トップ
>
思召
>
おぼしめし
ふりがな文庫
“
思召
(
おぼしめし
)” の例文
以て申上るに中納言
綱條卿
(
つなえだきやう
)
は如何
思召
(
おぼしめし
)
けん伊豆守は
控
(
ひかへ
)
させよ越前守ばかり書院へ通せとの御意にて越前守を
御廣
(
おんひろ
)
書院へ通し伊豆守殿を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
病院に
入切
(
はいりきり
)
で居ながら、いつの
何時
(
なんどき
)
には、姉さんが誰と話をしたッて事、
不残
(
のこらず
)
旦那様御存じなの、もう
思召
(
おぼしめし
)
ったらないんですからね。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
長「左様……別段の御注文でしたから
思召
(
おぼしめし
)
に
適
(
かな
)
うように拵えましたので、思ったより手間がかゝりましたが……百両で
宜
(
よ
)
うございます」
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
是非来月で無ければ成らないと云う訳もありませんから、
約
(
つま
)
り
貴下
(
あなた
)
や市郎さんの
思召
(
おぼしめし
)
次第で……妾の方は
何方
(
どちら
)
でも
宜
(
よろ
)
しいのです。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
『未だ聞かれずや、大臣殿(宗盛)の
思召
(
おぼしめし
)
にて、
主上
(
しゆじやう
)
を始め一門殘らず
西國
(
さいごく
)
に落ちさせ給ふぞや、もし
縁
(
ゆかり
)
の人ならば跡より追ひつかれよ』
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
▼ もっと見る
「かしこまりました。ありがたい
思召
(
おぼしめし
)
でございます。工作の方のものどもはもう
万一
(
まんいち
)
ご
命令
(
めいれい
)
もあるかと
柏林
(
かしわばやし
)
の
測量
(
そくりょう
)
にとりかかっております」
四又の百合
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
そうすれば、あなたも私の目を
掠
(
かす
)
める必要がなくなって、正々堂々でしょう。どうせ矩を越えようなんて
思召
(
おぼしめし
)
はないんですから
四十不惑
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
神の
思召
(
おぼしめし
)
だと云えばそれまでだが、もしそう云う
御幣
(
ごへい
)
を
担
(
かつ
)
がずに考えて見ると、三分の二は
僥倖
(
ぎょうこう
)
で生れたと云っても
差支
(
さしつかえ
)
ない。
創作家の態度
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
一日も早く
件
(
くだん
)
の悪僧を
誅戮
(
ちゅうりく
)
なし、
下々
(
しもじも
)
の難儀を救い取らせよとの有難い
思召
(
おぼしめし
)
によって、はるばる身共を
差遣
(
さしつか
)
わされた次第じゃ。
名娼満月
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
彼さえ将軍とならば、上は朝廷の
思召
(
おぼしめし
)
にも叶い、下は諸侯の望をも帰し、内は幕府の中心点を固うし、外は天下の威信をも
繋
(
つな
)
がんと思えり。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
然し、
全然
(
まるまる
)
蹈むのもさすがに
不便
(
ふびん
)
との
思召
(
おぼしめし
)
を以つて、そこは何とか又色を着けて遣らうさ。まあまあ君達は安心してゐたまへ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
『でもまあ、何事も神様の
思召
(
おぼしめし
)
でございましょう……仕方がございません。……でわたしは、どんな仕事をするのですか?』
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
しかし人間の世界を高き雲の上の国から見給う神の
思召
(
おぼしめし
)
はどうあったのであろうか。神はミチミが法廷に送られる前に、天国へ召したもうた。
棺桶の花嫁
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
人の世はエホバの
思召
(
おぼしめし
)
次第、罪の多い人間はその力ある
審判
(
さばき
)
を待つより
他
(
ほか
)
に
為方
(
しかた
)
が無いけえ、私は芳は君に進ずるとまでは言うことは出来ん。
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
に私は東京府から御払の地所を
買請
(
かいう
)
けたまでの事なれば、府の命に服従するのみ、何か
思召
(
おぼしめし
)
もあらば府庁へ
御談
(
おだん
)
じ
然
(
しか
)
るべしと
刎
(
はね
)
付ける。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
そうかといって、別段、ウエトレスに
思召
(
おぼしめし
)
があったり、からかったりする訳ではない。まあ、下宿より何となく派手で、居心地がいいのだろう。
D坂の殺人事件
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「永年
遠国
(
えんごく
)
に
罷在候夫
(
まかりありそろおっと
)
の
為
(
ため
)
、貞節を
尽候趣聞召
(
つくしそろおもむききこしめ
)
され、厚き
思召
(
おぼしめし
)
を
以
(
もっ
)
て
褒美
(
ほうび
)
として銀十枚下し置かる」と云う口上であった。
