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姑
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しうとめ
ふりがな文庫
“
姑
(
しうとめ
)” の例文
意地の惡い
姑
(
しうとめ
)
が嫁を仕込むといふ口實でいぢめるのも、繼母が繼子を、
躾
(
しつ
)
けるといふことにしていぢめ拔くのも、皆んな同じことだよ
銭形平次捕物控:185 歩く死骸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そのお高婆さんが、嫁入当時多くの女が経験するやうに(女としては何といふ有難い経験であらう)
酷
(
ひど
)
く
姑
(
しうとめ
)
に
苛
(
いぢ
)
められた事があつた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
姑
(
しうとめ
)
は折々気を附ける。「お前らくにしてお出かい。足が冷えはしないかい。」穿いてゐるのは、藁を内側に附けた
木沓
(
きぐつ
)
である。
聖ニコラウスの夜
(新字旧仮名)
/
カミーユ・ルモンニエー
(著)
致し居候に付
當暮
(
たうくれ
)
には藥代其外諸方の買掛り都合六七兩にも相成申候事ゆゑ此
節
(
せつ
)
半金
(
はんきん
)
も遣はさず候はねば來春よりは
姑
(
しうとめ
)
に藥を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
されば
奧方
(
おくがた
)
の
町子
(
まちこ
)
おのづから
寵愛
(
てうあい
)
の
手
(
て
)
の
平
(
ひら
)
に
乘
(
の
)
つて、
強
(
あなが
)
ち
良人
(
おつと
)
を
侮
(
あなど
)
るとなけれども、
舅
(
しうと
)
姑
(
しうとめ
)
おはしまして
萬
(
よろ
)
づ
窮屈
(
きうくつ
)
に
堅
(
かた
)
くるしき
嫁
(
よめ
)
御寮
(
ごりよう
)
の
身
(
み
)
と
異
(
こと
)
なり
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
児
(
こ
)
を
懐
(
ふところ
)
にいだき入んとするに
姑
(
しうとめ
)
旁
(
かたはら
)
よりよく
乳
(
ち
)
を
呑
(
のま
)
せていだきいれよ、
途
(
みち
)
にてはねんねがのみにくからんと
一言
(
ひとこと
)
の
詞
(
ことば
)
にも
孫
(
まご
)
を
愛
(
あい
)
する
情
(
こゝろ
)
ぞしられける。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
お民も
姑
(
しうとめ
)
に泣かれて見ると、それでもとは云はれた義理ではなかつた。しかし養蚕は断念したものの、桑畑を作ることだけは強情に我意を張り通した。
一塊の土
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
其日はお妻の夫も
舅
(
しうと
)
も留守で、家に居るのは唯
姑
(
しうとめ
)
ばかり。五人も子供が有ると聞いたが、
年嵩
(
としかさ
)
なのが見えないは、大方遊びにでも行つたものであらう。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
邪慳
(
じやけん
)
な
姑
(
しうとめ
)
のこと、意地くね曲つたヒステリーの
嫂
(
あによめ
)
のこと、相変らず愚図で気のきかぬ頼りない亭主のこと、それから今度のごた/\に
就
(
つい
)
てのことだつた。
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
反對派の手強い壓迫の底には、單に一期や二期の利益配當を欲しがる慾得づくばかりで無く、事毎に社會思想家がつて、理想論を振廻す田原を、
小面
(
こづら
)
憎く思ふ
姑
(
しうとめ
)
根性が潜んで居た。
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
一番近くに居た
姉様
(
あねさま
)
は、
姑
(
しうとめ
)
の心を測りかねたが、取りなしをするつもりで
夜烏
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
都
(
みやこ
)
なる
