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家
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が
ふりがな文庫
“
家
(
が
)” の例文
諦念! 何たる悲しい
隠
(
かく
)
れ
家
(
が
)
だ! しかも、それのみが今の僕に残されている唯一の隠れ家だとは!——君の
夥
(
おびただ
)
しい気苦労のただ中へ
ベートーヴェンの生涯:04 ベートーヴェンの手紙
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
、
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
、
フランツ・ゲルハルト・ヴェーゲラー
、
エレオノーレ・フォン・ブロイニング
(著)
殆
(
ほとん
)
ど
危
(
あやふ
)
かつたその時、私達は自ら
救
(
すく
)
ふために、十
分
(
ぶん
)
にその
力
(
ちから
)
に
疑
(
うたが
)
ひを
殘
(
のこ
)
しながらも、愛とその結婚に
隱
(
かく
)
れ
家
(
が
)
を求めようとしました。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
それにまた、ジャン・ヴァルジャンは隠れ
家
(
が
)
をよく選んでいた。彼はほとんど欠くるところなき安全さでそこにいることができた。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
「さ、お立ちなさりませ。さ、歩かねばなりませぬ。夜明けぬうちに
隠
(
かく
)
れ
家
(
が
)
まで是非参らねばなりませぬ。肩にお縋りなさりませ」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
見て
密
(
ひそか
)
に
元
(
もと
)
の座へ立ち歸り彼は正しく此所の
主
(
あるじ
)
さては娘の父ならん然れば山賊の
隱
(
かく
)
れ
家
(
が
)
にも非ずと
安堵
(
あんど
)
して在る所へ彼娘の勝手より
膳
(
ぜん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
細い横丁を二三度あちこちへ折れて、飛びこんだのはアパートメントとは名ばかりの
安宿
(
やすやど
)
の、その奥まった一室——彼等の秘密の
隠
(
かく
)
れ
家
(
が
)
!
間諜座事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
悲哀
(
かなしみ
)
の持って行きどころのないようなこの画家は、あいびきする男女の客や人を待合せる客のためにある奥の一室を旅の隠れ
家
(
が
)
ともして
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
東風君と寒月君はヴァイオリンの
隠
(
かく
)
れ
家
(
が
)
についてかくのごとく問答をしているうちに、主人と迷亭君も何かしきりに話している。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「総じてこの山は
都卒
(
とそつ
)
の内院にもたとへ、又は
五台山
(
ごだいさん
)
清涼山
(
せいりょうぜん
)
とて唐土までも、遠く続ける
芳野山
(
よしのやま
)
、かくれ
家
(
が
)
多きところなり。」
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
注意してそつと自分の
隱
(
かく
)
れ
家
(
が
)
を出た私は、眞直に臺所につゞいてゐる
裏梯子
(
うらばしご
)
の方に出た。臺所中は火と騷ぎで一ぱいだつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
隣家
(
となり
)
の市川楽翁は、夜が明けるのを待ちかねていたように、庭づたいにやって来て、藪田助八の
隠
(
かく
)
れ
家
(
が
)
をたたいていた。
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
青柳は、父の経営していた「
隻流
(
せきりゅう
)
館」という、柔道の道場の裏二階に、夫婦で暮していた。そこの三畳の一室を、光丸の隠れ
家
(
が
)
に当てがった。……
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
竹腰と道家はそこから
己
(
じぶん
)
の
隠
(
かく
)
れ
家
(
が
)
に帰って、不思議な老人に教えられた時機の来るのを待っていた。二人はその間の
生計
(
たつき
)
に野へ出て
獣
(
けもの
)
を
狩
(
か
)
っていた。
赤い土の壺
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
貴重な材木や
硝子
(
ガラス
)
を使つて細工がしてある。その小さい中へ色々な物が逃げ込んで、そこを隠れ
家
(
が
)
にしてゐる。その中から枯れ萎びた物の
香
(
か
)
が立ち昇る。
クサンチス
(新字旧仮名)
/
アルベール・サマン
(著)
山
(
やま
)
に、
浦
(
うら
)
に、かくれ
家
(
が
)
も、
世
(
よ
)
の
状
(
さま
)
の
露呈
(
あらは
)
なる、
朝
(
あさ
)
の
戸
(
と
)
を
開
(
ひら
)
くより、
襖
(
ふすま
)
障子
(
しやうじ
)
の
遮
(
さへぎ
)
るさへなく、
包
(
つゝ
)
むは
胸
(
むね
)
の
羅
(
うすもの
)
のみ。
五月より
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
しかもその
神社
(
じんじゃ
)
の
所在地
(
しょざいち
)
は、あの
油壺
(
あぶらつぼ
)
の
