トップ
>
后
>
きさき
ふりがな文庫
“
后
(
きさき
)” の例文
宮と藤壺の宮とは同じお
后
(
きさき
)
からお生まれになったからであろうか、などと考えるだけでもその子と恋人との縁故の深さがうれしくて
源氏物語:05 若紫
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
左大臣はおろか、帝の
后
(
きさき
)
と云ってもよい程の容貌と品威に恵まれた人が、相手もあろうに無能力者の老翁の
伴侶
(
はんりょ
)
となったのである。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
璋子は、人も知る白河法皇の
猶子
(
ゆうし
)
で、祖父法皇のおはからいで、天皇に配された
后
(
きさき
)
であることは、さきに誌した通りである。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
王
(
おう
)
さまは、
戦争
(
せんそう
)
からお
帰
(
かえ
)
りなさると、その
美
(
うつく
)
しいお
后
(
きさき
)
をおもらいになりました。三
国
(
ごく
)
一の
美人
(
びじん
)
ですけれど、まだお
笑
(
わら
)
いになったことがありません。
春の日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
温雅優麗な貴公子を父として、昔ならば
后
(
きさき
)
がねともなり
得
(
う
)
る藤原氏の姫君に、歌人としての才能をもって生れてきた。
柳原燁子(白蓮)
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
▼ もっと見る
これまでに、
女御
(
にょうご
)
、
后
(
きさき
)
の御産の時に大赦が行なわれたことがあったが、今度の御産の時も大赦が先例に従って行なわれ、多くの重罪の者も許された。
現代語訳 平家物語:03 第三巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
するとある日
天羅国
(
てんらこく
)
の
班足王
(
はんそくおう
)
という
王
(
おう
)
さまが
狩
(
か
)
りの
帰
(
かえ
)
りにわたしを
見
(
み
)
つけて、
御殿
(
ごてん
)
に
連
(
つ
)
れ
帰
(
かえ
)
ってお
后
(
きさき
)
になさいました。
殺生石
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
昔の歴史を見ましても
后
(
きさき
)
の方から御離別を申し
出
(
い
)
でられた
例
(
ためし
)
はしばしば御座いますけれど、それが御歴代の御聖徳に影響しているとは思われません。
離婚について
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
クロオジヤスの
后
(
きさき
)
メッサライナ。メッサライナは、アグリパイナの
瞳
(
ひとみ
)
をひとめ見て、これは、あぶない、と思った。烈々の、野望の焔を見てとった。
古典風
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
宮廷には千人の女御、七人の
后
(
きさき
)
が国王に侍していたが、右の女御はその中から選び出されて、みかどの
寵愛
(
ちょうあい
)
を一身に集め、ついに太子を身ごもるに至った。
埋もれた日本:――キリシタン渡来文化前後における日本の思想的情況――
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
しかし、
息子
(
むすこ
)
をなくした
隣人
(
りんじん
)
を何と言って慰めてよいか、知らない。彼は、アダッド・ニラリ王の
后
(
きさき
)
、サンムラマットがどんな
衣装
(
いしょう
)
を好んだかも知っている。
文字禍
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
「そちたちはあの皇子を受け取るときに、必ず母の
后
(
きさき
)
をもひきさらってかえれ。髪でも手でも、つかまりしだいに取りつかまえて、無理にもつれ出して来い」
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
エチオピアの王ヒダスペスは
后
(
きさき
)
ペルシナを
娶
(
めと
)
りて十年の間子無かりしに、十年目に姫君誕生ありし由に候。
アンドレアス・タアマイエルが遺書
(新字旧仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
皇太子はお玉
母娘
(
おやこ
)
を先立てゝやがて
此家
(
このうち
)
に
這入
(
はひ
)
りまして眼の前の不思議に感心をしました、
左様
(
さう
)
して
此
(
この
)
娘が大きくなつたらば自分の
后
(
きさき
)
に貰ひたいと望みました。
金銀の衣裳
(新字旧仮名)
/
夢野久作
(著)
「姉二人は既に、ですよ、既にさる貴族に
嫁
(
か
)
し、妹はかねてフランスの
后
(
きさき
)
になることにきまっていた……」
泣虫小僧
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
その縁起を見るに、歳徳神は南海の
沙竭羅竜王
(
さからりゅうおう
)
の御娘にして天下第一の美人なるゆえに、
牛頭天王
(
ごずてんのう
)
これをうけて
后
(
きさき
)
としたてまつり、八人の王子を産みたまえり。
迷信解
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
また永福門院は西園寺実兼の女、伏見院の
后
(
きさき
