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武家
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ぶけ
ふりがな文庫
“
武家
(
ぶけ
)” の例文
ですからお
武家
(
ぶけ
)
さま、
失礼
(
しつれい
)
なことをうかがいますが、あなたがたはいったいなんのために、こんなところで日が
暮
(
く
)
れるのにたむろを
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と
引込
(
ひつこ
)
ませる、と
水
(
みづ
)
のでばなと
云
(
い
)
ふのでも、お
組
(
くみ
)
はさすがに
武家
(
ぶけ
)
の
女房
(
にようばう
)
、
中間
(
ちうげん
)
の
膚
(
はだ
)
に
着
(
つ
)
いたものを
無理
(
むり
)
に
見
(
み
)
ようとはしなかつた。
片しぐれ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ここへ、三味線堀からいろは屋がまわって来たが、店にお
武家
(
ぶけ
)
の客がおると見ると、横手の
露路
(
ろじ
)
について勝手口へ顔を出した。
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
と両人は
直
(
すぐ
)
に駈出して小田原迄逃げたと云うが、
其様
(
そんな
)
に逃げなくっても宜しい。此の
武家
(
ぶけ
)
は
莞爾
(
にっこり
)
笑って直其の足で京橋鍛冶町へ参りました。
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その
時分
(
じぶん
)
の
鎌倉
(
かまくら
)
は
武家
(
ぶけ
)
の
住居
(
やしき
)
の
建
(
た
)
ち
並
(
なら
)
んだ、
物静
(
ものしず
)
かな、そして
何
(
なに
)
やら
無骨
(
ぶこつ
)
な
市街
(
まち
)
で、
商家
(
しょうか
)
と
言
(
い
)
っても、
品物
(
しなもの
)
は
皆
(
みな
)
奥深
(
おくふか
)
く
仕舞
(
しま
)
い
込
(
こ
)
んでありました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
「
折目高
(
おりめだか
)
なる
武家
(
ぶけ
)
挨拶
(
あいさつ
)
」と云う様な切口上で挨拶をするのが癖である。今日も
朝方
(
あさがた
)
蓄音器招待の
礼
(
れい
)
に、季節には珍らしい
筍
(
たけのこ
)
二本持て来てくれた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「そんなら、
名前
(
なまえ
)
はともかく、どんな
男
(
おとこ
)
なんだか、それをいっとくれ。お
武家
(
ぶけ
)
か、
商人
(
あきんど
)
か、それとも
職人
(
しょくにん
)
か。——」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
二十二三のちょっと良い男だ、——町人風には相違ないが、出は
武家
(
ぶけ
)
らしいな。
雪駄
(
せった
)
の金が鳴り過ぎるし、
月代
(
さかやき
)
が狭いし、腰が少し淋しそうだ、——あの若い男を
銭形平次捕物控:101 お秀の父
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
わずか一年ほど
藩
(
はん
)
の大きな
武家
(
ぶけ
)
へ
見習奉公
(
みならいぼうこう
)
に出て、
朋輩
(
ほうばい
)
も多かったということだから、そこの正月のあそびで学んだのかも知れぬが、多分はそれよりもずっとまえ
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
江戸の都会より諸侯の館邸と
武家
(
ぶけ
)
の屋敷と神社仏閣を除いたなら残る処の面積は殆どない
位
(
くらい
)
であろう。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
お
武家
(
ぶけ
)
そだちらしいぞ、と冗談をおっしゃったら、あなたは
真面目
(
まじめ
)
に、はあ、これの母が士族でして、などといかにも誇らしげに申しますので、私は冷汗を流しました。
きりぎりす
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
行列の道筋にあたる
武家
(
ぶけ
)
町家
(
ちょうか
)
では、もう十三日から家の前に
桟敷
(
さじき
)
をかまえ、
白幕
(
しらまく
)
やら紫幕。
平賀源内捕物帳:山王祭の大像
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
武家
(
ぶけ
)
に在ては國家の
柱石
(
ちうせき
)
商家
(
しやうか
)
で申さば
白鼠
(
しろねずみ
)
なる番頭久八は
頃日
(
このごろ
)
千太郎の
容子
(
ようす
)
不審
(
いぶかし
)
しと
心意
(
こゝろ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
紋
(
もん
)
を染めた
古帷子
(
ふるかたびら
)
に何か黒い帯をしめた、
武家
(
ぶけ
)
の女房らしい女である。これはまだ三十代であろう。が、ちょいと見たところは年よりはずっとふけて見える。第一妙に顔色が悪い。
おしの
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ロミオ (傍の給仕に對ひて)あの
武家
(
ぶけ
)
と
手
(
て
)
を
取
(
と
)
りあうてござる
彼
(
あの
)
姫
(
ひめ
)
は
何誰
(
どなた
)
ぢゃ?
