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ごじん
ふりがな文庫
“
吾人
(
ごじん
)” の例文
「いや、いや。そんなことはない。けだし、風病にかかって土になることはけだしすべて
吾人
(
ごじん
)
に免かれないことですから。けだし。」
楢ノ木大学士の野宿
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
されど
吾人
(
ごじん
)
にしてもしこの社会より貧乏を根絶せんと要するならば、これら三個の条件にかんがみてその方策を
樹
(
た
)
つるのほかはない。
貧乏物語
(新字新仮名)
/
河上肇
(著)
ことに
吾人
(
ごじん
)
の最も光栄と致すのは、欧米諸国先進なる文明諸国の百有余の大学から祝辞を送られたのを衷心より感謝するのである。
早稲田大学の教旨
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
数千年来、数億の人々が
踏
(
ふ
)
み
固
(
かた
)
めてくれた、
坦々
(
たんたん
)
たる
平
(
たいら
)
かな道である。
吾人
(
ごじん
)
が母の
胎内
(
たいない
)
においてすでに幾分か聞いて来た道である。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
それは
丁度
(
ちやうど
)
日本
(
にほん
)
の
國號
(
こくがう
)
を
外人
(
ぐわいじん
)
が
何
(
なん
)
と
呼
(
よ
)
び
何
(
なん
)
と
書
(
か
)
かうとも、
吾人
(
ごじん
)
は
必
(
かなら
)
ず
常
(
つね
)
に
日本
(
にほん
)
と
呼
(
よ
)
び
日本
(
にほん
)
と
書
(
か
)
かねばならぬのと
同
(
おな
)
じ
理窟
(
りくつ
)
である。(完)
誤まれる姓名の逆列
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
▼ もっと見る
吾人
(
ごじん
)
は時勢の概括的観察を為さざるべからず。
而
(
しこう
)
してこれに
先
(
さきだ
)
ちて、さらにその淵原来歴を
詳
(
つまびら
)
かにせざるべからざるの必要を感ず。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
そしてこれに続いて自然の認識の基礎となるべきものはしかし結局
吾人
(
ごじん
)
の感覚にほかならないという感覚論的方法論の宣言がある。
ルクレチウスと科学
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
さてワーテルローのごとき種類の会戦において、何物よりも特に
吾人
(
ごじん
)
の感嘆するところのものは、偶然が示した驚くべき巧妙さである。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
故に
吾人
(
ごじん
)
は、肉体なき霊魂を考え得ず、表現なき「詩の幽霊」を
思惟
(
しい
)
し得ない。詩は表現があってのみ、始めて詩と言われるのである。
詩の原理
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
よし物理学者の分子に対するごとき
明暸
(
めいりょう
)
な知識が、
吾人
(
ごじん
)
の内面生活を照らす機会が来たにしたところで、余の心はついに余の心である。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
吾人
(
ごじん
)
はこのごろの新聞紙上において実に面白き二個の広告を見当たりたり。一は「白
縮緬
(
ちりめん
)
兵児帯
(
へこおび
)
」と題し、一は「徳用
飯殖焚
(
めしふやしたき
)
法」と題せり。
面白き二個の広告
(新字新仮名)
/
堺利彦
(著)
吾人
(
ごじん
)
は
渠
(
かれ
)
を愛すること
能
(
あた
)
はず、
否
(
いな
)
愛すること能はざるにあらず、社会がこれを許さざるなり。愛することを得ざらしむるなり。
愛と婚姻
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
列車が
軌道
(
レール
)
なき土地を進行するは明らかに不可能なり。
従
(
したがっ
)
て
吾人
(
ごじん
)
は、この「事実らしからぬこと」を次の三引込線に帰せんとするものなり。
臨時急行列車の紛失
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
吾人
(
ごじん
)
の感情をすてて、自然の美を求めよと教ふるものなり。しからば吾人歌を詠まんとして、先づ詠むべき趣向を考へざるべからず。云々。
人々に答ふ
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
六、横浜着港の際深夜、船長私用にてサンパンをもって、水夫を使用して、上陸することに対して、
吾人
(
ごじん
)
これを拒絶すること。
海に生くる人々
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
吾人
(
ごじん
)
に許されたるは、ピストルに非ず、機関銃に非ず、猟銃も制限いたずらに
厳
(
げん
)
にして駄目、空気銃だけが許されている。
白銅貨の効用
(新字新仮名)
/
海野十三
、
佐野昌一
(著)
吾人
(
ごじん
)
の世界では、何故に火星がこの暗黒星の為に、かくまで激しい信号を発するか、その理由さえ解せられぬ、ただ気長く分かる時を待つのみだ。
暗黒星
(新字新仮名)
/
シモン・ニューコム
(著)
築城試合
(
ちくじょうじあい
)
も、じっさいに
縄取
(
なわど
)
りの早さでも
腕競
(
うでくら
