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さぬき
ふりがな文庫
“
讃岐
(
さぬき
)” の例文
一四
葭
(
あし
)
がちる
難波
(
なには
)
を
経
(
へ
)
て、
一五
須磨明石の浦ふく風を身に
一六
しめつも、行々
一七
讃岐
(
さぬき
)
の
真尾坂
(
みをざか
)
の
林
(
はやし
)
といふにしばらく
一八
筇
(
つゑ
)
を
植
(
とど
)
む。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
その
後
(
のち
)
、
新院
(
しんいん
)
はおとらわれになって、
讃岐
(
さぬき
)
の
国
(
くに
)
に
流
(
なが
)
され、
頼長
(
よりなが
)
は
逃
(
に
)
げて
行
(
い
)
く
途中
(
とちゅう
)
だれが
射
(
い
)
たともしれない
矢
(
や
)
に
射
(
い
)
られて
死
(
し
)
にました。
鎮西八郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
じつにさまざまな人だったが、
硫黄
(
いおう
)
島からよび戻された僧の
文観
(
もんかん
)
やら、
讃岐
(
さぬき
)
の配所にいた
宗良
(
むねなが
)
親王などもそのうちのお一人だった。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
今年は豆類其他で千円も
収入
(
みいり
)
があろうと云うことであった。細君の
阿爺
(
ちゃん
)
が
遙々
(
はるばる
)
讃岐
(
さぬき
)
から遊びに来て居る。宮崎君の案内で畑を見る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
(竹取翁は姿も声も全く第二幕と同じ
讃岐
(
さぬき
)
ノ
造麻呂
(
みやつこまろ
)
であるが、
翁
(
おきな
)
の「面」をつけている。話し振りは非常にゆっくりと穏かに)
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
▼ もっと見る
かの
讃岐
(
さぬき
)
と云う老女は、後に北の方の許へ走って本院の女房になったことまでは分っているが、それきり日記に現れて来ない。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
四国には、犬神のほかに
狸
(
たぬき
)
つきと
天狗
(
てんぐ
)
つきとがある。例えば、
讃岐
(
さぬき
)
のごときは犬神もあるが、むしろ狸つきが多い。しかし狐つきは全くない。
迷信と宗教
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
私などが子取ろといっていた遊びは
讃岐
(
さぬき
)
ではオトリコトリ、南伊予でウシノコトリというのも同じで、鬼事の一種であった。
こども風土記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
讃岐
(
さぬき
)
と
阿波
(
あわ
)
と
土佐
(
とさ
)
と
伊予
(
いよ
)
と、県にすれば香川、徳島、高知、
愛媛
(
えひめ
)
の順になります。これらの国々は昔は
南海道
(
なんかいどう
)
と呼ばれた地方の一部をなします。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
長者の妻もまた
讃岐
(
さぬき
)
の国の一の宮として
祀
(
まつ
)
られている。我々はここにも苦しむ神の類型を見ることができるであろう。
埋もれた日本:――キリシタン渡来文化前後における日本の思想的情況――
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
人麿が
讃岐
(
さぬき
)
狭岑
(
さみね
)
島で溺死者を見て詠んだ長歌の反歌である。今仲多度郡に属し
砂弥
(
しゃみ
)
島と云っている。
坂出
(
さかいで
)
町から近い。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
ただ
讃岐
(
さぬき
)
の高松侯
僅
(
わず
)
かに富みたまうとのことにて、近時金七万両を幕府に献じ、大いに賞せらるなどいえりしが、これもまた乏しきを告げたりと聞く。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
「本家、
讃岐
(
さぬき
)
は
高松
(
たかまつ
)
千金丹
(
せんきんたん
