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少女
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おとめ
ふりがな文庫
“
少女
(
おとめ
)” の例文
中流より石級の方を望めば理髪所の
燈火
(
あかり
)
赤く
四囲
(
あたり
)
の
闇
(
やみ
)
を
隈
(
くま
)
どり、そが前を
少女
(
おとめ
)
の群れゆきつ返りつして
守唄
(
もりうた
)
の
節
(
ふし
)
合わするが聞こゆ。
小春
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
「
出女
(
でおんな
)
、入り鉄砲」などと言われ、女の旅は関所関所で食い留められ、
髪長
(
かみなが
)
、尼、
比丘尼
(
びくに
)
、
髪切
(
かみきり
)
、
少女
(
おとめ
)
などと一々その風俗を区別され
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
真紅
(
しんく
)
や、白や、
琥珀
(
こはく
)
のような黄や、いろ/\変った色の、
少女
(
おとめ
)
のような優しい花の姿が、荒れた庭園の夏を
彩
(
いろど
)
る
唯一
(
ゆいいつ
)
の色彩だった。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
だしぬけに
声
(
こえ
)
をかけられて、
少女
(
おとめ
)
はびっくりしました。それから
人間
(
にんげん
)
の
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
ると、二
度
(
ど
)
びっくりして、あわてて
駆
(
か
)
け
出
(
だ
)
そうとしました。
白い鳥
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
可憐なる多くの
少女
(
おとめ
)
達の行末を守り、玉のやうな乙女子たちに、私の様な轍を踏まない様、致したいとの望みを起こしたのでござります。
こわれ指環
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
▼ もっと見る
夕焼
(
ゆうや
)
けは
幾
(
いく
)
たびとなく、
海
(
うみ
)
のかなたの
空
(
そら
)
を
染
(
そ
)
めて
沈
(
しず
)
みました。
少女
(
おとめ
)
は
岩角
(
いわかど
)
に
立
(
た
)
って、
涙
(
なみだ
)
ながらにそれをながめたのでありました。
夕焼け物語
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
待合室を
出
(
い
)
づるとて、あたかも十五六の
少女
(
おとめ
)
を連れし
丈
(
たけ
)
高き婦人——貴婦人の婦人待合室より出で来たるにはたと行きあいたり。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
貞淑なる少女を妖婦の如く、清浄な女を悪魔の如く、純真無垢なる花の如き可憐な
少女
(
おとめ
)
をあなたは淫婦の如く罵らなければならないのですか。
死者の権利
(新字新仮名)
/
浜尾四郎
(著)
うるわしいお
下髪
(
さげ
)
にむすび、
帯
(
おび
)
のあいだへ笛をはさんだその
少女
(
おとめ
)
は、おずおずと、梅雪の駕籠の前へすすんで手をついた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いかに武芸をひとわたりは心得たとて……この
血腥
(
ちなまぐさ
)
い世の中に……ただの女の一人身で……ただの
少女
(
おとめ
)
の一人身で……夜をもいとわず一人身で……
武蔵野
(新字新仮名)
/
山田美妙
(著)
定
(
さだめ
)
なき空に雨
歇
(
や
)
みて、学校の庭の
木立
(
こだち
)
のゆるげるのみ曇りし窓の
硝子
(
ガラス
)
をとほして見ゆ。
少女
(
おとめ
)
が話聞く間、
巨勢
(
こせ
)
が胸には、さまざまの感情戦ひたり。
うたかたの記
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
其頃の土肥君は、色は黒いが
少女
(
おとめ
)
の様なつゝましい子であった。余は西郷戦争の翌年京都に往った。其れからかけ
違
(
ちが
)
って君に逢わざること三十三年。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
あまりに
少女
(
おとめ
)
らしい人だと
可憐
(
かれん
)
に思って、一日じゅうそばについていて慰めたが、打ち解けようともしない様子がいっそうこの人をかわゆく思わせた。
源氏物語:09 葵
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
ダンネベルグ夫人をそれほど神秘的な英雄めいた——例えばスウェーデンボルグやオルレアンの
少女
(
おとめ
)
みたいな、
慢性幻覚性偏執症
(
パラノイア・ハルツィナトリア・クローニカ
)
だと云うわけじゃないのだよ。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
けれども、その少女お園の心持ちは、内気な
少女
(
おとめ
)
には、よく
頷
(
うなず
)
かれもし、残りなく
書尽
(
かきつく
)
されてもいる。
樋口一葉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
たとえば
菌採
(
きのこと
)
り青物採りなどはそれであったが、青物は採らなくなり菌も栽培にかわると、いわゆるナバ師はみな男になった。『万葉集』には「
玉藻
(
たまも
)
苅
(
か
)
るあま
少女
(
おとめ
)
ども」
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