)
べしてくれればありがたいが、
議論
(
ぎろん
)
だけでは
吾人
(
ごじん
)
には少しむずかし
過
(
す
)
ぎて
肩
(
かた
)
がはるぞ、という顔つき。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さるが故に
今日
(
こんにち
)
の
吾人
(
ごじん
)
に対してもなほ永久なる恋愛の詩美を表現する
好個
(
こうこ
)
の象徴として映ずる事を妨げざるなり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
従って
吾人
(
ごじん
)
の眼前には何も浮んで来ず、文学的価値も
頗
(
すこぶ
)
る乏しいわけである。しかるに鴎外博士の『佐橋甚五郎』を読むと、中に次のような描写がある。
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
燁子の事件はあくまで慨嘆すべきものか、あるいはかえって
謳歌
(
おうか
)
すべきものか、
吾人
(
ごじん
)
はこれを報道した責任として、ここにいささか批評を試みたい。(略)
柳原燁子(白蓮)
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
吾人
(
ごじん
)
の想像以上なるべきか、これを探撿して
以
(
もっ
)
て世に紹介せんことは、
強
(
あなが
)
ち無益の挙にあらざるべし、よって予はここに寒中の
登岳
(
とうがく
)
を勧誘せんと欲するに
臨
(
のぞ
)
み
寒中滞岳記:(十月一日より十二月廿一日に至る八十二日間)
(新字新仮名)
/
野中至
(著)
また常子夫人の発見したる忍野氏の日記に徴するも、氏は常に奇怪なる恐迫観念を有したるが如し。然れども
吾人
(
ごじん
)
の問わんと欲するは忍野氏の病名
如何
(
いかん
)
にあらず。
馬の脚
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「
吾人
(
ごじん
)
が小過失を
懺悔
(
ざんげ
)
するは、他に大過失なき事を世人に信ぜしめんが
為
(
ため
)
のみ。」——ラ・ロシフコオ。
正義と微笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
吾人
(
ごじん
)
窃
(
ひそ
)
かに
憂
(
うれ
)
うらくは、昔国中の
牢人
(
ろうにん
)
が競うて大阪城に
馳
(
は
)
せ集まった如く、いやしくも空中の音楽師の自由なる者の限り、ことごとく湖畔の白馬城に身を投じて
野草雑記・野鳥雑記:02 野鳥雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
航空機械の創造等に比すべく、
吾人
(
ごじん
)
人類の信仰なり生活なりを、根底よりくつがえす
底
(
てい
)
のものであった。
猟奇の果
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
またその上に植物には
紅白紫黄
(
こうはくしおう
)
、色とりどりの花が咲き、
吾人
(
ごじん
)
の眼を楽しませることひととおりではない。だれもこの天から
授
(
さず
)
かった花を愛せぬものはあるまい。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
光線ノ発射ト色沢ノ映昭トハ
吾人
(
ごじん
)
ノ終身求メテ
已
(
や
)
マザル所ナリ。耳モ
亦
(
また
)
之
(
これ
)
ニ同ク、響ト音トハ其常ニ欲スル所タリ。光ヲシテ絶無ナラシメバ聴覚ノ困弊果シテ
如何
(
いかん
)
。
呉秀三先生
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
万一、明日大地震が起って、直ちに
吾人
(
ごじん
)
は穴居生活に移らねばならぬとあれば、私は直ちに賛成する。
めでたき風景
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
トルストイ、ツルゲネーフ
等
(
とう
)
の
名
(
な
)
は
吾人
(
ごじん
)
久
(
ひさ
)
しく
之
(
これ
)
を
聞
(
き
)
けども、ドストイヱフスキーの
名
(
な
)
と
著書
(
ちよしよ
)
に
至
(
いた
)
りては
吾文界
(
わがぶんかい
)
に
之
(
これ
)
を
紹介
(
せうかい
)
するの
功
(
こう
)
不知庵
(
フチアン
)
に
多
(
おほ
)
しと
言
(
い
)
はざる
可
(
べ
)
からず。
罪と罰(内田不知庵訳)
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
生涯
(
しょうがい
)
のある時期においては、人は狂気
沙汰
(
ざた
)
の小動物となって——(
吾人
(
ごじん
)
も皆一度はそうであった)——あるいは自殺のうちに、あるいは見当たりしだいの異性の腕のなかに
ジャン・クリストフ:10 第八巻 女友達
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
天下を旅行する多くの人のために、
吾人
(
ごじん
)
は一日も早く草津行赤馬車の全滅を祈るものである。
本州横断 痛快徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
、
井沢衣水
(著)
吾人
(
ごじん
)
をして
若
(
も
)
し罪過の定義を下さしめば、簡明に
左
(
さ
)
の如く謂はんと欲す。
曰
(
いは
)
く
罪過論
(新字旧仮名)
/
石橋忍月
(著)
……
吾人
(
ごじん
)
結束せんとするや、彼等直ちにこれを
妨
(
さまた
)
ぐ、これを破る。我国社会運動の
遅々
(
ちち
)
として進まざる、
即
(
すなわ
