トップ
>
意氣地
>
いくぢ
ふりがな文庫
“
意氣地
(
いくぢ
)” の例文
新字:
意気地
「飛んでもない、先生、あつしは日本一の親不孝者だと思つて居りますよ。たつた一人の母親に、不自由ばかりさせて居る
意氣地
(
いくぢ
)
なしで」
銭形平次捕物控:214 鼬小僧の正体
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
此
(
こ
)
の
體
(
てい
)
でござります。へい、
御見忘
(
おみわす
)
れは
御道理
(
ごもつとも
)
で。いや、
最
(
も
)
うからつきし、
意氣地
(
いくぢ
)
もだらしもござりません。
貴下
(
あなた
)
は
御成人遊
(
ごせいじんあそ
)
ばしましたな。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
私は自分の
意氣地
(
いくぢ
)
なさと亂れた樣子に對するその當てこすりに耳もかさず、彼の手を振り拂ひ、また歩きはじめた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「…………」周三は蒼白い顏をねぢ曲げながら視線を
亂
(
みだ
)
しておど/\した。それがいかにもあどけなくまた
意氣地
(
いくぢ
)
なく、生れつきのひもらしい感じであつた。
天国の記録
(旧字旧仮名)
/
下村千秋
(著)
今
(
いま
)
の
零落
(
れいらく
)
を
高見
(
たかみ
)
に
見下
(
みくだ
)
して
全體
(
ぜんたい
)
意氣地
(
いくぢ
)
が
無
(
な
)
さすぎると
言
(
い
)
ひしとか
酷
(
こく
)
と
思
(
おも
)
ふは
心
(
こゝろ
)
がらなり
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
見られ大岡殿イヤハヤ
意氣地
(
いくぢ
)
のなき
坊主
(
ばうず
)
め
疾
(
とく
)
より知れてある事を
汝
(
おのれ
)
隱
(
かく
)
しだてをする
大馬鹿
(
おほばか
)
めコリヤ
其大帳
(
そのだいちやう
)
を是へと申さるゝ時目安方ハツと
差出
(
さしいだ
)
すを
取
(
とり
)
て見らるれば享保元年の帳に
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
いや、
何處
(
どこ
)
へ
行
(
ゆ
)
くのも、
何
(
なに
)
を
遣
(
や
)
るのも
望
(
のぞ
)
まんです。
考
(
かんが
)
へれば
意氣地
(
いくぢ
)
が
無
(
な
)
いものさ。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「
此
(
こ
)
の
意氣地
(
いくぢ
)
なしども! そんなら
一昨年
(
おととし
)
の二百十
日
(
か
)
のやうに、また一と
泡
(
あわ
)
吹
(
ふ
)
かしてくれやうか」と
怒鳴
(
どな
)
りつけやうとは
思
(
おも
)
つたが、
何
(
なに
)
をいふにも
相手
(
あひて
)
はたか のしれた
人間
(
にんげん
)
だとおもひ
直
(
なほ
)
して
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
空
(
そら
)
を
飛
(
と
)
ぶ——
火事
(
くわじ
)
の
激
(
はげ
)
しさに
紛
(
まぎ
)
れた。が、
地震
(
ぢしん
)
が
可恐
(
おそろし
)
いため
町
(
まち
)
にうろついて
居
(
ゐ
)
るのである。
二階
(
にかい
)
へ
上
(
あが
)
るのは、いのち
懸
(
がけ
)
でなければ
成
(
な
)
らない。
私
(
わたし
)
は
意氣地
(
いくぢ
)
なしの
臆病
(
おくびやう
)
の
第一人
(
だいいちにん
)
である。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
眞太郎は、その弱さと
意氣地
(
いくぢ
)
なさを隱さうともせず、斯う言つて溜息をつくのです。
銭形平次捕物控:331 花嫁の幻想
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼の
顏立
(
かほたち
)
は整つてはゐるけれど
締
(
しま
)
りがなく、眼は大きくて美しく出來てはゐるが、そこからは、
意氣地
(
いくぢ
)
のないぼんやりした人となりが覗いてゐる——少くとも私にはさう思へたのだ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
是迄
(
これまで
)
は
虚心
(
きよしん
)
平氣
(
へいき
)
で、
健全
(
けんぜん
)
に
論
(
ろん
)
じてゐたが、一
朝
(
てう
)
生活
(
せいくわつ
)
の
逆流
(
ぎやくりう
)
に
觸
(
ふ
)
るゝや、
直
(
たゞち
)
に
氣
(
き
)
は
挫
(
くじ
)
けて
落膽