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
そして
佛教
(
ぶつきよう
)
が
盛
(
さか
)
んになつて
來
(
き
)
てからは
御陵
(
ごりよう
)
は
一
(
いつ
)
そう
簡單
(
かんたん
)
になり、また
後
(
のち
)
には
火葬
(
かそう
)
が
行
(
おこな
)
はれまして、
小
(
ちひ
)
さな
御堂
(
おどう
)
や
石
(
いし
)
の
塔
(
とう
)
を
御陵
(
ごりよう
)
に
建
(
た
)
てることになり、ことに
武家
(
ぶけ
)
が
勢力
(
せいりよく
)
を
占
(
し
)
めるに
至
(
いた
)
つた
時代
(
じだい
)
からは
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
『昔々物語』によれば、昔は普通の女が
縫箔
(
ぬいはく
)
の
小袖
(
こそで
)
を着るに対して、遊女が縞物を着たという。
天明
(
てんめい
)
に至って
武家
(
ぶけ
)
に縞物着用が公許されている。そうして、
文化文政
(
ぶんかぶんせい
)
の遊士通客は
縞縮緬
(
しまちりめん
)
を最も好んだ。
「いき」の構造
(新字新仮名)
/
九鬼周造
(著)
「おとうさんを助けてくださいませ! もし、おとうさん、あやまってください、お
武家
(
ぶけ
)
さま、
堪忍
(
かんにん
)
してあげてくださいませ」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と
引込
(
ひつこ
)
ませる、と
水
(
みづ
)
の
出花
(
でばな
)
と
云
(
い
)
ふのでもお
君
(
きみ
)
はさすがに
武家
(
ぶけ
)
の
女房
(
にようばう
)
、
仲間
(
ちうげん
)
の
膚
(
はだ
)
に
着
(
つ
)
いたものを
無理
(
むり
)
に
見
(
み
)
ようとはしなかつた。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ドーレ。と
木綿
(
もめん
)
の
袴
(
はかま
)
を
着
(
つ
)
けた
御家来
(
ごけらい
)
が出て
来
(
き
)
ましたが
当今
(
たゞいま
)
とは
違
(
ちが
)
つて
其頃
(
そのころ
)
はまだお
武家
(
ぶけ
)
に
豪
(
えら
)
い
権
(
けん
)
があつて
町人抔
(
ちやうにんなど
)
は
眼下
(
がんか
)
に
見下
(
みおろ
)
したもので「アヽ
何所
(
どこ
)
から
来
(
き
)
たい。 ...