眠りたる眼は開く
期
(
ご
)
なし。父と兄とは
唯々
(
いい
)
として遺言の
如
(
ごと
)
く、憐れなる
少女
(
おとめ
)
の
亡骸
(
なきがら
)
を舟に運ぶ。
薤露行
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「十五や十六の
少女
(
おとめ
)
ではない。何かお考えがおありで、そっと
戸外
(
そと
)
へ出られたものであろう」
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
旋頭歌
(
せどうか
)
で、人麿歌集所出である。一首の意は、新しく家を造るために、その地堅め地鎮の祭を行うので、大勢の
少女
(
おとめ
)
等が運動に連れて
手飾
(
てかざり
)
の玉を鳴らして居るのが聞こえる。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
ふびんや
少女
(
おとめ
)
の、あばら屋といえば天井も
無
(
な
)
かるべく、屋根裏は
柴
(
しば
)
焼
(
た
)
く煙りに塗られてあやしげに黒く光り、
火口
(
ほくち
)
の如き煤は
高山
(
こうざん
)
の
樹
(
き
)
にかゝれる
猿尾枷
(
さるおがせ
)
のようにさがりたる下に
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
どちらも軽い洋装ですが、勇美子はクリーム色のジャケツ、陽子は白のセーラー、ロング・カットが
和
(
やわら
)
かい風に
靡
(
なび
)
いて、知らない者が見たら、
少女
(
おとめ
)
の幸福に酔った散歩姿とも見るでしょう。
身代りの花嫁
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
雅樸に偏する者は百姓と言ひ
鍬
(
くわ
)
と言へば則ち以て直ちに
是
(
ぜ
)
とし、
復
(
また
)
他を顧みず。これ他の卑野と目する所以なり。婉麗に偏する者は
少女
(
おとめ
)
と言ひ
金屏
(
きんびょう
)
と言へば則ち以て直ちに
是
(
ぜ
)
とし、
復
(
また
)
他を顧みず。
俳諧大要
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
出雲
(
いずも
)
の
簸
(
ひ
)
の川上というところにいたりたもう。そこにひとりの
翁
(
おきな
)
と
姥
(
うば
)
とあり。ひとりの
少女
(
おとめ
)
をすえてかきなでつつ泣きけり。
素戔烏尊
(
すさのおのみこと
)
たぞと問いたもう。われはこの
国神
(
くにつかみ
)
なり。
脚摩乳
(
あしなずち
)
手摩乳
(
てなずち
)
という。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
寐入りし
少女
(
おとめ
)
の夢さへ覚ます月の光に
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
花は言いぬ、いかに美しの
少女
(
おとめ
)
よ
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
かかるかなしきその日の
少女
(
おとめ
)
。
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
我がめぐわしき
少女
(
おとめ
)
。
クララの出家
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
あの鴉共が水の
少女
(
おとめ
)
に
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
でも
水
(
みず
)
の中に
居
(
い
)
る
少女
(
おとめ
)
たちがどうするか、
様子
(
ようす
)
を
見届
(
みとど
)
けて行きたいと
思
(
おも
)
って、
羽衣
(
はごろも
)
をそっとかかえたまま、木の
陰
(
かげ
)
にかくれて
見
(
み
)
ていました。
白い鳥
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
ちょうど悪質の石炭が燃えた時、赤ちゃけた煙が出たが、その煙の色をした赤い髪の
少女
(
おとめ
)
が窓際で機を織りながら、遠くの空を眺めていた。
悪魔
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
少女
(
おとめ
)
は神崎の捨てた石を拾って、
百日紅
(
さるすべり
)
の樹に倚りかかって、西の山の端に沈む夕日を眺めながら小声で唱歌をうたっている。
恋を恋する人
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
扉
(
と
)
翻りて
紅
(
くれない
)
のリボンかけたる
垂髪
(
さげがみ
)
の——十五ばかりの
少女
(
おとめ
)
入り来たり、中将が大の手に
小
(
ち
)
さき読本をささげ読めるさまのおかしきを、ほほと笑いつ。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
現世
(
このよ
)
の人とも思はれぬが、薄き蒲団に包まれて、壁に向ひ臥したる後姿のみは、ありありとして
少女
(
おとめ
)
の胸を打ちぬ。
小むすめ
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
我空想はかの
少女
(
おとめ
)
をラインの岸の
巌根
(
いわね
)
にをらせて、手に
一張
(
ひとはり
)
の琴を
把
(
と
)
らせ、
嗚咽
(
おえつ
)
の声を
出
(
いだ
)
させむとおもひ定めにき。
うたかたの記
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
身を
挺
(
てい
