしころの多い細道を歩いて行った。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
石塊いしころの多い道を、車はガタガタと揺れながらスピイドを出した。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
事件の当日現場に居合せた私は、検死官達の活動を眺めている間にふと、丁度私が腰を下して居った一つの石塊いしころの下から、何か白い紙片かみきれの端が覗いているのを発見した。
一枚の切符 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
大勢で車座に坐って茶碗でも石塊いしころでも順々に手渡しして行く。
追憶の冬夜 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
う女たちの顔も石塊いしころのように無表情だった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
どーんとすごい音、そしてばらばらとおちてくる土や石塊いしころ
人造人間エフ氏 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ぬしあるものですが、)とでもささやいて居るやうで、頼母たのもしいにつけても、髑髏しゃれこうべの形をした石塊いしころでもないか、今にも馬のつらが出はしないかと
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
したたか頭を石塊いしころに打ちつけ、そのまま気絶したきり、しばらく昏睡こんすい状患で横たわっていたが、見知りの村の衆に発見され、報告しらせによって弟やおいけつけ
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
彼の妻——お島はまだ新婚して間もない髪を手拭で包み、紅い色の腰巻などを見せ、土掘りの手伝いには似合わない都会風な風俗なりで、土のついた雑草の根だの石塊いしころなどを運んでいた。
岩石の間 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
翌日よくじつはこなかのみかんをそうとしますと、どのはこなかからも、てくるのはみかんでなくて、まる石塊いしころばかりでありました。
カラカラ鳴る海 (新字新仮名) / 小川未明(著)
寂しい山間の町だから、路には石塊いしころも少くない。
点心 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
其隣りは往来の石塊いしころを蹴飛ばし蹴飛ばし行く。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
松魚氏はそれを籠に盛つて、かねて露伴氏と縁故のある金港堂や博文館の編輯へんしふ局へ売りに往つた。編輯局には、麺麭でも石塊いしころでも同じやうにうまく食べる事の出来る連中がどつさり居た。
ああ、噫、この『お夏』といふ名も亦、決して初対面の名ではなかつた。矢張自分の記憶の底に沈んで居る石塊いしころの一つの名であつた。そして此名も、たしか或る狂女きやうじよの名であつた様だ。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
いままをした古墳こふんみな圓塚まるづかでありまして、そのなかうるしつたかんうづめ、そのうへおほきな石塊いしころつゝんだものであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
此忍びぬ心と、その忍びぬ心を破るに忍びぬ心と、二つの忍びぬ心がからみ合った処に、ポチはうま引掛ひッかかって、からくも棒石塊いしころの危ない浮世に彷徨さまよう憂目をのがれた。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
人造人間エフ氏は、ますますものすごくあばれる。土をとばし、石塊いしころをとばし、まるで闘牛とうぎゅう穀物倉こくもつぐらのなかであばれているようであった。イワノフ博士は、どうしたであろうか。
人造人間エフ氏 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「やっつけてやるよ、」と彼女の耳に口をあてて囁きながら、折よく足下にあった石塊いしころを拾って、丁度こちらへ向ってゆっくり歩いてくる安藤竜太郎の顔をめがけて、後ろへ逃げ退りざま投げつけてやった。
電車停留場 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
ところがだん/\進歩しんぽするにしたがつて石塊いしころ多少たしよう細工さいくくはへ、にぎつてものこわすに便利べんりかたちにこしらへるようになりました。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
それを知らん顔するなンてひどい。そんなに、家や奥さんが大切だつたら、初めつから、石塊いしころになつてればいいのよ。——私、別に、貴方の奥さんを追ひ出したいなンて思はないけど、でも、もう少しいゝ事考へ過ぎてたのね。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
ところが、博士の「君が代」の節といつたら、誰一人真似手のない変なもので、どんな楽天家でも、一度その節廻しを聞くと、急に世の中が厭になるばかしか、結構な自分の国までが、石塊いしころのやうに無益やくざなものに思はれて来る。
さて、今や怪石の降りくるかと待つほどもなく、九時三十分ごろに至り同町の地先にて、突然降下せしとて拾い上げたる石塊いしころを見るに、あたかも数年間土中に埋まりいたりとおぼしく、十分水気を含蓄せる、縦四寸ばかりの円石なり。
おばけの正体 (新字新仮名) / 井上円了(著)
「こんな石つころを投げこみをつたのが、どいつだか判つて見ろ、いやといふほど、そやつを蹴飛ばして呉れるから! なんといふ悪戯わるさをしくさるのぢや!」彼はその石塊いしころをにぎつて爛々たる眼差でそれを見つめながら言葉をつづけた。
この石塊いしころの多い歩き難い道を彼様あゝして徒歩ひろつてもいゝのかしらん、と丑松はそれを案じつゞけて、時々蓮太郎を待合せては、一緒に遅く歩くやうに為たが、まあ素人目しろうとめで眺めたところでは格別気息いきの切れるでも無いらしい。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
彼奴きゃつ騒々しい石塊いしころわい」とアフリカを踏破したスタンレーのような、大味な冒険心の持ち合わせはないが、騒々しい石塊の眼の前で、その雑音をふうする可く、喉仏の見える迄口を開け、笑殺一番するくらいの、小味な冒険心なら持っている。
小酒井不木氏スケッチ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そこには、三間に一箇所位の割合で、三郎の部屋のと同様に、石塊いしころで重しをした抜け道があるのですから、忍び込むのは造作もありませんけれど、いつ部屋の主が帰って来るか知れませんし、そうでなくとも、窓は皆、透明なガラス障子しょうじになっていますから
屋根裏の散歩者 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
紳士しんしは、めったにひととおらない、青田あおたなか細道ほそみちあるいて、みぎたり、ひだりたりしながら、ときどき、まっては、くつのさき石塊いしころころがしたりしていました。
銀河の下の町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「マンホールとは考えたものですね。我々はこの鉄の蓋の上を踏んで歩きながら、一向意識しないのです。復興道路には、到る所にこれがあります。田舎から出て来たばかりの人は、存外これが目につく相です。併し東京人の我々は、慣れてしまって、道に落ちている石塊いしころ程にも注意しません。いわば盲点に入ってしまっているのです」
吸血鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
皆さまも御承知でしょう、あの尼さんはふだんから犬が大嫌いで……。犬が吠えると顔色を変えるそうですよ。それがこの頃はだんだん烈しくなったようで、この間もあの石地蔵さまを拝んでいるところへ、原の方から野良犬が二匹出て来てわんわん吠え付いたら、尼さんは怖ろしい顔をして、はじめは手に持っている珠数で打ち払うような真似をしていたんですが、しまいにはもう気違いのようになって、そこらにある石塊いしころや木の切れを拾って滅茶苦茶に叩きつけて、じだんだを踏んで飛びあがって……。
探偵夜話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)