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悟
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さとり
ふりがな文庫
“
悟
(
さとり
)” の例文
「
私
(
わたくし
)
の
樣
(
やう
)
なものには
到底
(
たうてい
)
悟
(
さとり
)
は
開
(
ひら
)
かれさうに
有
(
あ
)
りません」と
思
(
おも
)
ひ
詰
(
つ
)
めた
樣
(
やう
)
に
宜道
(
ぎだう
)
を
捕
(
つら
)
まへて
云
(
い
)
つた。それは
歸
(
かへ
)
る
二三日
(
にさんち
)
前
(
まへ
)
の
事
(
こと
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
と
町内第一
(
ちやうないだいいち
)
の
古老
(
こらう
)
で、
紺
(
こん
)
と
白
(
しろ
)
の
浴衣
(
ゆかた
)
を
二枚
(
にまい
)
重
(
かさ
)
ねた
禪門
(
ぜんもん
)
。
豫
(
かね
)
て
禪機
(
ぜんき
)
を
得
(
え
)
た
居士
(
こじ
)
だと
言
(
い
)
ふが、
悟
(
さとり
)
を
開
(
ひら
)
いても
迷
(
まよ
)
つても、
南
(
みなみ
)
が
吹
(
ふ
)
いて
近火
(
きんくわ
)
では
堪
(
たま
)
らない。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
悟
(
さとり
)
は大道なり。
學
(
まなび
)
は迂路なり。まことや成心は悟の道の
稻麻竹葦
(
たうまちくゐ
)
にして、學の路の
荊棘
(
けいきよく
)
なれば、誰かはこれを破り、これを除かむことを欲せざらむ。
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「求めざるものは得、欲するものは失ふ。」かうしたかれの
悟
(
さとり
)
は、かれの日夜の
行
(
ぎやう
)
と共に益々生気を帯びて来た。
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
「どれ程俺が
彼
(
あれ
)
に言って聞かせて、貴様は最早死んだ者だ、そう思って
温順
(
おとな
)
しくしておれ、
悟
(
さとり
)
を開いたような気分でおれッて、
平常
(
しょっちゅう
)
言うんだが……それが彼には解らない」
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
然
(
さ
)
りながら、一度人身を失へば萬劫還らずとかや、世を換へ生を移しても、生死妄念を離れざる身を思へば、
悟
(
さとり
)
の日の
晩
(
おそ
)
かりしに心
急
(
せ
)
かれて、世は是れ迄とこそ思はれ候へ。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
それでいつの間にかこの犬に対する
悟
(
さとり
)
を開いたのです、犬が
吠
(
ほえ
)
る彼れ始めは熱心でなく
吠
(
ほえ
)
ている、その機先を
掣
(
せい
)
して、こちらから突然襲撃するのです、何
空手
(
くうしゅ
)
でもかまわないです
竹乃里人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
さては
往来
(
ゆきき
)
の
遑
(
いとまな
)
き目も皆
牽
(
ひか
)
れて、この節季の
修羅場
(
しゆらば
)
を
独
(
ひとり
)
天下
(
てんか
)
に
吃
(
くら
)
ひ
酔
(
ゑ
)
へるは、何者の
暢気
(
のんき
)
か、
自棄
(
やけ
)
か、豪傑か、
悟
(
さとり
)
か、
酔生児
(
のんだくれ
)
か、と
異
(
あやし
)
き姿を見て
過
(
すぐ
)
る有れば、
面
(
おもて
)
を識らんと
窺
(
うかが
)
ふ有り
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
怪
(
あや
)
しさよと
計
(
ばか
)
り
敏
(
さとし
)
は
燈下
(
とうか
)
に
腕
(
うで
)
を
組
(
く
)
みしが、
拾
(
ひろ
)
ひきしは
白絹
(
しろぎぬ
)
の
手巾
(
はんけち
)
にて、
西行
(
さいぎやう
)
が
富士
(
ふじ
)
の
烟
(
けむ
)
りの
歌
(
うた
)
を
繕
(
つく
)
ろはねども
筆
(
ふで
)
のあと
美
(
み
)
ごとに
書
(
か
)
きたり、いよいよ
悟
(
さとり
)
めかしき
女
(
をんな
)
、
不思議
(
ふしぎ
)
と
思
(
おも
)
へば
不思議
(
ふしぎ
)
さ
限
(
かぎ
)
りなく
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
見澄
(
みすま
)
し荷物又は懷中の金子等を
奪
(
うば
)
ひ
取
(
とる
)
護摩灰
(
ごまのはひ
)
とかいふ盜人が道中筋には有と申すが貴樣も其樣な
類
(
たぐ
)
ひならんと
正鵠
(
ほし
)
をさゝれて彼町人心の内に南無三寶
彼奴
(
きやつ
)
め我等を
護摩灰
(
ごまのはひ
)
と
悟
(
さとり
)
しかと思ひ
故意
(
わざ
)
と言葉を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
無慙
(
むざん
)
にも色の褪せた
陳
(
ふる
)
いのと、今かいている新しいのと較べて見たい。もとたいへんむずかしいと思ったことが今でははっきりと分って来た。今まで思いも寄らなかった
悟
(
さとり
)
がやって来た。実際今までは仕様のないぼんくらだったわい。」
チチアンの死
(新字新仮名)
/
フーゴー・フォン・ホーフマンスタール
(著)
悟
(
さとり
)
の道をまなびしが。
偏奇館吟草
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
道の
悟
(
さとり
)
