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搖
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ゆら
ふりがな文庫
“
搖
(
ゆら
)” の例文
新字:
揺
さうして其一喝した自分の聲にさへ、實際は恐怖心が
搖
(
ゆら
)
いだのであつた。雨は益〻降る。一時間に
四分五分
(
しぶごぶ
)
位づゝ水は高まつて來る。
水害雑録
(旧字旧仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
海藻
(
みる
)
をかき亂したやうな黒髮の、水肌を慕ふやうに
搖
(
ゆら
)
めく中に、白い顏が恐怖と苦惱に歪んで、二つの眼ばかりが、星の如く輝きます。
銭形平次捕物控:016 人魚の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「お駒ちやん、もうこの頃は白い
丈長
(
たけなが
)
懸けんのかい。」と、定吉は、
俯向
(
うつむ
)
いて咽せてゐるお駒の
島田髷
(
しまだまげ
)
の
搖
(
ゆら
)
いでゐるのを見ながら言つた。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
新しき光閉ぢたる目を俄かに射れば睡りは破れ、破れてしかしてその全く消えざるさきに
搖
(
ゆら
)
めくごとく 四〇—四二
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
啣
(
くは
)
え
烟草
(
たばこ
)
の
烟
(
けむ
)
を
秋
(
あき
)
の
日
(
ひ
)
に
搖
(
ゆら
)
つかせながら、ぶら/\
歩
(
ある
)
いてゐるうちに、どこか
遠
(
とほ
)
くへ
行
(
い
)
つて、
東京
(
とうきやう
)
と
云
(
い
)
ふ
所
(
ところ
)
はこんな
所
(
ところ
)
だと
云
(
い
)
ふ
印象
(
いんしやう
)
をはつきり
頭
(
あたま
)
の
中
(
なか
)
へ
刻
(
きざ
)
み
付
(
つ
)
けて
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
言葉數も少なく、杯も一向に
逸
(
はず
)
まぬ。座の一方の洋燈には冷やかに風が
搖
(
ゆら
)
いで居る。此ごろでは少し飮めばすぐに醉ふやうになつてゐる父が、その夜は更に醉はない。
古い村
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
草
(
くさ
)
を
枕
(
まくら
)
が
其
(
そ
)
のまゝで、
早
(
は
)
やしら/″\と
夜
(
よ
)
が
白
(
しら
)
む。
駒
(
こま
)
の
鬢
(
びん
)
がさら/\と
朝
(
あさ
)
のづらに
搖
(
ゆら
)
いで
見
(
み
)
える。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
西八條殿
(
にしはちでうでん
)
の
搖
(
ゆら
)
ぐ計りの喝采を跡にして、維盛・重景の
退
(
まか
)
り出でし後に一個の
少女
(
をとめ
)
こそ顯はれたれ。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
「わたしは
隨分
(
ずいぶん
)
澤山
(
たくさん
)
の
子
(
こ
)
を
生
(
う
)
んだが、一
番
(
ばん
)
しまいに三人の貴い
御子
(
みこ
)
を得た」と仰せられて、
頸
(
くび
)
に掛けておいでになつた玉の
緒
(
お
)
をゆらゆらと
搖
(
ゆら
)
がして
天照
(
あまて
)
らす大神にお授けになつて
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
焔が眼の中に
搖
(
ゆら
)
めいて、眼は露のやうに光つてゐる。
柔
(
やは
)
らかに、思ひに滿ちてゐて、私の言葉に
微笑
(
ほゝゑ
)
んでゐる。感じ易く、その澄んだ眼球を通つて、次から次へと印象が這入つて行く。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
葉
(
は
)
びろ
柏
(
がしは
)
は
手
(
て
)
だゆげに、
風
(
かぜ
)
に
搖
(
ゆら
)
ゆる
初夏
(
はつなつ
)
を
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
搖
(
ゆら
)
ぎを胸に覺えなばゆらぎをつつめ
独絃哀歌
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
月光はおぼろげな
火陰
(
ほかげ
)
を
搖
(
ゆら
)
めかした
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
薄い毛を總髮のやうに撫であげた道臣の頭と、千代松の丁髷とが、かたみに少しづつ
搖
(
ゆら
)
いで、ねち/\とした話聲が、途切れ/\に聞えた。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
我若しわが答のまた世に歸る人にきかるとおもはゞこの焔はとゞまりてふたゝび
搖
(
ゆら
)
めくことなからん 六一—六三
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
忙
(
せは
)
しく香をくべて、
