間隔かんかく)” の例文
その音盤をかけながら、音叉をぴーんと弾くと、音楽以外に顕著けんちょな信号音が、或る間隔かんかくをもって、かーんと飛び出してくるのであった。
暗号音盤事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
けて必要なのは西班牙スペイン舞妓まいこのボエールのような斑黒点はんこくてんがコケティッシュな間隔かんかくで振り撒かれなければならなかった。
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
私はせわしくそれをとめて、二つの足あとの間隔かんかくをはかったり、スケッチをとったりしなければなりませんでした。
イギリス海岸 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
自分じぶん觀測所かんそくじよとの間隔かんかく一二里以内いちにりいないであるならば、兩方りようほう時刻じこくならび時間じかんとも大體だいたいおなあたひるべきはずである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
前列と後列の間はわずか一尺五寸ぐらいだろう、左右の間隔かんかくはそれより短いとも長くはない。たった一人列をはなれて舞台のはしに立ってるのがあるばかりだ。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かみにはしろ手拭てぬぐひかぶつてかさ竹骨たけぼねかみおさへるとき其處そこにはちひさな比較的ひかくてきあつ蒲團ふとんかれてある。さういふ間隔かんかくたもつて菅笠すげがさ前屈まへかゞみにたかゑられるのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
南に東に北に西に規則正しく間隔かんかくを置いて高く樹梢に翻って居る十数流の紅白旗は、戦わずして已に勝を宣する占領旗せんりょうきかと疑われ、中央に突立ってあたり見下みおろす展望台は
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
わたしのはさきつたが、——説明せつめいくと、砂煙すなけぶりがすさまじいので、すくなくとも十ちやうあまりは間隔かんかくかないと、まへすゝむのはまだしも、あとくるまくちかないのださうである。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
指したのは、一尺ほどの間隔かんかくを置いて、行儀よく並んだ長方形の深い穴が二つ。
一同はしあわせよしと喜びながら、たがいに十けんくらいずつの間隔かんかくをとって、一列にならび、海ひょうの群れを陸のほうに見て、海のほうへ一文字に横陣よこじんをすえて海ひょうの逃げ路をふさいだ。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
白小雲しろこぐもかがよふ野良の末にして鐵塔のよき間隔かんかくは見ゆ
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
一定いつてい間隔かんかくをもつてならつてゐるのであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
こずえはたかく、下へはかなりの間隔かんかくがあった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すこし間隔かんかくはおいてあるが、猛烈に撃ってくる。天蓋や構築物の破片や、砲弾そのものまでが頭上からばらばら落ちてくる。
怪星ガン (新字新仮名) / 海野十三(著)
たゞ櫻島さくらじまはかういふ大噴火だいふんか百年ひやくねんあるひ二三百年にさんびやくねん間隔かんかくもつ繰返くりかへすので、したがつて鎔岩ようがん流出量りゆうしゆつりようおほく、前回ぜんかい場合ばあひいちろく立方粁りつぽうきろめーとる計算けいさんせられてゐるが
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
艦隊長烏の大尉が、まっさきにぱっと雪をたたきつけて飛びあがりました。烏の大尉の部下が十八せき、順々に飛びあがって大尉に続いてきちんと間隔かんかくをとって進みました。
烏の北斗七星 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
男女なんによまじつて太鼓たいこ中央ちうあうゑがいてる。それが一てい間隔かんかくいては一どうふくろくちひもいたやうしぼまつて、ぱらり/\と手拍子てびやうしをとつて、また以前いぜんのやうにひろがる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
あるきながら、自分じぶん今日けふみづから進んで、自分の運命の半分はんぶんを破壊したのも同じ事だと、心のうちにつぶやいだ。今迄はちゝあによめを相手に、好い加減な間隔かんかくを取つて、柔らかに自我をとほしてた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
白小雲しろこぐもかがよふ野良の末にして鉄塔のよき間隔かんかくは見ゆ
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
あたりの空気をやぶって、爆発音がしだいに間隔かんかくをちぢめて、どかーンどどンと、気味のわるい音をひびかせ、艇は波にもまれているようにゆれた。
怪星ガン (新字新仮名) / 海野十三(著)
今日の実習は陸稲播おかぼまきで面白おもしろかった。みんなで二うねずつやるのだ。ぼくはくいりて来て定規じょうぎをあてて播いた。種子しゅし間隔かんかくを正しくまっすぐになった時はうれしかった。
或る農学生の日誌 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
われ/\が通常つうじようみるところのなみは、其山そのやまやまとの間隔かんかくすなは波長はちよう幾米いくめーとるあるひ十幾米じゆういくめーとるといふ程度ていどにすぎないが、津浪つなみ波長はちよう幾粁いくきろめーとる幾十粁いくじゆうきろめーとるあるひ幾百粁いくひやくきろめーとるといふ程度ていどのものである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
たねたねとの間隔かんかく不平均ふへいきんで四つぶも五つぶも一つにちてるところがあつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
西湖の熔岩壁を立つ鳥の羽ばたきを聴けば間隔かんかく正し
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
そして、危いと思われる場所へかかったときには、その間隔かんかくで展開することとし、別に危険がなさそうなところでは、普通に、寄りそって進むことにした。
時計屋敷の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
休息きゆうそく間隔かんかく比較的ひかくてきとほいが、一度いちど活動かつどうはじめるとなか/\はげしいことをやる。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
そして虔十はまるでこらえ切れないようににこにこ笑って兄さんに教えられたように今度は北の方のさかいから杉苗の穴を掘りはじめました。実にまっすぐに実に間隔かんかく正しくそれを掘ったのでした。
虔十公園林 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
鉄塔のよき間隔かんかく
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
その旦那どのが借りていたスウィッチの二つのあな間隔かんかくと同じことだが、実はそのスウィッチは製作の際に間違えて、孔の間隔を広くしすぎたので、この廊下の釘の距離も
夜泣き鉄骨 (新字新仮名) / 海野十三(著)
数條すうじょうの、きちんとした間隔かんかくで直線的に並んでいる標識燈ひょうしきとうが、映画幕にうつくしく輝いている。
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
と、怪青年の黒影こくえいが、ぱッと目に入るだけだった。私達と弥次馬とは、ずっと間隔かんかくができてしまった。そして、いつの間にか、まるうちりの、ほりちかくまで来ているのに気がついた。
西湖の屍人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
しかしその眼玉は人間のように二個ではなくて、三個であった。その三個の眼玉の間隔かんかくはたいへん離れていて脊柱せきちゅう(もし有るならば)を中心として約百二十度ずつ開いた角度のところに嵌まっていた。
地球盗難 (新字新仮名) / 海野十三(著)
普通のスウィッチには見られない特別の間隔かんかくになっているはずだ。
夜泣き鉄骨 (新字新仮名) / 海野十三(著)
学生たちも下がって、互いに間隔かんかくの広い円陣えんじんがつくられた。
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「十年毎の間隔かんかくは、ちと永いですね」