父母
(
ふぼ
)
は
歸
(
かへ
)
り
給
(
たま
)
ひぬ。
舅
(
しうと
)
姑
(
しうとめ
)
、
知
(
し
)
らぬ
客
(
きやく
)
許多
(
あまた
)
あり。
附添
(
つきそ
)
ふ
侍女
(
じぢよ
)
を
羞
(
はぢ
)
らひに
辭
(
じ
)
しつゝ、
新婦
(
よめぎみ
)
の
衣
(
きぬ
)
を
解
(
と
)
くにつれ、
浴室
(
ゆどの
)
颯
(
さつ
)
と
白妙
(
しろたへ
)
なす、
麗
(
うるは
)
しき
身
(
み
)
とともに、
山
(
やま
)
に、
町
(
まち
)
に、
廂
(
ひさし
)
に、
積
(
つも
)
れる
雪
(
ゆき
)
の
影
(
かげ
)
も
映
(
さ
)
すなり。
婦人十一題
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
堕落した飲んだくれの小役人マフリキエフの為めには
姑
(
しうとめ
)
である。
パアテル・セルギウス
(新字旧仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
「さう氣が付いたところで、親の金を持出した道樂息子や、嫁に
苛
(
いじ
)
められて身投げの場所を見に來た
姑
(
しうとめ
)
を、往來でつかまへるわけには行くまい」
銭形平次捕物控:101 お秀の父
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
其時越前守殿
重
(
かさ
)
ねて彌吉夫婦に向はれ汝等
未
(
いまだ
)
菊を疑ふ樣子ある故
具
(
つぶさ
)
に申聞すべし我菊が
姑
(
しうとめ
)
の死骸を
檢査
(
あらため
)
さする
序
(
ついで
)
に
家探
(
やさが
)
しを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
娵
(
よめ
)
はうちゑみつゝ
姑
(
しうとめ
)
にかくといへば、姑は
俄
(
にはか
)
に
土産
(
みやげ
)
など取そろへる
間
(
うち
)
に
娵
(
よめ
)
髪
(
かみ
)
をゆひなどして
嗜
(
たしなみ
)
の
衣類
(
いるゐ
)
を
着
(
ちやく
)
し、
綿入
(
わたいれ
)
の
木綿帽子
(
もめんばうし
)
も
寒国
(
かんこく
)
の
習
(
ならひ
)
とて見にくからず
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
何も
舅
(
しうと
)
姑
(
しうとめ
)
のやかましいが有るでは無し、
我
(
わし
)
が欲しくて我が貰ふに身分も何も言ふ事はない、稽古は引取つてからでも充分させられるからその心配も
要
(
い
)
らぬ事
十三夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
孝子三八に
賜
(
たまは
)
ると書付はなけれ共、まづ
蓋
(
ふた
)
をひらけば、内よりによつと塩竹の子、
金
(
かね
)
もらうたよりうれしく、(中略)女房にかくとしらすれば、同じ心の
姑
(
しうとめ
)
思ひ、手ばやに塩だし
鰹
(
かつを
)
かき
案頭の書
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そこでは慰藉料問題にからむ離婚訴訟の審理中であつた——
姑
(
しうとめ
)
小姑のある家庭に嫁入つたが面白くゆかぬ……する内に姑の衣類が一枚なくなつた……
占師
(
うらなひし
)
に訊ねたところが家の中の者が盗んでゐるといふ。
老残
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
嫁の口から言ひにくいこともあらうかと、
舅
(
しうと
)
、
姑
(
しうとめ
)
も、夫の勘三郎までも、席を遠慮させて、さて平次は膝を
進
(
すゝ
)
めました。
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
越前守殿聞れてお菊に向はれ如何に菊其方は何故に
姑
(
しうとめ
)
を締殺したるや
眞直
(
まつすぐ
)
に申立よとありけるにお菊はしとやかに申樣
恐
(
おそれ
)
ながら申上奉つり候私事
姑女
(
しうとめ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
二里あまり
隔
(
へだて
)
たる村より十九歳の