鐘
(
かね
)
を叩くのは彌助。
新佛
(
にひぼとけ
)
の前に
灯
(
あかり
)
が
搖
(
ゆら
)
いで、夜の鳥が雜司ヶ谷の空を
啼
(
な
)
いて過ぎます。
銭形平次捕物控:066 玉の輿の呪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
釵
(
かんざし
)
の
搖
(
ゆら
)
ぐ
氣勢
(
けはひ
)
は、
彼方
(
あちら
)
に、お
孃
(
ぢやう
)
さんの
方
(
はう
)
にして……
卓子
(
テエブル
)
の
其
(
そ
)
の
周圍
(
まはり
)
は、
却
(
かへ
)
つて
寂然
(
ひつそり
)
となりました。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
風にあらで
小忌
(
をみ
)
の
衣
(
ころも
)
に
漣立
(
さゞなみた
)
ち、持ち給へる珠數震ひ
搖
(
ゆら
)
ぎてさら/\と音するに瀧口
首
(
かうべ
)
を
擡
(
もた
)
げて、小松殿の御樣見上ぐれば、燈の光に半面を
背
(
そむ
)
けて、御袖の
唐草
(
からくさ
)
に
徒
(
たゞ
)
ならぬ露を忍ばせ給ふ
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
日は
搖
(
ゆら
)
ぎ、濃くも
腐
(
あざ
)
れし
光明
(
くわうみやう
)
は
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
しろがねの
被衣
(
かづき
)
も
搖
(
ゆら
)
に
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
百傳ふ
八
鐸
(
ぬて
)
搖
(
ゆら
)
くも。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
草
(
くさ
)
を
枕
(
まくら
)
が
其
(
そ
)
のまゝで、
早
(
はや
)
しら/\と
夜
(
よ
)
が
白
(
しら
)
む。
駒
(
こま
)
の
鬣
(
たてがみ
)
がさら/\と、
朝
(
あさ
)
かつらに
搖
(
ゆら
)
いで
見
(
み
)
える。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
さては、
搖
(
ゆら
)
えた
當時
(
そのかみ
)
の
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
冷
(
ひやつ
)
こく、
宛然
(
さながら
)
網
(
あみ
)
の
下
(
した
)
を、
水
(
みづ
)
が
潛
(
くゞ
)
つて
寄
(
よ
)
せ
來
(
く
)
るやう、
砂地
(
すなぢ
)
に
立
(
た
)
つてても
身體
(
からだ
)
が
搖
(
ゆら
)
ぎさうに
思
(
おも
)
はれて、
不安心
(
ふあんしん
)
でならぬから、
浪
(
なみ
)
が
襲
(
おそ
)
ふとすた/\と
後
(
あと
)
へ
退
(
の
)
き、
浪
(
なみ
)
が
返
(
かへ
)
るとすた/\と
前
(
まへ
)
へ
進
(
すゝ
)
んで
星あかり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
美
(
うつく
)
しさは、
夜
(
よる
)
の
雲
(
くも
)
に
暗
(
くら
)
く
梢
(
こずゑ
)
を
蔽
(
おほ
)
はれながら、もみぢの
枝
(
えだ
)
の
裏
(
うら
)
透
(
す
)
くばかり、
友染
(
いうぜん
)
の
紅
(
くれなゐ
)
ちら/\と、
櫛卷
(
くしまき
)
の
黒髮
(
くろかみ
)
の
濡色
(
ぬれいろ
)
の
露
(
つゆ
)
も
滴
(
したゝ
)
る、
天井
(
てんじやう
)
高
(
たか
)
き
山
(
やま
)
の
端
(
は
)
に、
電燈
(
でんとう
)
の
影
(
かげ
)
白
(
しろ
)
うして、
搖
(
ゆら
)
めく
如
(
ごと
)
き
暖爐
(
だんろ
)
の
焔
(
ほのほ
)
は
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
影法師
(
かげぼふし
)
も
露
(
つゆ
)
に
濡
(
ぬ
)
れて——
此
(
こ
)
の
時
(
とき
)
は
夏帽子
(
なつばうし
)
も
單衣
(
ひとへ
)
の
袖
(
そで
)
も、うつとりとした
姿
(
なり
)
で、
俯向
(
うつむ
)
いて、
土手
(
どて
)
の
草
(
くさ
)
のすら/\と、
瀬
(
せ
)
の
音
(
おと
)
に
搖
(
ゆら
)
れるやうな
風情
(
ふぜい
)
を
視
(
なが
)
めながら、
片側
(
かたかは
)
、
山
(
やま
)
に
沿
(
そ
)
ふ
空屋
(
あきや
)
の
前
(
まへ
)
を
寂
(
さみ
)
しく
歩行
(
ある
)
いた。
月夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
友造
(
ともざう
)
の
影
(
かげ
)
は
石磈
(
いしころ
)
の
上
(
うへ
)
に
搖
(
ゆら
)
いで
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
搖
部首:⼿
13画
“搖”を含む語句
動搖
搖曳
搖動
搖籃
搖上
一搖
小搖
貧乏搖
搖起
搖落
搖蕩
大搖
胴搖
羽搖
盪搖
横搖
搖醒
搖返
大搖籃
搖藍
...