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暴露
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ばくろ
ふりがな文庫
“
暴露
(
ばくろ
)” の例文
今
(
いま
)
敵國
(
てきこく
)
深
(
ふか
)
く
侵
(
をか
)
して、
邦内
(
はうない
)
騷動
(
さうどう
)
し、
士卒
(
しそつ
)
、
境
(
さかひ
)
に
(一七)
暴露
(
ばくろ
)
す。
君
(
きみ
)
寢
(
い
)
ねて
席
(
せき
)
を
安
(
やす
)
んぜず、
食
(
くら
)
うて
味
(
あぢはひ
)
を
甘
(
あま
)
しとせず。百
姓
(
せい
)
の
命
(
めい
)
皆
(
みな
)
君
(
きみ
)
に
懸
(
か
)
かる。
国訳史記列伝:04 司馬穰苴列伝第四
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
で僕に
忌憚
(
きたん
)
なく云わせると、大尉どのの結論は、本心の
暴露
(
ばくろ
)
ではなく、何かこう為めにせんとするところの
仮面結論
(
かめんけつろん
)
だと思うのだ。
恐しき通夜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
沈痛
(
ちんつう
)
、
悲慘
(
ひさん
)
、
幽悽
(
ゆうせい
)
なる
心理的小説
(
しんりてきせうせつ
)
「
罪
(
つみ
)
と
罰
(
ばつ
)
」は
彼
(
か
)
の
奇怪
(
きくわい
)
なる
一大巨人
(
いちだいきよじん
)
(
露西亞
(
ロシア
)
)の
暗黒
(
あんこく
)
なる
社界
(
しやくわい
)
の
側面
(
そくめん
)
を
暴露
(
ばくろ
)
して
餘
(
あま
)
すところなしと
言
(
い
)
ふべし。
罪と罰(内田不知庵訳)
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
ちょうどそれと同じなんです。あの路を通っている人を見るとつい私はそんなことを考えるんです。あれは通る人の運命を
暴露
(
ばくろ
)
して見せる路だ
闇の書
(新字新仮名)
/
梶井基次郎
(著)
今や「黒トカゲ」は悪魔の本性を
暴露
(
ばくろ
)
した。彼女は一匹の黒い鬼の形相でスックと立ちはだかると、女性とは思われぬ
烈
(
はげ
)
しい口調で指図を与えた。
黒蜥蜴
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
かく考えると
齷齪
(
あくせく
)
として、あるものを無しと言い、無いものを有ると見ても、とうてい永続せぬものである。早晩その真相は
暴露
(
ばくろ
)
されるものである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
然
(
しか
)
し
蘿月
(
らげつ
)
は今よんどころ無く意見
役
(
やく
)
の地位に立つ限り、そこまでに自己の感想を
暴露
(
ばくろ
)
してしまふわけには
行
(
ゆ
)
かないので、
其
(
そ
)
の母親に対したと同じやうな
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
彼女は津田が
真面目
(
まじめ
)
くさってその後を訊く事を非常に恐れた。それは夫婦の間に何らの気脈が通じていない証拠を、お秀の前に
暴露
(
ばくろ
)
するに過ぎなかった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
乙女
(
おとめ
)
の如く感傷的で、彼自身の制御さえ
覚束
(
おぼつか
)
なく、心の弱さをことごとに
暴露
(
ばくろ
)
して
憚
(
はばか
)
らなかったのである。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
たとい自分の無実が証明されるとしても、こんな女のかかり合いで奉行所の
審問
(
しんもん
)
を受けたなどと云うことが世間に
暴露
(
ばくろ
)
すれば、長い一生を暗黒に葬らなければならない。
半七捕物帳:69 白蝶怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
かくしてわが
國
(
くに
)
の
大平洋側
(
たいへいようがは
)
の
沿岸
(
えんがん
)
は
非局部性
(
ひきよくぶせい
)
の
大地震
(
だいぢしん
)
を
起
(
おこ
)
す
海洋底
(
かいようてい
)
に
接
(
せつ
)
してゐるわけであるが、しかしながら
其海岸線
(
そのかいがんせん
)
の
全部
(
ぜんぶ
)
が
津浪
(
つなみ
)
の
襲來
(
しゆうらい
)
に
暴露
(
ばくろ
)
されてゐるわけではない。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
漸
(
やつ
)
と
一
(
ひと
)
どんぶり、それでも
我慢
(
がまん
)
に
平
(
たひら
)
げて、「うれしい、お
見事
(
みごと
)
。」と
賞
(
ほ
)
められたが、
歸途
(
かへり
)
に
路
(
みち
)
が
暗
(
くら
)
く
成
(
な
)
つて、
溝端
(
どぶばた