)
……つて歌って来るじゃないの」そう言って時子は、面白く節をつけて歌って見せた。
大きな蝙蝠傘
(新字新仮名)
/
竹久夢二
(著)
鰹船の
禁物
(
きんもつ
)
は第一は遠島船。第二が
讃岐
(
さぬき
)
の
藍玉船
(
あいだまぶね
)
。遠島船にあうと鰹の
群来
(
くき
)
が沖へ流れるといって、たいへんに嫌う。藍のほうはむかしから魚には禁物。
顎十郎捕物帳:13 遠島船
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
そのころ、もう船乗りになっていた重吉は
讃岐
(
さぬき
)
の志度という所へ行って留守であった。海が荒れているので六日の名つけまでには帰れるかどうか分らない。
暦
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
播磨
(
はりま
)
と丹波の境、
三草山
(
みくさやま
)
を固めておられた由、義経に破られた後は、資盛、有盛、忠房の御三方は播磨の
高砂
(
たかさご
)
からご乗船、
讃岐
(
さぬき
)
の屋島へ落ちのびられました由
現代語訳 平家物語:10 第十巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
讃岐
(
さぬき
)
琴平
(
ことひら
)
に多く
畜
(
か
)
う(『郷土研究』二巻三号、三浦魯一氏報)、『古語拾遺』に、白鶏、白猪、白馬もて
御歳
(
みとし
)
の神を祭ると見え、『塩尻』四に〈『地鏡』に曰く
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
ほんとうの
名
(
な
)
は
讃岐
(
さぬき
)
の
造麻呂
(
みやつこまろ
)
といふのでしたが、
毎日
(
まいにち
)
のように
野山
(
のやま
)
の
竹藪
(
たけやぶ
)
にはひつて、
竹
(
たけ
)
を
切
(
き
)
り
取
(
と
)
つて、いろ/\の
物
(
もの
)
を
造
(
つく
)
り、それを
商
(
あきな
)
ふことにしてゐましたので
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
驚くにゃまだはええや、
讃岐
(
さぬき
)
でもちったァ名を聞いたろう! おれが、むっつりとあだ名の右門だッ。
右門捕物帖:20 千柿の鍔
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
尤も越後屋の主人の金兵衞が、今から五年前
讃岐
(
さぬき
)
の
金毘羅
(
こんぴら
)
樣へお詣りに行つた時、
志度
(
しど
)
の浦の
海女
(
あま
)
だつたのを見染めて、江戸へ連れて來て磨き拔いた女だといふことだがね
銭形平次捕物控:232 青葉の寮
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
久濶
(
きゆうかつ
)
のみやげに同志をひきあわせよう」仙介は
日焦
(
ひや
)
けのした顔をふり向け、太宰が坐るのを待ちかねたように云った、「こちらは
讃岐
(
さぬき
)
の井上文郁、それに長谷川秀之進だ」
日本婦道記:尾花川
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
春めいた
麗
(
うらら
)
かな日光の
讃岐
(
さぬき
)
の山々に煙っていることもあれば、西風が吹荒れて、海には漁船の影もなくって、北国のような
暗澹
(
あんたん
)
たる色を現わしていることもたまにはあった。
入江のほとり
(新字新仮名)
/
正宗白鳥
(著)
毎年二月半ばから四月五月にかけて
但馬
(
たじま
)
、
美作
(
みまさか
)
、備前、
讃岐
(
さぬき
)
あたりから多くの遍路がくる。
海賊と遍路
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
そこで、大阪と
讃岐
(
さぬき
)
の間を往来する金比羅参詣の船へ乗るが好いというので、それへ乗ることにしたが、その船の出る讃岐の丸亀までは三十里近くの陸を行かなければならない。
鳴雪自叙伝
(新字新仮名)
/
内藤鳴雪
(著)
駅前の
讃岐
(
さぬき
)
屋という旅館へ
鞄
(
かばん
)
を預けて、昔私が通っていた小学校や、その学校の前から街道続きで、昔の藩主の城跡や、仲間とよく遊んだ老松の海風に
哮
(
ほ
)
えているお城下の海岸や
棚田裁判長の怪死
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
十代に出家され、十八歳で天台
座主
(
ざす
)