対岸
(
たいがん
)
の
隠
(
かく
)
れ
家
(
が
)
の
跡
(
あと
)
とやら、この
上
(
うえ
)
ともしっかりやって
貰
(
もら
)
いますぞ……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
生活上のある必要から、近い田舎の淋しい処に小さな
隠
(
かく
)
れ
家
(
が
)
を設けた。大方は休日などの朝出かけて行って、夕方はもう東京の家へ帰って来る事にしてある。
石油ランプ
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
各新聞社は、隠れ
家
(
が
)
の捜索に
血眼
(
ちまなこ
)
だったが、絶縁状が『朝日新聞』だけへ出ると物議はやかましくなった。
柳原燁子(白蓮)
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
ヴィタリスはそっくりひつじの毛皮服にくるまっているので、雨もしのげたし、さるのジョリクールも、一しずく雨がかかるとさっそくかくれ
家
(
が
)
ににげこんだ。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
朝から晩までべちゃくちゃ
囀
(
さえず
)
る
葭原雀
(
よしわらすずめ
)
の隠れ
家
(
が
)
にもなる。
五月雨
(
さみだれ
)
の夜にコト/\
叩
(
たた
)
く
水鶏
(
くいな
)
の宿にもなる。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
越して飛んでまいるうちに天気が急にかわっていかい大風になって参ったので小鳥はそのかくれ
家
(
が
)
を
胚胎
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
お浜は今まで死ぬ気はなかったのです、郁太郎をつれてとにかくこの家を出て、広い世間のどこかに
隠
(
かく
)
れ
家
(
が
)
を見つけようと、無鉄砲な考えで胸も頭もいっぱいでした。
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
わたくしはまた更に
為永春水
(
ためながしゅんすい
)
の小説『
辰巳園
(
たつみのその
)
』に、
丹次郎
(
たんじろう
)
が久しく別れていたその情婦
仇吉
(
あだきち
)
を深川のかくれ
家
(
が
)
にたずね、旧歓をかたり合う中、日はくれて雪がふり出し
雪の日
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
倉地が先に行って中の様子を見て来て、
杉林
(
すぎばやし
)
のために少し日当たりはよくないが、当分の隠れ
家
(
が
)
としては屈強だといったので、すぐさまそこに移る事に決めたのだった。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
中田屋の一件とは
別口
(
べつくち
)
で、千生さんは少し筋の悪いことがあって、当分は身を隠していなければならない。その隠れ
家
(
が
)
は知れているが、今すぐに逢わせるわけには行かない。
廿九日の牡丹餅
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
精神がぽうつとすることさへある。俺の魂はどこへか行つてしまつたのではあるまいか。こんなことを思つて、そのかくれ
家
(
が
)
をさがさうとする、すぐ愛子の
額付
(
ひたいつき
)
が眼底に浮ぶ。
畜生道
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
ウーン……お
母
(
っか
)
ア少し待ってくんな、
余
(
あんま
)
り強く遣ると
己
(
おら
)
ア死んじまう、
己
(
おれ
)
の息が
止
(
とま
)
っちまうと、若旦那さまのお尋ねなさる
仇敵
(
かたき
)
の
匿
(
かく
)
れ
家
(
が
)
もお探しなさるお刀の手掛りも分るめえ
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
外出先から歸つて來た親を出迎へる
邪氣
(
あどけ
)
ない子供のやうに千登世は幾らか
嬌垂
(
あまえ
)
ながら圭一郎の手を引つ張るやうにして、そして二人は電車通りから程遠くない隱れ
家
(
が
)
の二階に歸つた。
業苦
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
脱いだ衣類
其他
(
そのた
)
を、森の奥の
窪地
(
くぼち
)
で焼き捨て、その灰の始末をつけて了った時分には、もう太陽が高く昇って、森の外の街道には、絶えず、チラホラと人通りがして、今更ら
隠
(
かく
)
れ
家
(
が
)
を出て
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
きっと僕のポケットから落っこったんだろう、いつか草ん中を
転
(
ころ
)
がり廻った時……気違いの真似をして……。しゃがんでみてごらん、母さん、この
野郎
(
やろう
)
がうまく隠れたとこをさ、
隠
(
かく
)
れ
家
(
が
)
をさ。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
という貼紙を、甚七の隠れ
家
(
が
)
でみた時、上の弟はじろりとお俊をみた。
新訂雲母阪
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
「オイ、玄心斎どの、イヤ、皆の者、殿のお隠れ
家
(
が
)
が判明いたしたぞ」
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
隠れ
家
(
が
)
や月と菊とに田三反
俳人蕪村
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
