へう)” の例文
そして此人々の膝の上にあつたセルヰエツトは、それ/″\の手に掴まれて、軍使の掲げる旗のやうに、休戦と平和とをへうして閃いた。
祭日 (新字旧仮名) / ライネル・マリア・リルケ(著)
本當ほんたうにね。にいさんにさへ御金おかねがあると、うでもしてげること出來できるんだけれども」と、御世辭おせじでもなんでもない、同情どうじやうへうした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
なにかくさう、唯今たゞいま雲行くもゆきに、雷鳴らいめいをともなひはしなからうかと、氣遣きづかつたところだから、土地とち天氣豫報てんきよはうの、かぜはれ、に感謝かんしやへうしたのであつた。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
政府せいふ當局者たうきよくしやとしてはこの國民こくみん努力どりよくたいしてふか感謝かんしやへうするのであるが、國民こくみんとしても自分じぶん努力どりよく結果けつくわ
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
穰苴じやうしよすでに((君ヲ))し、莊賈さうかやくしていはく、『(六)旦日たんじつ(七)日中につちう軍門ぐんもんくわいせよ』と。穰苴じやうしよせてぐんいたり、(八)へう(九)ろうくだしてつ。
元はと言へば気ばかり有つて、体が自由にならぬから、それで彼様あん自暴自棄やけな真似をるのであるのに……と心から同情をへうさずには居られなかつたといふ事だ。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
学者に尊敬をへうしていふ。(学者といふものは、何よりも尊敬せられるのが好きなものだ。)
訪問ほうもんして敬意けいいへうしておくのも無意義むいぎではなからうとおもつてゐたのであつた。
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
「実にしからんですな。」と書生の憤慨に賛成の意をへうした。書生は自分の賛成を得ておほい知己ちきを得たやうな気がしたのだらう。彼は自分のはうをふりむくと、滔々たうたうとしてこんな事を辯じ出した。
饒舌 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
立てやゝ久敷ひさしく考へ居たりしが靱負に向ひ此は甚だうらなひ難し早く歸り給へと云ふに靱負ゆきへ如何にも心得ぬ面色おももちにて某しの卦は何故にうらながたきや察する所へうからざれば白地あらはに示し難きならんか然ども故意わざ/\まゐりしこと故何事なりとも忌憚いみはゞかりなくうらなひ下されよと云ひければ白水翁かしら
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かれはらなかかんがへながら、宜道ぎだう面前めんぜんで、それだけことちからがなかつた。かれこゝろからこのわか禪僧ぜんそう勇氣ゆうき熱心ねつしん眞面目まじめ親切しんせつとに敬意けいいへうしてゐたのである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
穰苴じやうしよすなはへうたふ(一二)ろうけつし、りてぐんめぐへい(一三)ろくし、約束やくそく(一四)申明しんめいす。約束やくそくすでさだまる。夕時せきじ莊賈さうかすなはいたる。穰苴じやうしよいはく、『なんすれぞおくるる』
いま幾干いくばくならざるに、昌黎しやうれいてう佛骨ぶつこつへうたてまつるにり、潮州てうしうながされぬ。八千はつせんみちみちれんとしたま/\ゆきる。晦冥陰慘くわいめいいんさんくもつめたく、かぜさむく、征衣せいいわづかくろくしてかみたちましろし。
花間文字 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「日本の将校に敬意をへうさなくつちや。」
宗助そうすけ御米およね批評ひひやうに、同意どうい不同意ふどういへうしなかつた。んだ手紙てがみをさめて、げるやうにそこへはふして、四五日目にちめになる、ざら/\したあごを、氣味きみわるさうにまはした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
きやく歡迎くわんげいする主人しゆじんたいして、感謝かんしやへうするがごときものであつた。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いた。ひやかしたのではない、まつたく同情どうじやうへうしたので
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)