)
へ
出
(
で
)
るが
否
(
いな
)
や、げツといつて、
現實
(
げんじつ
)
立所
(
たちどころ
)
に
暴露
(
ばくろ
)
におよんだ。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
バイロンが英国を去る時の詠歌の中に『誰か情婦又は正妻のかこちごとや
空涙
(
そらなみだ
)
を
真事
(
まこと
)
として受くる愚を学ばむ』と言出でけむも、実に厭世家の心事を
暴露
(
ばくろ
)
せるものなるべし。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
当時評判の高かった
卑猥
(
ひわい
)
な小説は多く、大小を問わずあらゆる兵営内の腐敗を
暴露
(
ばくろ
)
していた。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
人生は何事をも
為
(
な
)
さぬには余りに長いが、何事かを為すには余りに短いなどと口先ばかりの警句を
弄
(
ろう
)
しながら、事実は、才能の不足を
暴露
(
ばくろ
)
するかも知れないとの
卑怯
(
ひきょう
)
な
危惧
(
きぐ
)
と
山月記
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
弁円がこの事件をもって、自己の復讐に利用しようとする肚だくみ以上に、天城四郎は、そういう社会的な秘密を
暴露
(
ばくろ
)
してみることに、悪魔的な興味を多分におぼえるのだった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そうしてそれと共に、この嘘を
暴露
(
ばくろ
)
させてやりたい気が、刻々に強く己へ働きかけた。
袈裟と盛遠
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
マルソオは、
呼吸
(
いき
)
をするかしないかで、室長の言葉に聴き入っている。それは、どこまでも当り前だとは思いながら、彼は、ある秘密の
暴露
(
ばくろ
)
をおそれるように、
慄
(
ふる
)
えているからだ。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
現実
暴露
(
ばくろ
)
、無解決、平面描写、
劃一
(
かくいつ
)
線の態度等の言葉によって表わされた科学的、運命論的、静止的、自己否定的の内容が、その後ようやく、第一義慾とか、人生批評とか、主観の権威とか
時代閉塞の現状:(強権、純粋自然主義の最後および明日の考察)
(新字新仮名)
/
石川啄木
(著)
清左衛門を魔道に引き入れ、密貿易を犯させて、彼等自身が各々の大慾望を遂げてしまうと、長崎奉行役替りの時期が来て、その罪行が
暴露
(
ばくろ
)
するのを怖れ、清左衛門一人に、
巧
(
たくみ
)
に罪をなすりつけ
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
……彼女は遂に発狂して、叔父の家の倉庫の二階に
監禁
(
かんきん
)
さるるに到った。ここに於て彼女を愛していた名探偵青ネクタイ氏は憤然として
起
(
た
)
ち、この事実の裏面を精探すると、驚くべき真相が
暴露
(
ばくろ
)
した。
狂人は笑う
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
それにも
係
(
かかわ
)
らず、平田一郎という
陰険
(
いんけん
)
な男は、一体どこから見ているのか、実に
詳
(
くわ
)
しく、実に正確に、夫婦間の
秘事
(
ひじ
)
を手紙の上に
暴露
(
ばくろ
)
してある。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そこまでに自己の感想を
暴露
(
ばくろ
)
してしまうわけには行かないので、その母親に対したと同じような、その場かぎりの気安めをいって置くより仕様がなかった。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
何
(
なん
)
ぞ
醉漢
(
すいかん
)
の
心中
(
しんちう
)
を
暴露
(
ばくろ
)
するの
妙
(
みよう
)
なる。
更
(
さら
)
に
進
(
すゝ
)
んで
我妻
(
わがつま
)
を
説
(
と
)
き
我娘
(
わがむすめ
)
を
談
(
だん
)
じ、
娘
(
むすめ
)
が
婬賣
(
いんばい
)
する
事
(
こと
)
まで、
慚色
(
はづるいろ
)
なく
吐
(
は
)
き
出
(
い
)
づるに
至
(
いた
)
りては
露國
(
ロコク
)
の
社界
(
しやかい
)
亦
(
ま
)
た
驚
(
おどろ
)
くべきにあらずや。
罪と罰(内田不知庵訳)
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
其後
(
そのご
)
山津浪
(
やまつなみ
)
が
殘
(
のこ
)
した
土砂
(
どしや
)
が
溪流
(
けいりゆう
)
のために
次第
(
しだい
)
に
浚
(
さら
)
はれて、
再
(
ふたゝ
)
び
以前
(
いぜん
)
の
村落地
(
そんらくち
)
を
暴露
(
ばくろ
)
したけれども、
家屋
(
かおく
)
は
其處
(
そこ
)
から
現
(
あらは
