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世人
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せじん
ふりがな文庫
“
世人
(
せじん
)” の例文
あるいは彼らが骨冷かに肉
朽
(
く
)
ち、
世人
(
せじん
)
の一半は彼等が名を忘却したる時において、始めて彼らの
播
(
ま
)
きたる種子の収穫を見ることあり。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
かりに「聖人夢なし」という句が本当なりとするも、
世人
(
せじん
)
ことごとく聖人ならざる以上は、やはり夢は人生に添えるものである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
世人
(
せじん
)
は
金解禁
(
きんかいきん
)
が
出來
(
でき
)
たならば、
正貨
(
せいくわ
)
が
急激
(
きふげき
)
に
巨額
(
きよがく
)
に
積出
(
つみだ
)
され、
其結果
(
そのけつくわ
)
は
經濟界
(
けいざいかい
)
に
非常
(
ひじやう
)
な
打撃
(
だげき
)
を
與
(
あた
)
へると
云
(
い
)
つて
心配
(
しんぱい
)
して
居
(
ゐ
)
るが
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
鋼索
(
こうさく
)
、
化學用
(
くわがくよう
)
の
諸
(
しよ
)
劇藥
(
げきやく
)
、
其他
(
そのほか
)
世人
(
せじん
)
の
到底
(
たうてい
)
豫想
(
よさう
)
し
難
(
がた
)
き
幾多
(
いくた
)
の
材料
(
ざいりよう
)
を
蒐集中
(
しうしふちう
)
なりしが、
何時
(
いつ
)
とも
吾人
(
われら
)
の
氣付
(
きづ
)
かぬ
間
(
ま
)
に
其
(
その
)
姿
(
すがた
)
を
隱
(
かく
)
しぬ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
人々は、それが蝋細工と分っても、そんなもので、どうして長い間、
世人
(
せじん
)
を
欺
(
あざむ
)
くことが川来たのかと、不思議にたえなかった。
吸血鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
世人
(
せじん
)
はタチバナの名に
憧
(
あこが
)
れて勝手にこれを歴史上のタチバナと結びつけ、
貴
(
とうと
)
んでいることがあれど、これはまことに
笑止千万
(
しょうしせんばん
)
な
僻事
(
ひがごと
)
である。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
今日の会合は食道楽会の発会ですから二円の原料で随分立派な御馳走を拵えましたが必ずしも
世人
(
せじん
)
をしてこれに
傚
(
ならわ
)
しめようとは申しません。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
之
(
これ
)
を
聞
(
きゝ
)
伝へた
世人
(
せじん
)
はタルマ自身に匹敵する悲劇役者が国立劇場へ加はつたのを故人の霊が喜んだのであらうと評判した。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
常に山頂の風力の強暴なるに似ず、日光の
朗
(
ほが
)
らかなるを見て、時として
妻
(
さい
)
などはもし空気が目に見ゆるものならば、この
烈
(
はげ
)
しき風を
世人
(
せじん
)
に見せたし
寒中滞岳記:(十月一日より十二月廿一日に至る八十二日間)
(新字新仮名)
/
野中至
(著)
花前はかえって人のいつわりおおきにあきれて、ほとんど
世人
(
せじん
)
を
眼中
(
がんちゅう
)
におかなく、
心中
(
しんちゅう
)
に自分らをまで
侮蔑
(
ぶべつ
)
しつくしてるのじゃないかとも思われる。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
この強国のいずれが将来この国を支配することになるということについては、大いに
世人
(
せじん
)
の注意するところである。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
これは
近時
(
きんじ
)
建築
(
けんちく
)
に
對
(
たい
)
する
世人
(
せじん
)
の
態度
(
たいど
)
が
極
(
きは
)
めて
眞面目
(
まじめ
)
になり、
徹底的
(
てつていてき
)
に
建築
(
けんちく
)
の
根本義
(
こんぽんぎ
)
を
解決
(
かいけつ
)
し、
夫
(
そ
)
れから
出發
(
しゆつぱつ
)
して
建築
(
けんちく
)
を
起
(
おこ
)
さうと
云
(
い
)
ふ
考
(
かんが
)
へから
出
(
で
)
たことで
建築の本義
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
そこで
世人
(
せじん
)
が突込んで実際は伯爵が生きているんじゃないかと訊くとゴーは頑固に首をふってそんなはずはないという。ある朝市長と牧師が城に呼ばれた。
作男・ゴーの名誉
(新字新仮名)
/
ギルバート・キース・チェスタートン
(著)
過ぎ去ったことだの、
筥
(
はこ
)
の中にかくしてある物をあてたところで、何の
世人
