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ひとゞほ
成りたけ
遠く
離れて、
向う
側をお
通んなさい。
何なら
豫め
其の
用心で、
丁ど
恁うして
人通りはなし——
構はず
駈出したら
可いでせう……
其の上から
松の枝も見える。
石灰の散つた便所の
掃除口も見える。
塵芥箱の
並んだ
処もある。
其の
辺に猫がうろ/\して
居る。
人通りは案外に
烈しい。
見るにいつ落せしや九十兩の
金見えざりければ三吉は
駭驚仰天して立歸り
猿眼に成て能々尋ねけれ共
人通り多き所ゆゑ一向に
跡形もなし依て又々元の手ふりとなりければ
再び本郷の甲州屋へ行仁左衞門に右の事を
もういくら待つても
人通りはない。
長吉は
詮方なく疲れた眼を
河の
方に移した。
河面は
先刻よりも一体に
明くなり
気味悪い雲の
峯は影もなく消えてゐる。
往には、
何にも、そんな
奴は
居なかつたんです。
尤も
大勢人通りがありましたから
氣が
附かなかつたかも
知れません。
還は
最う
病院の
彼方かどを、
此方へ
曲ると、
其奴の
姿がぽつねんとして
一ツ。
子供の
群がめんこや
独楽の遊びをしてゐる
外には至つて
人通りの
少い
道端の
格子戸先で、
張板に
張物をして
居た。