)
れて
來
(
こ
)
なかつたので、
山津浪
(
やまつなみ
)
が
一村
(
いつそん
)
を
埋沒
(
まいぼつ
)
したといふよりも
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
すなわち人には
明
(
あか
)
せられぬが、
己
(
おの
)
れが心に
明
(
あか
)
し、あるいは天に
明
(
あか
)
して恥ずべきことでない秘密ならば、
暴露
(
ばくろ
)
したところでこれまた一場の笑話となるか、
愛嬌談
(
あいきょうだん
)
となるにとどまり
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
一般の
愚蒙
(
ぐもう
)
と戦い、現時の勝利者らの
凡庸
(
ぼんよう
)
さを
暴露
(
ばくろ
)
し、馬鹿者どもの手中に渡されてる無名孤独な芸術家を擁護し、服従をのみ知ってる人々の精神に帝王の精神を課し得る者が
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
初代との関係ばかりではなく、その外の同じ様な事実をも、
甚
(
はなはだ
)
しいのは、一人物との間に
醸
(
かも
)
された同性恋愛的な事件までをも、恥を忍んで、私は
暴露
(
ばくろ
)
しなければなるまいかと思う。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
何も異性間に不人望な主人をこの際ことさらに
暴露
(
ばくろ
)
する必要もないのだが、本人において存外な考え違をして、全く年廻りのせいで細君に好かれないのだなどと理窟をつけていると
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それをいうと、
柴田勝家
(
しばたかついえ
)
の
遺臣
(
いしん
)
という、自分の
前身
(
ぜんしん
)
が
暴露
(
ばくろ
)
する。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかし僕の一念は何としてもセントー・ハヤオの不思議な通信によって
暴露
(
ばくろ
)
した事実をつき留めずには居られませんでした。僕はそれから約一年を
辛抱
(
しんぼう
)
しました。
壊れたバリコン
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
私は今まで、河野という男は、理智ばかりで出来上った、鉄の様な人間かと思っていましたのに、このうろたえ様はどうでしょう。彼はきわどい所で弱点を
暴露
(
ばくろ
)
してしまいました。
湖畔亭事件
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
自分の思想を
暴露
(
ばくろ
)
することを彼女は恥ずかしがったであろう。ただ彼女がもってたのは、自分以外の者にはだれにもほとんどわからない小さな控え帳——ごく細かな備忘録だけだった。
ジャン・クリストフ:08 第六巻 アントアネット
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
ただ
他
(
ひと
)
の暗黒面を観察するだけで、自分と堕落してかかる危険性を帯びる必要がないから、なおの事都合がいいには相違ないが、いかんせんその目的がすでに罪悪の
暴露
(
ばくろ
)
にあるのだから
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
あらゆる
妄動
(
もうどう
)
と醜態を世に
暴露
(
ばくろ
)
してしまった。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
既に靴の跡によって
嫌疑
(
けんぎ
)
の深い潮十吉であるが、この一巻の映画によって、彼の正体が
暴露
(
ばくろ
)
するのではあるまいか。赤外線男は潮十吉か。或いは赤外線男の
合棒
(
あいぼう
)
でもあるか。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
英国風を
鼓吹
(
こすい
)
して
憚
(
はば
)
からぬものがある。気の毒な事である。
己
(
おの
)
れに理想のないのを明かに
暴露
(
ばくろ
)
している。日本の青年は滔々として堕落するにもかかわらず、いまだここまでは堕落せんと思う。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
これは、
近視眼
(
きんしがん
)
の漢青年を利用したパノラマでしかなかったことが
暴露
(
ばくろ
)
されたのだった。
西湖の屍人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
言いにくいと申すより言うを
敢
(
あえ
)
てすべからざる事かも知れない。墓参り事件を博士が知っているならばだけれど、もし知らんとすれば、余は好んで人の秘事を
暴露
(
ばくろ
)
する不作法を働いた事になる。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
暴
常用漢字
小5
部首:⽇
15画
露
常用漢字
中学
部首:⾬
21画
“暴”で始まる語句
暴
暴風雨
暴風
暴戻
暴虐
暴々
暴虎馮河
暴挙
暴雨
暴慢