)
であるが、式子内親王・俊成卿女などとならんで中世第一流の
彤管
(
とうかん
)
詩人と申すべく、感覚はことにすぐれておられる。
中世の文学伝統
(新字新仮名)
/
風巻景次郎
(著)
新しい王様の市場
(
コンゲンス・ニュウトルフ
)
。
馬像
(
ヘステン
)
の主クリスチャン五世がつくった
広場
(
プラザ
)
。そのむこう側のシャアロッテンボルグ宮殿は五世の
后
(
きさき
)
シャアロット・アメリアの記念。現今は帝室美術館。
踊る地平線:05 白夜幻想曲
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
この
大和
(
やまと
)
のたかさじ
野
(
の
)
を、
七人
(
しちにん
)
通
(
とほ
)
るをとめたち。そのうちの
誰
(
たれ
)
を、お
后
(
きさき
)
になさいますか。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
漢の成帝の
后
(
きさき
)
趙飛燕
(
せうひえん
)
の傳説を、道化の口上から一つ覺えに、八五郎は傳へるのでした。
銭形平次捕物控:210 飛ぶ女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
梵施王象馬歩車の四兵を以て長生王を伐ち戦敗れて
生捕
(
いけど
)
られしを長生王赦して帰国せしめた、暫くして梵施王また兵を起して長生王を伐ち敗り、長生王その
后
(
きさき
)
と深山無人の処に隠れ
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
関白師実の娘といったのは、仙洞にかしずいている養女で、実は妻の
姪
(
めい
)
である。この
后
(
きさき
)
は久しい間病気でいられたのに、厨子王の守本尊を借りて拝むと、すぐに
拭
(
ぬぐ
)
うように
本復
(
ほんぷく
)
せられた。
山椒大夫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
東へ向っていたのをグルリと西へ向き返って見ると、高原の鼻の先にお
内裏雛
(
だいりびな
)
のお
后
(
きさき
)
にそっくりの
衣紋
(
えもん
)
正しい形をしたのが小仏山で、駒木野の関所から通る小仏峠道はその上を通ります。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
朝は王様がお
后
(
きさき
)
と御一緒に表の御殿へおでましになると、その御坐近くの柱に籠がかけられ、夕方お寝間へお下りになると、そのお次の間に籠が置かれます。誠に結構な身の上となりました。
孝行鶉の話
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
(首を振り夢中になり唄う)これは世間の女房の
名寄
(
なよせ
)
。お
后
(
きさき
)
様には
政所
(
まんどころ
)
、北の方には
御台
(
みだい
)
様、奥方ご新造ご内室、おかみさんにはお
内方
(
うちかた
)
、
嬶左衛門内
(
かかあざえもんうち
)
の奴(坐り込む)馬鹿だね、あははははは。
瞼の母
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
真宗崩じて後、其
后
(
きさき
)
の
悪
(
にくし
)
みを受け、
擅
(
ほしいまま
)
に永定陵を改めたるによって罪を
被
(
こうむ
)
り、且つ
宦官
(
かんがん
)
雷允恭
(
らいいんきょう
)
と交通したるを論ぜられ、崖州に
遠謫
(
えんたく
)
せられ、数年にして道州に
徙
(
うつ
)
され、致仕して光州に居りて
卒
(
しゅつ
)
した。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「兄よ、爾の
后
(
きさき
)
は爾と共に踊りを見んとして待っていた。」
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
王女は、よく王様やお母さんの
后
(
きさき
)
に
申
(
もう
)
しましたよ。
巨男の話
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
王の
后
(
きさき
)
マルゲリタは
縹緻
(
きりやう
)
自慢の女だつた。
茶話:08 大正十五(一九二六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
后
(
きさき
)
は禁ぜられた挨拶を内証で聴かれます。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
おほがらの
后
(
きさき
)
メッサリイヌよ
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
皇帝の白衣の
后
(
きさき
)
と
パステルの竜
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
院の皇子方は、父帝がどれほど御
愛寵
(
あいちょう
)
なされたお
后
(
きさき
)
であったかを、現状のお気の毒さに比べて考えては皆暗然としておいでになった。
源氏物語:10 榊
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
「実はその、お
后
(
きさき
)
さまが、夕刻からにわかにご腹痛をお催しあそばしたので、てまえに医師をつれてこいとの仰せに、医師を求めに参りました」
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
どうしたら、
愛
(
あい
)
するお
后
(
きさき
)
が
笑
(
わら
)
ってくれるだろうか?
