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ひとどほ
で、
人通りは
少し、
日向の
眞中を
憚る
處もなく、
何しろ、
御院殿の
方へ
眞直だ、とのん
氣に
歩行き
出す。
枝の
間を
白砂のきれいな
坂が
畝つて
拔けて、その
丘の
上に
小學校がある。ほんの
拔裏で、ほとんど
學校がよひのほか、
用のない
路らしいが、それでも
時々人通りがある。
初夜過ぎの
今頃を
如何に
夏の
川縁でも
人通りは
絶えてない。
人も
車も、いづれ
列席したものばかりで、……
其の
前後の
車の
中から、
彼は
引外して、
此處に
入つて
來たのである。