や開くらむ
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
悟
(
さとり
)
うるべく
厳
(
おごそ
)
かに
全都覚醒賦
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「私のようなものにはとうてい
悟
(
さとり
)
は開かれそうに有りません」と思いつめたように宜道を
捕
(
つら
)
まえて云った。それは帰る
二三日
(
にさんち
)
前の事であった。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
五年勤労に
酬
(
むく
)
いるのに、何か記念の品をと望まれて、
悟
(
さとり
)
も徳もなくていながら、ただ仏体を建てるのが、おもしろい、工合のいい感じがするで、石地蔵を願いました。
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
今更そんな下手な哲学者の
悟
(
さとり
)
を開いたようなことが言えるかという
烈
(
はげ
)
しい父の言葉の末に、嫁にも行かないようなものは不具の外には無い、不具のようなものは養う義理も無い
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
ところがその聡明霊利が
悟道
(
ごどう
)
の邪魔になって、いつまで
経
(
た
)
っても道に入れなかったと兄さんは語りました。
悟
(
さとり
)
を知らない私にもこの意味はよく通じます。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
いや、老人、胸が、むず
痒
(
がゆ
)
うて、ただ
身体
(
からだ
)
の震えまする外、ここに参ってからはまた格別一段の元気じゃ、
身体
(
からだ
)
は決してお案じ下さりょう事はない。かえって何かの
悟
(
さとり
)
を
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
あとで考えたが鼠を
捕
(
と
)
る時は、こんな気分になれば訳はないのだ、
魂
(
たましい
)
が両方の眼から飛び出しそうな
勢
(
いきおい
)
である。陰士の御蔭で二度とない
悟
(
さとり
)
を開いたのは実にありがたい。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
何の塔婆ぐらい。……犬に骨を食わせるも
悟
(
さとり
)
だぜ。——また説いて聞かせよう。
露萩
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それを
好加減
(
いゝかげん
)
に
揣摩
(
しま
)
する
癖
(
くせ
)
がつくと、それが
坐
(
すわ
)
る
時
(
とき
)
の
妨
(
さまたげ
)
になつて、
自分
(
じぶん
)
以上
(
いじやう
)
の
境界
(
きやうがい
)
を
豫期
(
よき
)
して
見
(
み
)
たり、
悟
(
さとり
)
を
待
(
ま
)
ち
受
(
う
)
けて
見
(
み
)
たり、
充分
(
じゆうぶん
)
突込
(
つつこ
)
んで
行
(
ゆ
)
くべき
所
(
ところ
)
に
頓挫
(
とんざ
)
が
出來
(
でき
)
ます。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
口惜
(
くちおし
)
や、われら、
上根
(
じょうこん
)
ならば、この、これなる烏瓜
一顆
(
ひとつ
)
、ここに一目、
令嬢
(
おあねえさま
)
を見ただけにて、秘事の
悟
(
さとり
)
も開けましょうに、無念やな、
老
(
おい
)
の
眼
(
まなこ
)
の涙に曇るばかりにて、心の霧が晴れませぬ。
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼は
悟
(
さとり
)
という美名に
欺
(
あざむ
)
かれて、彼の平生に似合わぬ冒険を試みようと企てたのである。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
三枚ばかり
附木
(
つけぎ
)
の表へ、(
一
(
ひと
)
くみ)も仮名で書き、(二せん)も仮名で記して、前に並べて、きざ柿の熟したのが、こつこつと揃ったような、昔は
螺
(
たにし
)
が尼になる、これは
紅茸
(
べにたけ
)
の
悟
(
さとり
)
を開いて
露肆
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼
(
かれ
)
は
悟
(
さとり
)
といふ
美名
(
びめい
)
に
欺
(
あざむ
)
かれて、
彼
(
かれ
)
の
平生
(
へいぜい
)
に
似合
(
にあ
)
はぬ
冒險
(
ばうけん
)
を
試
(
こゝろ
)
みやうと
企
(
くはだ
)
てたのである。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
この人は全く胃が健康だから胃に
拘泥
(
こうでい
)
する必要がない、必要がないから胃がどこにあっても構わないのと見える。
自在飲
(
じざいいん
)
、
自在食
(
じざいしょく
)
、いっこう平気である。この男は胃において
悟
(
さとり
)
を開いたものである。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“悟(悟り)”の解説
悟り(さとり、sa: bodhi)は、迷いの世界を超え、真理を体得すること。覚、悟、覚悟、証、証得、証悟、菩提などともいう菩提はsa: bodhiの音写。。仏教において悟りは、涅槃や解脱とも同義とされる。
日常用語としては、理解すること、知ること、気づくこと、感づくことなどを意味する。
(出典:Wikipedia)
悟
常用漢字
中学
部首:⼼
10画
“悟”を含む語句
悟入
悟道
御覺悟
覚悟
悔悟
大悟
頓悟
生悟
大悟徹底
穎悟
悟得
諦悟
御悟
悟性
覺悟
孫悟空
悟空
解悟
開悟
省悟
...