娵
(
よめ
)
をむかへしに、
容姿
(
すがた
)
憎
(
にく
)
からず
生質
(
うまれつき
)
柔従
(
やはらか
)
にて、
糸織
(
いとはた
)
の
伎
(
わざ
)
にも
怜利
(
かしこ
)
ければ
舅
(
しうと
)
姑
(
しうとめ
)
も
可愛
(
かあい
)
がり、
夫婦
(
ふうふ
)
の中も
睦
(
むつまし
)
く
家内
(
かない
)
可祝
(
めでたく
)
春をむかへ
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
支度
(
したく
)
とても
唯今
(
たゞいま
)
の
有樣
(
ありさま
)
で
御座
(
ござ
)
いますからとて
幾度
(
いくたび
)
斷
(
ことは
)
つたか
知
(
し
)
れはせぬけれど、
何
(
なに
)
も
舅
(
しうと
)
姑
(
しうとめ
)
のやかましいが
有
(
あ
)
るでは
無
(
な
)
し、
我
(
わし
)
が
欲
(
ほ
)
しくて
我
(
わし
)
が
貰
(
もら
)
ふに
身分
(
みぶん
)
も
何
(
なに
)
も
言
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
はない
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
三八夏は
蚊帳
(
かや
)
の代りにせし身を
腰元
(
こしもと
)
共に
床
(
とこ
)
を
扇
(
あふ
)
がせ、女房は又
姑
(
しうとめ
)
にあたへし
乳房
(
ちぶさ
)
を
虎屋
(
とらや
)
が
羊羹
(
やうかん
)
にしかへ、氷から
鯉
(
こひ
)
も古めかしと、水晶の
水舟
(
みづぶね
)
に朝鮮金魚を泳がせて楽しみ、
是
(
これ
)
至孝のいたす所なり。
案頭の書
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
舅
(
しうと
)
姑
(
しうとめ
)
に氣に入る筈もなく、ろくな身寄もないのまでが馬鹿にされる種になり、到頭猫の子のやうに放り出されて、こんなところに落込み、年を老つた叔母と一緒に
銭形平次捕物控:222 乗合舟
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
六人乘りの
傳馬
(
てんま
)
、
呑手
(
のみて
)
が揃つてゐるらしく、近寄るとプンと
酒精
(
アルコール
)
が匂ひさうな中に、二十一、二の半元服の若い女が、
單衣
(
ひとへ
)
の肩を紅に染めて、
姑
(
しうとめ
)
らしい老女の介抱を受け
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その頃の女は、剃刀を使へるのが一つのたしなみで、
姑
(
しうとめ
)
の眉を剃つてやつたり、亭主の髯を剃つたり、赤ん坊の
罌粟
(
けし
)
坊主を剃つたり、なか/\に利用價値があつたわけです。
銭形平次捕物控:331 花嫁の幻想
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
取つて
姑
(
しうとめ
)
になれば又自分の若い時の事を忘れて、伜の嫁をいぢめるのと同じことだ
銭形平次捕物控:185 歩く死骸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
留守番をして居る、少し耳の遠い
姑
(
しうとめ
)
が言ふのです。
銭形平次捕物控:169 櫛の文字
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お常に對しては、
姑
(
しうとめ
)
のお角以上に
憚
(
はゞか
)
る樣子で
銭形平次捕物控:225 女護の島異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「お
姑
(
しうとめ
)
さんとうまく行かなかつた相です」
銭形平次捕物控:280 華魁崩れ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“姑”の意味
《名詞》
(しゅうとめ)夫の母親。
(出典:Wiktionary)
姑
漢検準1級
部首:⼥
8画
“姑”を含む語句
舅姑
小姑
姑娘
嫁姑
姑女
慈姑
因循姑息
姑獲鳥
藐姑射
姑御
山慈姑
姑様
舅姑御
藐姑射山
外姑
水慈姑
姑媳
姑息
姑蘇
慈姑頭
...