王
(
おう
)
さまは、
山
(
やま
)
と
宝物
(
ほうもつ
)
をお
后
(
きさき
)
の
前
(
まえ
)
に
積
(
つ
)
まれました。けれど、やはりお
笑
(
わら
)
いにはなりませんでした。
春の日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ある
時
(
とき
)
竜王
(
りゅうおう
)
のお
后
(
きさき
)
が、ふとしたことからたいそう
重
(
おも
)
い
病気
(
びょうき
)
になりました。いろいろに
手
(
て
)
をつくして、
薬
(
くすり
)
という
薬
(
くすり
)
をのんでみましたが、ちっとも
利
(
き
)
きめがありません。
くらげのお使い
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
此奴
(
こいつ
)
が今に美留藻が俺の
后
(
きさき
)
になった事を知ったならば、
嘸
(
さぞ
)
俺を怨む事であろう。成程、これは面白い。赤鸚鵡赤鸚鵡、
何卒
(
どうぞ
)
して
此奴
(
こいつ
)
が死なないように考えて話してくれ。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
異国の医師を自分の屋敷の内に入れることは一門の恥ではなかろうか? 漢の高祖が
淮南
(
わいなん
)
の
黥布
(
げいふ
)
を討ったとき、流れ矢で傷を受けた
后
(
きさき
)
呂太后
(
りょたいこう
)
が良医を迎えて診察させると
現代語訳 平家物語:03 第三巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
女御
(
にょご
)
、
后
(
きさき
)
がねとよばれるきわの女性が、つくし
人
(
びと
)
にさらわれて、遠いあなたの空から、都をしのび、いまは哲学めいた
読
(
よみ
)
ものを好むとあれば、わたしの
儚
(
はかな
)
んだロマンスは上々のもので
柳原燁子(白蓮)
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
散々
(
ちりぢり
)
になって、このあたりの村々で亡くなった、それを神に祭って「
后
(
きさき
)
の
宮
(
みや
)
」と
崇
(
あが
)
めてあること、帝が
崩御
(
ほうぎょ
)
あそばした時、神となって飛ばせ給うところの山を「
天子
(
てんし
)
ヶ
岳
(
たけ
)
」と呼び奉ること
大菩薩峠:08 白根山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
親方の玉川權之助が、頭の上に兩手を突き上げると、そのてのひらの上で、
蝶々
(
てふ/\
)
のやうに踊るんです。——
唐土
(
もろこし
)
の何んとか言ふ殿樣か大名の
后
(
きさき
)
に、
飛燕
(
ひえん
)
といふ美しい女があつたんですつてね。
銭形平次捕物控:210 飛ぶ女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その縁起をたずぬるに、歳徳神は南海の竜王の娘にして、天下第一の美人なるゆえに、
牛頭天王
(
ごずてんのう
)
これをもらい受けて
后
(
きさき
)
とした。その后に八人の王子ができた。この王子を八将軍と申している。
迷信と宗教
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
太祖の崩ぜると、其
后
(
きさき
)
の崩ぜると、天下の情勢に関すること異なりと雖も、母の喪には奔りて従うを得て、父の葬には入りて会するを得ざらしむ。
此
(
これ
)
も亦人を強いて人情に遠きを
為
(
な
)
さしむるものなり。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
『古今集』を全部そらんじた
后
(
きさき
)
もおられるようになってきた。
中世の文学伝統
(新字新仮名)
/
風巻景次郎
(著)
ちっとばかり
先
(
さき
)
になつてゐる、あの
年長者
(
ねんちようしや
)
を、
后
(
きさき
)
にしよう。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
后
(
きさき
)
達の寝室の
清清
(
すがすが
)
しき白と
金色
(
こんじき
)
……
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
お
后
(
きさき
)
さまでも宮女でも
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
后
(
きさき
)
が一人自分から生まれるということに明石の
報
(
しら
)
せが符合することから、
住吉
(
すみよし
)
の神の
庇護
(
ひご
)
によってあの人も后の母になる運命から
源氏物語:14 澪標
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
「また、お内儀もそのかみは、
後宇多院
(
ごうだいん
)
のみ
后
(
きさき
)
、
西華門院
(
せいかもんいん
)
のお内で、
雑仕
(
ぞうし
)
の
卯木
(
うつぎ
)
と仰せありし小女房でおわしたの」
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お
后
(
きさき
)
は、
鐘
(
かね
)
を
鳴
(
な
)
らしただけで、あの
先
(
さき
)
を
争
(
あらそ
)
って
集
(
あつ
)
まった
兵士
(
へいし
)
たちのようすを、もう一
度
(
ど
)
見
(
み
)
たいと
思
(
おも
)
われました。
春の日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“后(
皇后
)”の解説
皇后(こうごう、en: Empress)、王后(おうごう、en: Queen)は、皇帝・天皇・国王の正妃(正妻)、およびその人物に与えられる称号。
一夫多妻制のもとでは、天皇・皇帝・国王の複数の妻のうち最上位の者となる。
(出典:Wikipedia)
后
常用漢字
小6
部首:⼝
6画
“后”を含む語句
皇后
准后
太后
昭憲皇太后
御后
午后
神功皇后
后土
御母后
准三后
后宮
先后
西太后
呂后
皇后宮
大后
則天武后
母后
光明皇后
后町
...