(
せじん
)
の益にもならない。未然の禍いを
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これに因つて
世人
(
せじん
)
は
汎
(
ひろ
)
くフェノロサが日本美術について最も広大深刻なる見解を有する人なるを知りぬ。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
世人
(
せじん
)
断じて山師的宗教家の口車などに乗って、迷信家の仲間入りをしてはならない。
霊訓
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ステイントン・モーゼス
(著)
これがために
運動
(
うんどう
)
や、
競技
(
きようぎ
)
や、
登山
(
とざん
)
など
家
(
いへ
)
の
外
(
そと
)
で
生活
(
せいかつ
)
することがはやり、ひいては
森林
(
しんりん
)
を
世人
(
せじん
)
の
休養
(
きゆうよう
)
、
保健
(
ほけん
)
のため
利用
(
りよう
)
すること、つまり
森林
(
しんりん
)
を
公園
(
こうえん
)
として
利用
(
りよう
)
することが
盛
(
さか
)
んになつたわけです。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
本所を荒し廻った大泥棒、——井筒屋の主人まで殺した
曲者
(
くせもの
)
は、言うまでもなくお紺とその手代の嘉七で、狸囃子は、
世人
(
せじん
)
を惑わして、嘉七お紺の仕事を助ける、笛辰と三吉の仕事だったのです。
銭形平次捕物控:014 たぬき囃子
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
滿ち、青銅に滿つる事、
世人
(
せじん
)
あまねく口に曰ふ。
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
切
(
きつ
)
て
放
(
はな
)
して
急催促
(
きふさいそく
)
に
言譯
(
いひわけ
)
すべき
程
(
ほど
)
もなく
忽
(
たちま
)
ち
表向
(
おもてむ
)
きの
訴訟沙汰
(
そしようざた
)
とは
成
(
な
)
れりける
素
(
もと
)
松澤
(
まつざは
)
は
數代
(
すだい
)
の
家柄
(
いへがら
)
世
(
よ
)
の
信用
(
しんよう
)
も
厚
(
あつ
)
ければ
僅々
(
きん/\
)
千
(
せん
)
や
二千
(
にせん
)
の
金
(
かね
)
何方
(
いづかた
)
にても
調達
(
てうたつ
)
は
出來得
(
できう
)
べしと
世人
(
せじん
)
の
思
(
おも
)
ふは
反對
(
うらうへ
)
にて
玉子
(
たまご
)
の
四角
(
しかく
)
まだ
萬國博覽曾
(
ばんこくはくらんくわい
)
にも
陳列
(
ちんれつ
)
の
沙汰
(
さた
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
世を渡るにはまったく
輿論
(
よろん
)
を無視するわけにはいかぬけれども、
世人
(
せじん
)
の考えをのみ標準として成敗を
測
(
はか
)
ることは、はなはだはかなき
業
(
わざ
)
である。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
しかも、もっと不気味なことには、
世人
(
せじん
)
は蠍の紋章を見せつけられるばかりで、それを使用している極悪人の正体を全く
掴
(
つか
)
み得ないことであった。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
いろいろの果実、すなわち実を研究してみるとなかなかおもしろいもので、ふつう
世人
(
せじん
)
が思っているよりほか、意外な事実を発見するものである。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
それに私は
世人
(
せじん
)
に向って家屋の不完全を攻撃しながらこの家は御覧の通り何事も不完全だらけです。これも借りている家ですから
致方
(
いたしかた
)
がありません。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
其結果
(
そのけつくわ
)
我國
(
わがくに
)
の
金利
(
きんり
)
が
高
(
たか
)
くなり、
株劵
(
かぶけん
)
が
下
(
さが
)
り、
公債
(
こうさい
)
も
社債
(
しやさい
)
も
下
(
さが
)
つて、
我國
(
わがくに
)
の
經濟界
(
けいざいかい
)
に
非常
(
ひじやう
)
な
打撃
(
だげき
)
を
與
(
あた
)
へるであらうと
云
(
い
)
ふことが、
世人
(
せじん
)
一
般
(
ぱん
)
の
心配
(
しんぱい
)
になつた
所
(
ところ
)
であるが
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
国に国難がおこれば、
元寇
(
げんこう
)
の折の
時宗
(
ときむね
)
が
世人
(
せじん
)
の胸によみがえって来よう。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
八重何が故に
我家
(
わがや
)
を去れるや。われまた何が故にその後を追はざりしや。『矢筈草』の一篇もとこの事を書綴りて愛読者諸君のお慰みにせんと欲せしなり。新聞紙三面の記事は