に就かれたが、翌年北条追討のことがおこり、捕えられて
讃岐
(
さぬき
)
へ移されたが、建武の新政のとき、再び都に帰られ、また天台座主にのぼられた。
中世の文学伝統
(新字新仮名)
/
風巻景次郎
(著)
「土佐の国へ
御流遷
(
おんるせん
)
……
尊澄
(
たかずみ
)
法親王様におかせられましては、
讃岐
(
さぬき
)
の国に御流遷……」
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
むかし
讃岐
(
さぬき
)
の国、高松に
丸亀
(
まるがめ
)
屋とて両替屋を営み四国に名高い歴々の大長者、その一子に
才兵衛
(
さいべえ
)
とて生れ落ちた時から骨太く
眼玉
(
めだま
)
はぎょろりとしてただならぬ
風貌
(
ふうぼう
)
の男児があったが
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「皇太后御入内後も薫子は特別の御優遇を賜つたが、明治十四年に
讃岐
(
さぬき
)
の丸亀において安らかに歿し、その遺蹟は今も
尚
(
なほ
)
残つてゐる」と書かれて居るが、その拠る処を
明
(
あきらか
)
にしがたい。
津下四郎左衛門
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
白峯——
讃岐
(
さぬき
)
の国白峯にある崇徳院の陵に詣でた西行法師が、ありし日のすがたをあらわした院の亡霊と、初冬の一夜、その生き方について論争し、その怨恨を慰めようとしたはなし。
雨月物語:04 解説
(新字新仮名)
/
鵜月洋
(著)
鳥羽伏見の戦で、
讃岐
(
さぬき
)
高松藩は、もろくも朝敵の汚名を取ってしまった。
仇討禁止令
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
まずいちばんさきに
淡路島
(
あわじしま
)
をおこしらえになり、それから
伊予
(
いよ
)
、
讃岐
(
さぬき
)
、
阿波
(
あわ
)
、
土佐
(
とさ
)
とつづいた四国の島と、そのつぎには
隠岐
(
おき
)
の島、それから、そのじぶん
筑紫
(
つくし
)
といった今の九州と、
壱岐
(
いき
)
、
対島
(
つしま
)
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
私は
讃岐
(
さぬき
)
の産れで、国には崇徳上皇の御陵のある白峰という
阜陵
(
ふりょう
)
がある、上田秋成の『雨月物語』や、露伴氏の作として、かなり評判のあった『二日物語』は、この白峰に取材がしてあるが、まさか
日本山岳景の特色
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
土佐の海岸どこに立って見ても東西に陸地が両袖を拡げたようになっているから、この附会は附会として興味がある。もしこれがアイヌだとすると、隣国
讃岐
(
さぬき
)
は「サンノッケウ」すなわち顎であろう。
土佐の地名
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
その郷里は四国の
讃岐
(
さぬき
)
で、Aという村である。
こま犬
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
讃岐
(
さぬき
)
の国に渡りける時
吉備
(
きび
)
の児島の逢崎にて
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
讃岐
(
さぬき
)
の高松、大和の甲斐さん
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
切ったのは、義朝ではないか。敗れて、上皇には
讃岐
(
さぬき
)
へ流され、父為義も、朝議で死罪を宣告されるような失敗をしながら、何で今日まで——
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
……その名は、
讃岐
(
さぬき
)
ノ
造麻呂
(
みやつこまろ
)
と申した。……ところがある日のこと、そうして竹を取っていると、その中に
本
(
もと
)
光る竹が一本あるのに気がついたのじゃ。
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
世の物語に天狗のカゲマと
云
(
い
)
ふことありて、
爰
(
ここ
)
かしこに
勾引
(
こういん
)
さるゝあり。或は妙義山に
将
(
も
)
て行かれて
奴
(
やっこ
)
となり、或は
讃岐
(
さぬき
)
