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ひとどほ
女房は、
幾度も
戸口へ
立つた。
路地を、
行願寺の
門の
外までも
出て、
通の
前後を
眗した。
人通りも、もうなくなる。
人通りと
云つては一人もない
此方の岸をば、意外にも
突然二台の人力車が
天神橋の
方から
駈けて来て、二人の休んでゐる寺の
門前で
止つた。
大方墓参りに来たのであらう。
前庭の
植込には、きり
島がほんのりと
咲き
殘つて、
折から
人通りもなしに、
眞日中の
忍返しの
下に、
金魚賣が
荷を
下して、
煙草を
吹かして
休んでゐた。
で、
人通りは
少し、
日向の
眞中を
憚る
處もなく、
何しろ、
御院殿の
方へ
眞直だ、とのん
氣に
歩行き
出す。
枝の
間を
白砂のきれいな
坂が
畝つて
拔けて、その
丘の
上に
小學校がある。ほんの
拔裏で、ほとんど
學校がよひのほか、
用のない
路らしいが、それでも
時々人通りがある。
初夜過ぎの
今頃を
如何に
夏の
川縁でも
人通りは
絶えてない。
人も
車も、いづれ
列席したものばかりで、……
其の
前後の
車の
中から、
彼は
引外して、
此處に
入つて
來たのである。
元結よりだの、
早附木の
箱を
内職にするものなんぞが、
目貫の
市へ
出て
行く
往帰りには、
是非母様の
橋を
通らなければならないので、百人と二百人づゝ
朝晩賑な
人通りがある。
九時頃だが、
商店は
町の
左右に
客を
待つのに、
人通りは
見掛けない。
靜な
細い
町を、
四五間ほど
前へ
立つて、
小兒かと
思ふ
小さな
按摩どのが
一人、
笛を
吹きながら
後形で
行くのである。
餘り
遠い
所ではありませぬ。
人通りのない、
故道松並木の
五位鷺は、
人の
居處から五
本目の
枝に
留ります、
道中定り。……
其の
灯の
消殘りましたのは、お
前樣から、
上へ五
本目と
存じます。
旅費が
少いから、
旦那は
脇息とある
處を、
兄哥に
成つて、
猫板に
頬杖つくと、
又嬉しいのは、
摺上川を
隔てた
向う
土手湯の
原街道を、
山の
根について
往來する
人通りが、
衣ものの
色、
姿容は
私たちは
七丁目の
終點から
乘つて
赤坂の
方へ
歸つて
來た……あの
間の
電車は
然して
込合ふ
程では
無いのに、
空怪しく
雲脚が
低く
下つて、
今にも
一降來さうだつたので、
人通りが
慌しく、
一町場二町場