(
らくたん
)
に
沈
(
しづ
)
んで
了
(
しま
)
つた……
意氣地
(
いくぢ
)
が
無
(
な
)
い……
人間
(
にんげん
)
は
意氣地
(
いくぢ
)
が
無
(
な
)
いものです、
貴方
(
あなた
)
とても
猶且
(
やはり
)
然
(
さ
)
うでせう
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
附
(
つき
)
そひの
女
(
をんな
)
が
粥
(
かゆ
)
の
膳
(
ぜん
)
を
持來
(
もちきた
)
りて
召上
(
めしあが
)
りますかと
問
(
と
)
へば、いや/\と
頭
(
かぶり
)
をふりて
意氣地
(
いくぢ
)
もなく
母
(
はゝ
)
の
膝
(
ひざ
)
へ
寄
(
より
)
そひしが、
今日
(
けふ
)
は
私
(
わたし
)
の
年季
(
ねん
)
が
明
(
あき
)
まするか、
歸
(
かへ
)
る
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
るで
御座
(
ござ
)
んしやうかとて
問
(
と
)
ひかけるに
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
如何
(
いか
)
なる
譯
(
わけ
)
なるやと
問
(
とふ
)
に八五郎
然
(
され
)
ば
御咄
(
おはな
)
し申べし先刻越後者の
由
(
よし
)
若
(
わか
)
き夫婦連の
侍士
(
さふらひ
)
私し見世に御休み
成
(
なさ
)
れしが
逃亡者
(
かけおちもの
)
とも見えず
身形
(
みなり
)
も可なり立派なれども一向に
旅馴
(
たびなれ
)
ぬ樣子にてイヤモウ
意氣地
(
いくぢ
)
もなく殊に女は足を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
平次の出した條件は穩健そのものと言ふよりも、少し
意氣地
(
いくぢ
)
なくさへありました。
銭形平次捕物控:188 お長屋碁会
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
日
(
ひ
)
が
暮
(
く
)
れると、
意氣地
(
いくぢ
)
はない。その
鳥
(
とり
)
より
一層
(
いつそう
)
もの
凄
(
すご
)
い、
暗闇
(
やみ
)
の
翼
(
つばさ
)
に
蔽
(
おほ
)
はれて、いま
燈
(
ともしび
)
の
影
(
かげ
)
に
息
(
いき
)
を
潛
(
ひそ
)
める。
其
(
そ
)
の
翼
(
つばさ
)
の、
時々
(
とき/″\
)
どツと
動
(
うご
)
くとともに、
大地
(
だいち
)
は
幾度
(
いくど
)
もぴり/\と
搖
(
ゆ
)
れるのであつた。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
私
(
わたし
)
が
少
(
すこ
)
しもお
前
(
まへ
)
の
身
(
み
)
なら
非人
(
ひにん
)
でも
乞食
(
こじき
)
でも
構
(
かま
)
ひはない、
親
(
おや
)
が
無
(
な
)
からうが
兄弟
(
きやうだい
)
が
何
(
ど
)
うだらうが
身
(
み
)
一
(
ひと
)
つ
出世
(
しゆつせ
)
をしたらば
宜
(
よ
)
からう、
何故
(
なぜ
)
其樣
(
そん
)
な
意氣地
(
いくぢ
)
なしをお
言
(
い
)
ひだと
勵
(
はげ
)
ませば、
己
(
お
)
れは
何
(
ど
)
うしても
駄目
(
だめ
)
だよ
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
と
叱
(
しか
)
りつけられて
我知
(
われし
)
らずあとじさりする
意氣地
(
いくぢ
)
なさまだ
霜
(
しも
)
こほる
夜嵐
(
よあらし
)
に
辻待
(
つじまち
)
の
提燈
(
ちやうちん
)
の
火
(
ひ
)
の
消
(
き
)
えかへる
迄
(
まで
)
案
(
あん
)
じらるゝは
二親
(
ふたおや
)
のことなり
馴
(
な
)
れぬ
貧苦
(
ひんく
)
に
責
(
せ
)
めらるゝと
懷舊
(
くわいきう
)
の
情
(
じやう
)
のやる
方
(
かた
)
なさとが
老體
(
らうたい
)
の
毒
(
どく
)
になりてや
涙
(
なみだ
)
がちに
同
(
おな
)
じやうな
煩
(
わづら
)
ひ
方
(
かた
)
それも
御尤
(
ごもつと
)
もなり
我
(
われ
)
さへ
無念
(
むねん
)
に
膓
(
はらわた
)
の
沸
(
に
)
え
納
(
をさ
)
まらぬものを
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
意
常用漢字
小3
部首:⼼
13画
氣
部首:⽓
10画
地
常用漢字
小2
部首:⼟
6画
“意氣”で始まる語句
意氣
意氣込
意氣組
意氣揚々
意氣合
意氣揚揚
意氣沮喪