の杉本坊の客となりしとも云ふ。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
きょうは正月の十日で、
金比羅
(
こんぴら
)
まいりの当日、名代の
京極
(
きょうごく
)
金比羅、虎の御門そとの京極能登守の上屋敷へ
讃岐
(
さぬき
)
から
勧請
(
かんじん
)
した金比羅さまがたいへんに繁昌する。
顎十郎捕物帳:17 初春狸合戦
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
彼にその話をしてくれたのは、多分老女の
讃岐
(
さぬき
)
であったか、
乳人
(
めのと
)
の衛門であったか、
孰方
(
どちら
)
かであろう。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
讃岐
(
さぬき
)
高松の城主生駒壱岐守に、
不羈
(
ふき
)
不行跡の数々があったために、その所領十七万石を没収されて、
出羽
(
でわ
)
の由利矢島に配流された事実は、つい最近のことだったからです。
右門捕物帖:20 千柿の鍔
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
宿の主人は
讃岐
(
さぬき
)
の人で、
晩食
(
ばんめし
)
の給仕に出た女中は愛知の者であった。
隣室
(
となりま
)
には、
先刻
(
さっき
)
馬を頼んで居た北見の農場に帰る男が、客と碁をうって居る。
按摩
(
あんま
)
の笛が大道を流して通る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
出た
限
(
ぎり
)
一
向
(
かう
)
便
(
たより
)
もないゆゑ私しも
兄弟
(
きやうだい
)
の
情
(
じやう
)
にて今頃は
何國
(
いづく
)
に何をして居けるやら行當り
爲撥
(
ばつたり
)
死
(
しに
)
はせぬかなどと案じて見たが其後三年ばかり立と
不※
(
ふと
)
讃岐
(
さぬき
)
の丸龜より
書状
(
しよじやう
)
が屆いたゆゑ夫を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
白峯——
讃岐
(
さぬき
)
の国白峯にある崇徳院の陵に詣でた西行法師が、ありし日のすがたをあらわした院の亡霊と、初冬の一夜、その生き方について論争し、その怨恨を慰めようとしたはなし。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
お供で行つた
鳶頭
(
かしら
)
におだてられて、
草鞋
(
わらぢ
)
をはいた
序
(
ついで
)
に、路用もふんだんにあることだし、親の骨を高野山に納めたら、
讃岐
(
さぬき
)
の
金毘羅
(
こんぴら
)
樣に廻つて、
嚴島
(
いつくしま
)
にお詣りして、京、大阪を見物して
銭形平次捕物控:225 女護の島異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そのほか
讃岐
(
さぬき
)
の
金比羅
(
こんぴら
)
、大和の大峰など種々の霊怪を唱え、また
稲荷
(
いなり
)
、不動、地蔵を
祀
(
まつ
)
り、吉凶を問い病を祈り、よって医者の方角をさし示し、あるいは医薬をとどめ死に至らしめ、
蛭子
(
えびす
)
迷信解
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
舒明天皇が
讃岐
(
さぬき
)
国
安益
(
あや
)
郡に行幸あった時、
軍王
(
いくさのおおきみ
)
の作った長歌の反歌である。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
備前から四国にわたり、おもに
讃岐
(
さぬき
)
にいて、
筑紫
(
つくし
)
まで行ったようだ。六十九歳になって再び伊勢に行き、そこから東海道を鎌倉に出て頼朝に謁し、はるか奥州
平泉
(
ひらいずみ
)
まで藤原
秀衡
(
ひでひら
)
に会いに行った。
中世の文学伝統
(新字新仮名)
/
風巻景次郎
(著)
“讃岐”の意味
《固有名詞》
讃岐(さぬき)
旧国名。現在の香川県にあった令制国。
(出典:Wiktionary)
“讃岐(
讃岐国
)”の解説
讃岐国(さぬきのくに)は、かつて日本の地方行政区分だった令制国の一つ。南海道に属する。現在の香川県。上国。
(出典:Wikipedia)
讃
漢検準1級
部首:⾔
22画
岐
常用漢字
小4
部首:⼭
7画
“讃岐”で始まる語句
讃岐守
讃岐国
讃岐屋
讃岐境
讃岐越
讃岐守殿
讃岐琴平
讃岐国丸亀
讃岐守之勝
讃岐守存保