士族の商法
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
日雇取
(
ひようとり
)
の子で金を目當てにさらはれる筈もなく、お新の母親のお豊は
武家
(
ぶけ
)
の後家で、少しは
貯
(
たくは
)
へもあるやうですが、長い間賃仕事をして、これも細々とした暮しです。
銭形平次捕物控:140 五つの命
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
何
(
なに
)
ひとつ
心願
(
しんがん
)
なんぞのありそうもない、五十を
越
(
こ
)
した
武家
(
ぶけ
)
までが、
雪駄
(
せった
)
をちゃらちゃらちゃらつかせてお
稲荷詣
(
いなりもう
)
でに、
御手洗
(
みたらし
)
の
手拭
(
てぬぐい
)
は、
常
(
つね
)
に
乾
(
かわ
)
くひまとてないくらいであった。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
勸請し奉つり
本朝
(
ほんてう
)
武家
(
ぶけ
)
の祖神なり就中源家に於ては
殊
(
こと
)
の
外
(
ほか
)
御尊敬
(
ごそんきやう
)
あること
御先祖
(
ごせんぞ
)
八幡太郎義家公此
御神
(
おんかみ
)
の御寶前に於て御元服あつて八幡太郎と
稱
(
しよう
)
し
奧羽
(
あうう
)
の
夷賊
(
いぞく
)
安倍貞任同宗任を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
『
塵塚談
(
ちりづかだん
)
』という書物は、ちょうどこれから少し後に生まれた老人の、若いころの見聞をしるしたものだが、これには
目抜
(
めぬ
)
きの大通りだけでなく、山の手
端
(
はし
)
ばしの
武家
(
ぶけ
)
町家
(
ちょうか
)
ともに
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
そりゃア奥州浪人和田宗右衛門とおっしゃるりっぱなお
武家
(
ぶけ
)
の娘御と生まれた身が、こうして芸者
風情
(
ふぜい
)
に——と思うとね、お前さんだっていろいろおもしろくないこともあろうけれど、サ
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「そうそう、
藺笠
(
いがさ
)
をかぶっておりましたが、年は十五、六、スラリとして、
観音
(
かんのん
)
さまがお
武家
(
ぶけ
)
になってきたようなおすがた」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
己は
何処
(
どこ
)
の何う云う
武家
(
ぶけ
)
で
若
(
も
)
し咎められた時にゃア己が遣ったと云えって名前でも
明
(
あか
)
して
置
(
おけ
)
ば
宜
(
い
)
いのに、無闇に金を呉れやアがったって、
情
(
なさけ
)
にも何もなりアしねえ
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
人仕事
(
ひとしごと
)
などをしたのであるが、つゞまやかにして、
物綺麗
(
ものぎれい
)
に住んで、お辻も身だしなみ
好
(
よ
)
く、
髪形
(
かみかたち
)
を崩さず、
容色
(
きりょう
)
は町々の評判、以前五百
石取
(
こくどり
)
の
武家
(
ぶけ
)
、
然
(
しか
)
るべき
品
(
ひん
)
もあつた
処方秘箋
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
変
(
かわ
)
り
者
(
もの
)
じゃァねえ。そういうおめえの
方
(
ほう
)
が、
変
(
かわ
)
ってるんだ。——四
角
(
かく
)
四
面
(
めん
)
にかしこまっているお
武家
(
ぶけ
)
でも、
男
(
おとこ
)
と
生
(
うま
)
れたからにゃ、
女
(
おんな
)
の
嫌
(
きら
)
いな
者
(
もの
)
ッ、ただの
一人
(
ひとり
)
もありゃァしめえ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「二十二三の一寸良い男だ、——町人風には相違ないが、出は
武家
(
ぶけ
)
らしいな。
雪駄
(
せつた
)
の金が鳴り過ぎるし、
月代
(
さかやき
)
が狹いし、腰が少し淋しさうだ、——あの若い男を、お前は怪しいとは思はなかつたのか」
銭形平次捕物控:101 お秀の父
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
堂上方
(
だうじやうかた
)
に奉公致し候と申しければ大岡殿
堂上方
(
だうじやうかた
)
に
勤仕
(
きんし
)
せしと云ふか生國は何方にて
武家
(
ぶけ
)
か町人か百姓か
有體
(
ありてい
)
に申せと云はるゝに平左衞門ヘイ決して
僞
(
いつは
)
りは申し上ず私し生國は相州なれ共京都へ參り
久々
(
ひさ/″\
)
奉公仕つり
居
(
をり
)
しと申立ればナニ生國は相州とな
然
(
さ
)
すれば大久保家の家中の者なるかと問るゝに平左衞門
否
(
いな
)
然
(
さ
)
樣には之無私し親は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
“武家”の意味
《名詞》
武 家(ぶけ)
武士。武士の家柄。
(出典:Wiktionary)
“武家”の解説
武家(ぶけ)は、日本における軍事を主務とする官職を持った家系・家柄の総称。江戸時代には武家官位を持つ家系をいう。広義的に現代では武士一般を指すこともある。
(出典:Wikipedia)
武
常用漢字
小5
部首:⽌
8画
家
常用漢字
小2
部首:⼧
10画
“武家”で始まる語句
武家方
武家様
武家邸
武家出
武家坡
武家育
武家奉公
武家屋敷
武家式事
武家扮装