じいさんばあさん
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
去頃
(
さるころ
)
より
御老中
(
ごろうじゅう
)
水野越前守様
(
みずのえちぜんのかみさま
)
寛政
(
かんせい
)
御改革の御趣意をそのままに天下
奢侈
(
しゃし
)
の悪弊を
矯正
(
きょうせい
)
すべき有難き
思召
(
おぼしめし
)
により
遍
(
あまね
)
く江戸町々へ
御触
(
おふれ
)
があってから
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
それには諏訪神社の
思召
(
おぼしめし
)
にかなっている小供の身内の者が良いと云うことになって、為作が棟梁になって建築にかかった。
放生津物語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
思召
(
おぼしめし
)
は
辱
(
かたじ
)
けねえが、何んとか因縁をつけて、獨り者のあつしの部屋へ潜り込む女ですから、嬉しい相手ぢやありませんよ。
銭形平次捕物控:303 娘の守袋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それに
又
(
また
)
神
(
かみ
)
さまからも『
折角
(
せっかく
)
であるから
通信
(
つうしん
)
したがよい』との
思召
(
おぼしめし
)
でございますので、
今回
(
こんかい
)
いよいよ
思
(
おも
)
い
切
(
き
)
ってお
言葉
(
ことば
)
に
従
(
したが
)
うことにいたしました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
來
(
こ
)
いといつて
下
(
くだ
)
さるお
人
(
ひと
)
の
氣
(
き
)
に
入
(
い
)
るもなし、
浮氣
(
うはき
)
のやうに
思召
(
おぼしめし
)
ましようが
其日
(
そのひ
)
送
(
おく
)
りでござんすといふ、いや
左樣
(
さう
)
は
言
(
い
)
はさぬ
相手
(
あいて
)
のない
事
(
こと
)
はあるまい
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
県では
尾白
(
おじろ
)
渓谷の御探勝を頻りに希望して、そこへ御歩を
枉
(
ま
)
げさせ給うよう再三の願であったが、正午迄には台ヶ原の御休息所へ御到着の
思召
(
おぼしめし
)
に加えて
朝香宮殿下に侍して南アルプスの旅
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
それだのに悪魔どもがこの大戦争を始めましたおかげで、せつかくの神様の
思召
(
おぼしめし
)
も
無駄
(
むだ
)
になつて、そんなものは皆踏みにじられ焼き枯らされてしまひました。
悪魔の尾
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
父上の
思召
(
おぼしめし
)
はどうあろうと、息子の方では勝手にそう決め込んで、もはや直接君公に御目通りしていますよ。
牛人
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
天使が空を舞い、神の
思召
(
おぼしめし
)
により、翼が消え失せ、
落下傘
(
らっかさん
)
のように世界中の処々方々に舞い降りるのです。
美男子と煙草
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
山門寺門の天台側からこの抗議があって見ると、
仮令
(
たとい
)
法皇の
思召
(
おぼしめし
)
でもそれを押し切る訳には行かなかった。
法然行伝
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そして皆さんの
思召
(
おぼしめし
)
に
酬
(
むく
)
いる、というような巧なる事はうまく出来ませぬので、已むを得ず自分の方の
圃
(
はたけ
)
のものをば、取り
繕
(
つくろ
)
いもしませんで無造作に持出しまして
馬琴の小説とその当時の実社会
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
もしこれをこの神の威霊を信ずる人たちに言わせたなら、或いはオシラ神の
思召
(
おぼしめし
)
だと言うかもしれぬ。
オシラ神に関する二三の臆説
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
何よりもまず家政のけいこに打ちかかり申したく何とぞ何とぞ
悪
(
あ
)
しからず
思召
(
おぼしめし
)
のほど願い上げ参らせ候
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
ワキモコガはマキムクノの
訛
(
なま
)
り、
纏向穴師
(
まきむくのあなし
)
は三輪の東に
峙
(
そばだ
)
つ高山で、大和北部の平野に近く、多分は朝家の
思召
(
おぼしめし
)
に
基
(
もとづ
)
いて、この山にも一時国樔人の住んでいたのは
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
評判のある
葺屋
(
ふきや
)
町の色小姓でさえ、主水の前へ出ると
袖
(
そで
)
で顔を
蔽
(
おお
)
って恥らうというほどの美少年だったので、
寵愛
(
ちょうあい
)
をうけて
近習
(
きんじゅ
)
に選ばれ
擬作高
(
ぎさくだか
)
百石の
思召
(
おぼしめし
)
料をもらった。
鈴木主水
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
上様の
思召
(
おぼしめし
)
であり、御老中の評決とあらば、是非に及ばぬ事です。然し、その
間
(
かん
)
に、
何人
(
なんぴと
)