)
ち此の無政府党あるに依る。実に彼等は社会主義の
仇敵
(
きゅうてき
)
なり、人類の仇敵なり。
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
吾人
(
ごじん
)
はその活動の結果を、明日の本紙上に報道し得べき事を信じて疑わざるなり
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
これがまた失敗であった。これまたよき引っ込みのチャンスを逸して遺憾であった。実をいうとこの再興行に際しても、
吾人
(
ごじん
)
は翁のために同情を繰り返し同時に苦笑を噛み殺したのである。
素人製陶本窯を築くべからず:――製陶上についてかつて前山久吉さんを激怒せしめた私のあやまち――
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
吾人
(
ごじん
)
は吉凶共に、天地万有の天朝の
恢復
(
かいふく
)
を
扶
(
たす
)
け、
而
(
しかし
)
て
胡虜
(
こりょ
)
を滅絶する所の真の命令を待つ。吾人は
虔
(
つつし
)
んで天帝地皇、山河上穀の霊、六悪の霊、五方の五竜の霊、及び
無辺際
(
むへんさい
)
の全神霊を拝す。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
吾人
(
ごじん
)
は、右に就いて、明治以来、
錚々
(
そうそう
)
たる学者博士の意見を読みました。
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
新湖
(
しんこ
)
のこととて、
未
(
ま
)
だ生々しいところが、
往々
(
おうおう
)
にして見える、船頭の指すが
儘
(
まま
)
に眺めると、その当時までは、村の西にあって、幾階段かを上ったという、村の鎮守の八幡の
社
(
やしろ
)
も、今
吾人
(
ごじん
)
の眼には
雪の透く袖
(新字新仮名)
/
鈴木鼓村
(著)
「
吾人
(
ごじん
)
は
須
(
すべか
)
らく現代を超越せざるべからず……か。
仁丹
(
じんたん
)
の広告見たいだね。
樗牛
(
ちょぎゅう
)
という人は自家広告が上手だった丈けに景色の好いところへ持って来たよ。何だか物欲しそうで一向超越していない」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
吾人
(
ごじん
)
は乃ち伯叔と共に余生を
山谷
(
さんこく
)
の
蕨草
(
けつさう
)
に托し候はむかな。
渋民村より
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
前者は
姑
(
しばら
)
く
措
(
お
)
く、後者の要求に対しては
吾人
(
ごじん
)
頗
(
すこぶ
)
る惑ふ。
国民性と文学
(新字旧仮名)
/
綱島梁川
(著)
「
吾人
(
ごじん
)
は
聯合
(
れんがふ
)
の上に立つ。」
茶話:07 大正十四(一九二五)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「いや、いや。そんなことはない。けだし、風病にかかって土になることはけだしすべて
吾人
(
ごじん
)
に
免
(
まぬ
)
かれないことですから。けだし。」
楢ノ木大学士の野宿
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
人々口を開けば正義といい、人道という。正義、人道は古来
吾人
(
ごじん
)
の標置する高き理想であるが、これを
如何様
(
いかよう
)
にして実現すべきか。
永久平和の先決問題
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
この
遷都
(
せんと
)
は、しかし、
今日
(
こんにち
)
吾人
(
ごじん
)
の
考
(
かんが
)
へるやうな
手重
(
ておも
)
なものでなく、一
屋
(
をく
)
一
代
(
だい
)
の
慣習
(
くわんしふ
)
によつて、
轉轉
(
てん/\
)
近所
(
きんじよ
)
へお
引越
(
ひきこし
)
になつたのである。
日本建築の発達と地震
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
吾人
(
ごじん
)
をして、ワーテルローの中に、ただワーテルローの中にあるもののみを見せしめよ。自ら求められたる自由はそこには少しもない。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
だが
吾人
(
ごじん
)
は、この種のあまりに科学的なる、あまりに芸術至上主義なる一派の詩派と詩人に対し、一つの根本的なる懐疑を持っている。
詩の原理
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
個人の革命は今すでに
日夜
(
にちや
)
に起りつつある。北欧の偉人イブセンはこの革命の起るべき状態についてつぶさにその例証を
吾人
(
ごじん
)
に与えた。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
未死の幽魂、尋ねんと欲するも、今
何
(
いずれ
)
の処にかある。請う、
吾人
(
ごじん
)
をして彼を
九原
(
きゅうげん
)
の下より起し、少しく彼に
就
(
つ
)
いて語らしめよ。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
“吾人”の意味
《名詞》
われわれ。わたしたち。
(出典:Wiktionary)
吾
漢検準1級
部首:⼝
7画
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
“吾人”で始まる語句
吾人共