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壁際
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かべぎは
ふりがな文庫
“
壁際
(
かべぎは
)” の例文
又
(
また
)
そつと
戸
(
と
)
を
閉
(
た
)
てゝ
出
(
で
)
る
時
(
とき
)
頸筋
(
くびすぢ
)
の
髮
(
かみ
)
の
毛
(
け
)
をこそつぱい
手
(
て
)
で
一攫
(
ひとつか
)
みにされるやうに
感
(
かん
)
じた。おつぎは
外
(
そと
)
の
壁際
(
かべぎは
)
の
草刈籠
(
くさかりかご
)
を
脊負
(
せお
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
この唐紙の左右の
壁際
(
かべぎは
)
には、余り上等でない硝子戸の本箱があつて、その何段かの棚の上にはぎつしり洋書が詰まつてゐる。
漱石山房の秋
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
柱をば杉檜の葉もて包み、大なる紅葉の枝を添へ、
壁際
(
かべぎは
)
廊下には菊花壇を作りて
紙灯
(
しちやう
)
をともしたるなど、何となく
鬼
(
き
)
一の菊畑でも見物する心地あり。
燕尾服着初めの記
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
妾
(
わたし
)
が
乳首
(
ちゝくび
)
へ
苦艾
(
にがよもぎ
)
を
塗
(
まぶ
)
って
鳩小舍
(
はとごや
)
の
壁際
(
かべぎは
)
で
日向
(
ひなた
)
ぼっこりをして……
殿樣
(
とのさま
)
と
貴下
(
こなた
)
はマンチュアにござらしゃりました……いや、まだ/\
耄
(
ぼ
)
きゃしませぬ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
また電気灯を
点
(
とも
)
すと、白つぽくなつた
壁際
(
かべぎは
)
の二段の吊棚が目の前へ現はれて来るのです。私は
洋杯
(
こつぷ
)
の中に
入
(
はひ
)
つた三郎の使ひ残した
護謨
(
ごむ
)
の
乳首
(
ちヽくび
)
に
先
(
ま
)
づ目が附きます。
遺書
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
▼ もっと見る
死骸らしい物のある奥の
壁際
(
かべぎは
)
に、平八郎は
鞘
(
さや
)
を払つた
脇差
(
わきざし
)
を持つて立つてゐたが、踏み込んだ
捕手
(
とりて
)
を見て、其
刃
(
やいば
)
を横に
吭
(
のど
)
に突き立て、引き抜いて捕手の方へ投げた。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
道子
(
みちこ
)
は
廊下
(
らうか
)
の
突当
(
つきあた
)
りに
襖
(
ふすま
)
のあけたまゝになつた
奥
(
おく
)
の
間
(
ま
)
へ、
客
(
きやく
)
と
共
(
とも
)
に
入
(
はい
)
ると、
枕
(
まくら
)
二
(
ふた
)
ツ
並
(
なら
)
べた
夜具
(
やぐ
)
が
敷
(
し
)
いてあつて、
窓
(
まど
)
に
沿
(
そ
)
ふ
壁際
(
かべぎは
)
に
小形
(
こがた
)
の
化粧鏡
(
けしやうかゞみ
)
とランプ
形
(
がた
)
のスタンドや
灰皿
(
はひざら
)
。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
平次は
納戸
(
なんど
)
の外へ出ましたが、ほんの暫くすると歸つて來て、天井の
壁際
(
かべぎは
)
に少し出て居る、細い糸を引つ張ると、それを白鼠の籠の外へ出て居る、車の心棒に
固
(
かた
)
く結びました。
銭形平次捕物控:015 怪伝白い鼠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
襖
(
ふすま
)
を
開放
(
あけはな
)
した
茶
(
ちや
)
の
間
(
ま
)
から、
其先
(
そのさき
)
の四
畳半
(
でうはん
)
の
壁際
(
かべぎは
)
に
真新
(
まあたら
)
しい
総桐
(
さうぎり
)
の
箪笥
(
たんす
)
が一
棹
(
さを
)
見
(
み
)
える。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
満枝は飯桶を我が側に取寄せしが、
茶椀
(
ちやわん
