大雪おほゆき)” の例文
それ大雪おほゆきのために進行しんかうつゞけられなくなつて、晩方ばんがた武生驛たけふえき越前ゑちぜん)へとまつたのです。ひて一町場ひとちやうばぐらゐは前進ぜんしん出來できないことはない。
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
力草ちからぐさ漸々やう/\と山へ這上はひあがりて見ば此はいかに山上は大雪おほゆきにて一面の銀世界ぎんせかいなり方角はうがくはます/\見分がたく衣類いるゐには氷柱つらゝさがしほぬれし上を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
斗滿川とまむがはいへ半町餘はんちやうよところり。朝夕あさゆふ灌水くわんすゐおもむくに、如何いかなる嚴寒げんかん大雪おほゆきこういへども、浴衣ゆかたまとひ、草履ざうり穿うがつのみにて、何等なんら防寒具ばうかんぐもちゐず。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
大風おほかぜ大雪おほゆきとはさていて、大地震だいぢしんについていはれたみぎことわざ一般いつぱん地震ぢしんつうずるものである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
わがさと大雪おほゆきれり大原おほはらりにしさとらまくはのち 〔巻二・一〇三〕 天武天皇
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
「いゝえ、あに一緒いつしよですから……でも大雪おほゆきなぞは、まちからみちえますと、こゝにわたし一人ひとりきりで、五日いつか六日むいかくらしますよ。」
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ころ享保きやうほ丙申ひのえさるしも月十六日の事なりし此日はよひより大雪おほゆきふりて殊の外にさぶき日なりし修驗者しゆげんじや感應院には或人よりさけ二升をもらひしに感應院はもとより酒を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
三十七ねんげつ大雪おほゆきがいと、その七月しちぐわつ疫疾えきしつために、牛馬ぎうばそのなかばうしなひたるの災厄さいやくあり。其他そのた天災てんさい人害じんがい蝟集ゐしふきたり、損害そんがいかうむことおびたゞしく、こゝろなやましたることじつすくなからざるなり。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
ことわざ大風おほかぜ中頃なかごろよわくてはじめとをはりとがつよく、大雪おほゆきはじめから中頃なかごろまでよわくてをはりがつよく、大地震だいぢしんは、はじめとをはりがよわくて中頃なかごろつよいといふことがある。これは面白おもしろ比較觀察ひかくかんさつだとおもふ。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
一宿ひとやどり。一宿ひとやどりして、こゝを、またこゝからつて、大雪おほゆきなか敦賀つるがしたこともある。くるまはきかない。俥夫くるまやあさまだき提灯ちやうちん道案内みちあんないつた。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
聞てよくこそ心付たれ我はばゝの事に心付ざりし隨分ずゐぶん澤山たくさんつかはせと有ければ寶澤は大いによろこ早速さつそく酒を徳利へうつさかなをば竹の皮につゝ降積ふりつもりたる大雪おほゆき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
大雪おほゆきです——が、停車場前ステエシヨンまへ茶店ちやみせでは、まだ小兒せうにたちの、そんなこゑきこえてました。時分じぶんは、やま根笹ねざさくやうに、かぜもさら/\とりましたつけ。
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
番町ばんちやうして十二三年じふにさんねんになる。あの大地震おほぢしんまへとし二月四日にぐわつよつか大雪おほゆきであつた。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
柳川やながはさんが、柳川やながはさんがおえになりました。」うつとりとさますと、「ゆきだよ、ゆきだよ、大雪おほゆきつた。このゆきやつがあるものか。」と、もう枕元まくらもとながかほつてる。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
大雪おほゆきなど、まちみちえますと、三日みつか四日よつかわたし一人ひとり——」
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ところ地震前ぢしんまへのその大雪おほゆきよるである。晩食ばんしよく一合いちがふで、いゝ心持こゝろもちにこたつで寢込ねこんだ。ふすま一重ひとへちやで、濱野はまのさんのこゑがするので、よく、このゆきに、とおもひながら、ひよいときて、ふらりとた。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
大雪おほゆきなかに。
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)