世人
(
せじん
)
の喜ぶ所なり。
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
勝つとはなにかと
尋
(
たず
)
ぬると、おそらく
世人
(
せじん
)
は奇怪なる質問と思うであろう。勝負ほど
明瞭
(
めいりょう
)
なものはないと思う人が世に多い。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
人のこの世に生存するは毎日の食物を摂するがためなり。食物は生存の
大本
(
たいほん
)
なるに
世人
(
せじん
)
の深く注意せざるは
怪
(
あやし
)
むべし。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
世人
(
せじん
)
は一般に、ヒマワリの花が日に向こうて
回
(
まわ
)
るということを信じているが、それはまったく誤りであった。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
次いで白髥橋下の獄門舟事件と前代未聞の残虐に
世人
(
せじん
)
の
心胆
(
しんたん
)
を
寒
(
さむ
)
からしめた怪賊は、更らに毒手を伸ばして
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
又
(
また
)
金解禁
(
きんかいきん
)
に
對
(
たい
)
しては
世人
(
せじん
)
一
般
(
ぱん
)
が
可
(
か
)
なり
神經過敏
(
しんけいくわびん
)
になつて
居
(
ゐ
)
るから、
此際
(
このさい
)
日
(
ひ
)
を
定
(
き
)
めて
之
(
これ
)
を
發表
(
はつぺう
)
して
置
(
お
)
くと
云
(
い
)
ふことは
寧
(
むし
)
ろ
財界
(
ざいかい
)
を
安定
(
あんてい
)
せしむる
上
(
うへ
)
に
相當
(
さうたう
)
の
效果
(
かうくわ
)
のあることゝ
考
(
かんが
)
へたからである。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
ただ
世人
(
せじん
)
が学校にさえ
遣
(
や
)
っておけば娘も息子も立派な人間になれると思うのが大間違いだ。人の品性は学校教育よりもむしろ家庭教育に感化される。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
何故
(
なぜ
)
と云って、この記録の重要な部分を
為
(
な
)
す所の
小山田
(
おやまだ
)
氏変死事件は、まだまだ
世人
(
せじん
)
の記憶に残っているのだから、どんなに変名を用い、
潤色
(
じゅんしょく
)
を加えて見た所で
陰獣
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
少数の製造者を保護するために
世人
(
せじん
)
へ向って最も有害なる緑青毒の食物を売らせてくれろという歎願だ。今の人に共公心のないのはこれを見ても分る。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
世人
(
せじん
)
は
慣
(
な
)
れっこになってしまって、
又
(
また
)
かという様な顔をして、その一つ
毎
(
ごと
)
に、さして驚きもしないけれど、静かに考えて見ると、何と
騒々
(
そうぞう
)
しく、いまわしい世の中であろう。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
大原ぬしがあの誠実なる心を以て我邦の家庭教育を改良し給わば
世人
(
せじん
)
は
将
(
まさ
)
に神とも仏ともしてその徳を感謝せん。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
このことを
逢
(
あ
)
う人
毎
(
ごと
)
に聞かれるのが煩しいばかりでなく、
折角
(
せっかく
)
身の上話をしても、相手が信用してくれない
歯痒
(
はがゆ
)
さもあるし、それに実を云うと私は、
世人
(
せじん
)
が
嘗
(
かつ
)
て想像もしなかった様な、あの奇怪事を
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
世人
(
せじん
)
はよく平易簡単というと一番短い
賤
(
いや
)
しい言語に傾きたがるからそれを注意しなければならん。
汝
(
なんじ
)
というのは長いからナで沢山だという事になっても困るさ。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
仕方がないからわざわざ白い塩を
一旦
(
いったん
)
泥の上へあけて俵を結び直して深川からその地方へ送るという
話
(
はな
)
しもありますが
世人
(
せじん
)
の智識が進歩しないとそんなものです。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
我々文学者は社会の悪い風習や野蛮な旧慣を改良して
世人
(
せじん
)
を善道に導かねばならん天職を持っている。父母の意見ばかりで我子の承諾もないのに嫁を決定するのは悪い習慣だ。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
世
常用漢字
小3
部首:⼀
5画
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
“世人”で始まる語句
世人君