)
して、激流の中から彼が救い上げて来た娘は——その頃まだ軽かった。十四ぐらいな愛くるしい
少女
(
おとめ
)
で、お小夜という名は、後に知ったのである。
夏虫行燈
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
二千有余年も昔の、
猶太
(
ユダヤ
)
の
少女
(
おとめ
)
の魂が、大正の日本に、
甦
(
よみがえ
)
って来たように、瑠璃子は炎の
如
(
ごと
)
く熱狂した。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
山田武太郎と表札の出ている、美妙斎の
住居
(
すまい
)
を訪れた、みちのく
少女
(
おとめ
)
のいなぶねは、田舎娘が来たのかと、気にもかけなかったであろう美妙に、ハッと目を
瞶
(
みは
)
らせた。
田沢稲船
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
嫉妬
(
しっと
)
をお持ちになる傾向が宮にもあれば院はまして苦しい立場になるのであるが、おっとりとした
少女
(
おとめ
)
の宮を、人形のように気楽にお扱いになることはできるのであった。
源氏物語:34 若菜(上)
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
と法水が
喫
(
す
)
いさしを灰皿の上で揉み潰すと、検事は
少女
(
おとめ
)
のように顔を紅くして、法水に云った。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
アヽ五日前一生の晴の化粧と鏡に向うた折会うたる我に少しも違わず
扨
(
さて
)
は
父様
(
ととさま
)
かと早く悟りてすがる
少女
(
おとめ
)
の利発さ、
是
(
これ
)
にも
室香
(
むろか
)
が名残の
風情
(
ふぜい
)
忍ばれて心強き子爵も、二十年のむかし
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
ことに女の旅は厳重をきわめたもので、髪の長いものはもとより、そうでないものも
尼
(
あま
)
、
比丘尼
(
びくに
)
、
髪切
(
かみきり
)
、
少女
(
おとめ
)
などと通行者の風俗を区別し、乳まで探って真偽を確かめたほどの時代だ。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
画
(
え
)
に似たる
少女
(
おとめ
)
の、舟に乗りて他界へ行くを、立ちならんで送るのでもあろう。
薤露行
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
小夜子は純潔な
少女
(
おとめ
)
でした。彼女は今も申した通り、親や同胞のために身を売ったのです。彼女はこうしなければ生きて行かれなかったのです。彼女はカフェー・パローマの女給となりました。
死者の権利
(新字新仮名)
/
浜尾四郎
(著)
そのくせに
坐
(
すわ
)
り
丈
(
ぜい
)
はなかなかあッて、そして(
少女
(
おとめ
)
の
手弱
(
たよわ
)
に似ず)腕首が大層太く、その上に人を見る
眼光
(
めざし
)
が……眼は
脹目縁
(
はれまぶち
)
を持ッていながら……、難を言えば、凄い……でもない……やさしくない。
武蔵野
(新字新仮名)
/
山田美妙
(著)
かれが沸騰せし心の海、今は春の
霞
(
かす
)
める波平らかに貴嬢はただ愛らしき、あわれなる
少女
(
おとめ
)
富子の姿となりてこれに映れるのみ。
おとずれ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
少女
(
おとめ
)
はどうかして、あのとこなつと
同
(
おな
)
じい
花
(
はな
)
はどこかに
咲
(
さ
)
いていないかと
思
(
おも
)
って、
毎日
(
まいにち
)
のように
浜辺
(
はまべ
)
を
探
(
さが
)
して
歩
(
ある
)
きました。
夕焼け物語
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
少女
(
おとめ
)
は
羽衣
(
はごろも
)
にひかれて、とうとう
伊香刀美
(
いかとみ
)
のうちまで行きました。そして
伊香刀美
(
いかとみ
)
といっしょに、そのおかあさんのそばで
暮
(
く
)
らすことになりました。
白い鳥
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
小戻りして、窓のカーテンの陰に
内
(
うち
)
の話を立ち聞く
少女
(
おとめ
)
をあとに残して、夫人は廊下伝いに応接間の
方
(
かた
)
へ行きたり。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
今この処を過ぎんとするとき、とざしたる寺門の
扉
(
とびら
)
に
倚
(
よ
)
りて、声を
呑
(
の
)
みつつ泣くひとりの
少女
(
おとめ
)
あるを見たり。
舞姫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
煙村の
少女
(
おとめ
)
、
温泉
(
いでゆ
)
の
湯女
(
ゆな
)
、物売りの女など、かえって、
都人
(
みやこびと
)
のすきごころを
疼
(
うず
)
かせたことでもあろう。
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“少女”の解説
少女(しょうじょ)は、7歳から18歳前後の「女の子」「女子」。「幼女」はおおむね満1歳から小学校3年生(満8歳~9歳くらい)までを、「女性」「婦人」はおおむね満20歳以上を指す。
(出典:Wikipedia)
少
常用漢字
小2
部首:⼩
4画
女
常用漢字
小1
部首:⼥
3画
“少女”で始まる語句
少女子
少女心
少女等
少女姿
少女時代
少女笠
少女連
少女小説
少女雑誌
少女魅力