かくれ
家
(
が
)
もなし
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
五
隠
(
かく
)
れ
家
(
が
)
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
ただ棟梁の大勘が、お家様の義理合いでやむなく一時の
匿
(
かく
)
れ
家
(
が
)
を、どこかへ探してやったことから、細かい用事をあっしにいいつけたんでございます
鳴門秘帖:05 剣山の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
飯田
(
いいだ
)
の在に見つけた最後の「隠れ
家
(
が
)
」まであとに見捨てて、もう一度中津川をさして帰って行こうとする人である。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
そこがイワノフ博士の
隠
(
かく
)
れ
家
(
が
)
なのである。大岩をたくみにくりぬいてつくってある洞穴は、見るからに身の毛のよだつほど、すさまじい光景を呈している。
人造人間エフ氏
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
われわれはプティー・ピクプュスの
古
(
いにしえ
)
のありさまを詳しく述べているのであるから、そして既にこの秘密な隠れ
家
(
が
)
の窓を一つ開いて中をのぞいたことであるから
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
それからというもの、岡は美人屋敷とうわさされる葉子の隠れ
家
(
が
)
におりおり出入りするようになった。倉地とも顔を合わせて、互いに快く船の中での思い出し話などをした。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
彼女
(
かのじょ
)
は
私
(
わたくし
)
の
母
(
はは
)
と一
緒
(
しょ
)
に、
例
(
れい
)
の
海岸
(
かいがん
)
の
私
(
わたくし
)
の
隠
(
かく
)
れ
家
(
が
)
に
詰
(
つ
)
め
切
(
き
)
って、それはそれは
親身
(
しんみ
)
になってよく
尽
(
つく
)
してくれ、
私
(
わたくし
)
の
病気
(
びょうき
)
が
早
(
はや
)
く
治
(
なお
)
るようにと、
氏神様
(
うじがみさま
)
へ
日参
(
にっさん
)
までしてくれるのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
二人は声を掛け合ったが
颯
(
さっ
)
と
隠
(
かく
)
れ
家
(
が
)
へ飛び込んだ。汗も出なければ
呼吸
(
いき
)
もはずまない。
加利福尼亜の宝島:(お伽冒険談)
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
わたくしは突然二人が恋のかくれ
家
(
が
)
を驚す事のいかにも野暮らしく、今日はこのまゝ帰らうとも思ひ、また折角来たからには、人知れず様子だけでも窺つて置きたいやうな気もして
来訪者
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
組んずほぐれつ
揉
(
も
)
み合っていると、近所の小屋からまたまた加勢が来る、弥次馬が来る、それをよそにして、この美人連の
隠
(
かく
)
れ
家
(
が
)
を見つけ出した連中はいい気になってこの一角を占領して
大菩薩峠:09 女子と小人の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
が、
魔
(
ま
)
の
棲
(
す
)
むべき
岩窟
(
がんくつ
)
を、
嘗
(
かつ
)
て
女賊
(
ぢよぞく
)
の
隠
(
かく
)
れ
家
(
が
)
であつたと
言
(
い
)
ふのは
惜
(
をし
)
い。……
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
男は自動車の運転手にさえ、彼の
隠
(
かく
)
れ
家
(
が
)
を知らせまいとして、
態
(
わざ
)
と三町も手前で車を降りた。小間使のお雪がその車の番号を覚えて居た所で、こんなに用心深い相手には何の役にも立たなかった。
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
この手紙は今年の春(大正十一年)中野の隠れ
家
(
が
)
からうけた一節で
柳原燁子(白蓮)
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
万人に向かって頭からぶつかってゆき、なんら退却の道を講ぜず、未来のために
隠
(
かく
)
れ
家
(
が
)
を取っておこうとしない、クリストフの勇敢な無法さを、おそらく彼は彼らよりもよく評価し得たのであろう。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
鋸屑
(
おがくず
)
をこしらえて、それを隠れ
家
(
が
)
の入口のところに
撒
(
ま
)
く。
博物誌
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
路通 「隱れ
家
(
が
)
や寢覺めさらりと笹の霜」
俳諧師
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
“家”の意味
《名詞》
(いえ うち)人が生活に用いる建物。住居。家屋。
(いえ うち)家庭。家族。
(いえ)家系。
(出典:Wiktionary)
家
常用漢字
小2
部首:⼧
10画
“家”を含む語句
此家
家内
家中
家人
大家
自家
家庭
主家
商家
実家
住家
家主
彼家
好事家
家族
何家
家屋
当家
我家
吾家
...