)
をそれに伏せて、
彼方
(
あなた
)
の
壁際
(
かべぎは
)
に
推遣
(
おしや
)
りたり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
八月の日は既に高く上つて、
樹々
(
きゞ
)
の蔭を小さく濃く美しい芝草の上に印してゐた。卵色のペンキが眩しく光る向ひの建物の
壁際
(
かべぎは
)
のカンナの列は、燃えるやうな紅と黄の花を勢よく
陽
(
ひ
)
に擡げてゐた。
実験室
(旧字旧仮名)
/
有島武郎
(著)
壁際
(
かべぎは
)
や、
暖爐
(
だんろ
)
の
周邊
(
まはり
)
には
病院
(
びやうゐん
)
のさま/″\の
雜具
(
がらくた
)
、
古寐臺
(
ふるねだい
)
、
汚
(
よご
)
れた
病院服
(
びやうゐんふく
)
、ぼろ/\の
股引下
(
ヅボンした
)
、
青
(
あを
)
い
縞
(
しま
)
の
洗浚
(
あらひざら
)
しのシヤツ、
破
(
やぶ
)
れた
古靴
(
ふるぐつ
)
と
云
(
い
)
つたやうな
物
(
もの
)
が、ごたくさと、
山
(
やま
)
のやうに
積
(
つ
)
み
重
(
かさ
)
ねられて
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
玄關
(
げんくわん
)
を
入
(
はひ
)
ると、
暗
(
くら
)
い
土間
(
どま
)
に
下駄
(
げた
)
が
大分
(
だいぶ
)
並
(
なら
)
んでゐた。
宗助
(
そうすけ
)
は
曲
(
こゞ
)
んで、
人
(
ひと
)
の
履物
(
はきもの
)
を
踏
(
ふ
)
まない
樣
(
やう
)
にそつと
上
(
うへ
)
へのぼつた。
室
(
へや
)
は八
疊
(
でふ
)
程
(
ほど
)
の
廣
(
ひろ
)
さであつた。
其
(
その
)
壁際
(
かべぎは
)
に
列
(
れつ
)
を
作
(
つく
)
つて、六七
人
(
にん
)
の
男
(
をとこ
)
が
一側
(
ひとかは
)
に
並
(
なら
)
んでゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
お六さんの
眼
(
め
)
つきか、
喜
(
き
)
いさんの
清元
(
きよもと
)
か、まあ
何
(
ど
)
れをえ、と
問
(
と
)
はれて、
正太
(
しようた
)
顏
(
かほ
)
を
赤
(
あか
)
くして、
何
(
なん
)
だお六づらや、
喜
(
き
)
い
公
(
こう
)
、
何處
(
どこ
)
が
好
(
い
)
い
者
(
もの
)
かと
釣
(
つ
)
りらんぷの
下
(
した
)
を
少
(
すこ
)
し
居退
(
ゐの
)
きて、
壁際
(
かべぎは
)
の
方
(
はう
)
へと
尻込
(
しりご
)
みをすれば
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
自分
(
じぶん
)
の
壁際
(
かべぎは
)
には
薪
(
たきゞ
)
が一
杯
(
ぱい
)
に
積
(
つ
)
まれてある。
其
(
その
)
上
(
うへ
)
に
開墾
(
かいこん
)
の
仕事
(
しごと
)
に
携
(
たづさ
)
はつて
何
(
なん
)
といつても
薪
(
たきゞ
)
は
段々
(
だんだん
)
殖
(
ふ
)
えて
行
(
ゆ
)
くばかりである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
この
唐紙
(
からかみ
)
の左右の
壁際
(
かべぎは
)
には、余り上等でない硝子戸の本箱があつて、その何段かの棚の上にはぎつしり洋書が詰まつてゐる。
東京小品
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
次
(
つぎ
)
の
日
(
ひ
)
巡査
(
じゆんさ
)
は
隣
(
となり
)
の
傭人
(
やとひにん
)
を
連
(
つ
)
れて
來
(
き
)
て
壁際
(
かべぎは
)
の
木
(
き
)
の
根
(
ね
)
を
檢
(
しら
)
べさせたが
櫟
(
くぬぎ
)
の
根
(
ね
)
は
案外
(
あんぐわい
)
に
少
(
すくな
)
かつた。それでもおつぎの
手
(
て
)
では
棄
(
す
)
て
切
(
き
)
れなかつたのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
壁
常用漢字
中学
部首:⼟
16画
際
常用漢字
小5
部首:⾩
14画
“壁”で始まる語句
壁
壁代
壁板
壁間
壁体
壁虎
壁龕
壁側
壁土
壁厨