かの御一存で決着いたしましたものとすれば、正しい御政道とは申されませぬ。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
今後は
思召
(
おぼしめし
)
に
叶
(
かな
)
うべきほど水をお使い下さい。その代りに、どうかあの石だけは、とりのけて頂きますといった。すると、大井子は夜の間にその石を引きのけてしまった。
大力物語
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
但し
上山草人
(
かみやまそうじん
)
の正妻であった
山川浦路
(
やまかわうらじ
)
の妹で、後に女優になって
夭折
(
ようせつ
)
した
上山珊瑚
(
かみやまさんご
)
、——彼女には大分
思召
(
おぼしめし
)
があったらしい。あるいはただの関係ではなかったかも知れない。
文壇昔ばなし
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「参りませう。さういふ
思召
(
おぼしめし
)
でしたら、なに回想録なんか
何時
(
いつ
)
でもいゝ事なんですから。」
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
またあなたの判断までがそれと符合して居るというのは、実にこりゃ仏の
思召
(
おぼしめし
)
があるから、それに
背
(
そむ
)
くとかえってあなたが
禍
(
わざわ
)
いを招く基になる。早くお帰りなさるがよかろう。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
「いやただ今お触令がございまして、何分の知らせをするまで家から出ぬようにとのことです。騒動が拡がってはならぬという
思召
(
おぼしめし
)
でしょう。しかし用意だけはいたしておきます」
三十二刻
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
十六歳で見出された
下田歌子
(
しもだうたこ
)
女史、
岸田俊子
(
きしだとしこ
)
(
湘煙
(
しょうえん
)
)女史があり、女学の道を広めさせられた
思召
(
おぼしめし
)
は、やがて女子に稀な天才が現われるときになって、
御余徳
(
おんよとく
)
がしのばれることであろう。
明治美人伝
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
諸商人かの妓を気の毒がり、一日商主に城中第一の名代女の情に逆らうは不穏当と忠告すると、商主誠に
思召
(
おぼしめし
)
ありがたきも昨夜夢に交通を遂げた。この上何ぞ親しく
見
(
まみ
)
ゆるを要せんと語る。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
お手にお
持
(
もち
)
なさった一と房の花の上へかかるのを、たしかに見た事があるんですが、これをおもえば、徳蔵おじの
実貞
(
じってい
)
な処を愛して、深い
思召
(
おぼしめし
)
のある事をおおせにでもなったものと見えます。
忘れ形見
(新字新仮名)
/
若松賤子
(著)
明治大帝の
御沙汰書
(
ごさたしょ
)
且つ金弊を賜わり、今上陛下は東宮にいらせられる当時、この学校の教授及び実験を親しくご覧になったという有難き学事奨励の
思召
(
おぼしめし
)
がこの大学を盛んならしめた本源である。
早稲田大学の教旨
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
今夜、この家で
大殺陣
(
おおたて
)
が展開される、これは神様の
思召
(
おぼしめし
)
によるのだそうで、海老塚さんの魂も、今夜はこの家へくるそうで、もう今じぶん、どこか、このへんの隅に詰めているかも知れませんよ。
不連続殺人事件
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
皇儲の
思召
(
おぼしめし
)
により岡の来診の時会談して診察に立ち会うともあります。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
「天できめられたことだ。その
思召
(
おぼしめし
)
を大事にしなければいけない。」
ジャン・クリストフ:04 第二巻 朝
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
何卒
(
なにとぞ
)
々々
悪
(
あ
)
しからず御
思召
(
おぼしめし
)
下
(
くだ
)
されたく候——
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
思召
(
おぼしめし
)
だが、わたしには
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
いたしたいと云うような場合におきましては……でごわりまする……その辺はいかがお計らいなされまする
思召
(
おぼしめし
)
でごわりまするな。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼
(
あれ
)
は御案内の水街道の麹屋に奉公致した
酌取女
(
しゃくとりおんな
)
、
彼
(
あ
)
の隅なるものに先生
思召
(
おぼしめし
)
があったのでげすな、前に惚れていらしったのでげすな貴方
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
これは
小生
(
わたくし
)
の父が、
眼前
(
まのあたり
)
に見届けたとは申し
兼
(
かね
)
るが、直接にその本人から聞取った一種の怪談で今はむかし文久の頃の事。その
思召
(
おぼしめし
)
で御覧を願う。
お住の霊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
思
常用漢字
小2
部首:⼼
9画
召
常用漢字
中学
部首:⼝
5画
“思召”で始まる語句
思召立
思召通
思召に
思召次第
思召被下
思召被成
思召有之候
思召帰住御免