水道すゐだう)” の例文
御尤ごもつともです……あんなに丹精たんせいをなさいましたから……でも、お引越ひつこしなすつたあとでは、水道すゐだうめたから、遣水やりみづれました。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
御米およね臺所だいどころで、今年ことし去年きよねんやう水道すゐだうせんこほつてれなければたすかるがと、くれからはるけての取越苦勞とりこしぐらうをした。よるになると夫婦ふうふとも炬燵こたつにばかりしたしんだ。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
江戸えどからあたらしく町奉行まちぶぎやうとして來任らいにんしてから丁度ちやうど五ヶげつるもの、くもの、しやくさはることだらけのなかに、町醫まちい中田玄竹なかだげんちく水道すゐだうみづ産湯うぶゆ使つかはない人間にんげんとして
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
得たりと云ふべし是も其頃の事とかや江戸神田鎌倉河岸に豐島屋十右衛門といふ名譽めいよ酒店さかやありかれ中興ちうこうの出來分限にて元は關口せきぐち水道すゐだう町の豐島屋と云ふ酒屋の丁稚でつちなりしが永々の年季ねんき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
駅中えきちゆうは人の往来ゆきゝために雪をふみへしてひくきゆゑ、流水りうすゐみなぎきたなほあぶれて人家に入り、水難すゐなんふ事まへにいへるがごとし。いく百人の力をつくして水道すゐだうをひらかざれば、家財かざいながあるひ溺死できしにおよぶもあり。
病院のわが部屋に来て水道すゐだうのあかく出で来るをさびしみゐたり
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
やあ いま光つた所は水道すゐだうタンクだ
いきつぎにみづもとめたが、注意ちうい水道すゐだう如何いかんこゝろみたたれかが、早速さそく警告けいこくしたのであらう。夢中むちうたれともおぼえてない。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ところ丁度ちやうど五月目いつつきめになつて、御米およねまた意外いぐわい失敗しくじりつた。其頃そのころはまだ水道すゐだういてなかつたから、朝晩あさばん下女げぢよ井戸端ゐどばたみづんだり、洗濯せんたくをしなければならなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
みづない、水道すゐだうまつた」とこゑが、其處そこ一團いちだんつて、あしとともにふるへるわたしたちのみゝつらぬいた。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それからこれ安之助やすのすけ共同きようどうして失敗しつぱいした仕事しごとであるが、叔母をば云付いひつけで、障子しやうじらせられたときには、水道すゐだうでざぶ/\わくあらつたため、矢張やつぱかわいたあとで、惣體そうたいゆがみ出來でき非常ひじやう困難こんなんした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
猶以なほもつねんために、べつに、留桶とめをけ七八杯しちはちはいおよ湯船ゆぶねたかさまで、こほるやうな水道すゐだうみづ滿々まん/\たゝへたのを、ふなべり積重つみかさねた。これは奧方おくがた注意ちうい以外いぐわい智慧ちゑで、ざぶ/\と掻𢌞かきまはして
銭湯 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
……たとへば、地震ぢしんから、水道すゐだう斷水だんすゐしたので、此邊このへんさいはひに四五箇所しごかしよのこつた、むかしの所謂いはゆる番町ばんちやう井戸ゐどへ、家毎いへごとからみづもらひにむれをなしてく。……たちまをんなにはませないとやしき出來できた。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
水道すゐだうて、電燈でんとうがついて、豆府屋とうふやるから、もうつよいぞ。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)