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餘程
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よつぽど
ふりがな文庫
“
餘程
(
よつぽど
)” の例文
新字:
余程
して
行
(
ゆく
)
方
(
はう
)
が
餘程
(
よつぽど
)
能
(
よう
)
御座いますアノ久兵衞さんが
何時
(
いつ
)
もと違つて藤助さんの所へ
行
(
ゆく
)
時
(
とき
)
には
莞爾々々
(
にこ/\
)
して
饅頭
(
まんぢう
)
だの
羊羹
(
やうかん
)
だの又錢だのと
種々
(
いろ/\
)
な物を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
御米
(
およね
)
、
己
(
おれ
)
は
齒
(
は
)
の
性
(
しやう
)
が
餘程
(
よつぽど
)
惡
(
わる
)
いと
見
(
み
)
えるね。
斯
(
か
)
うやると
大抵
(
たいてい
)
動
(
うご
)
くぜ」と
下齒
(
したば
)
を
指
(
ゆび
)
で
動
(
うご
)
かして
見
(
み
)
せた。
御米
(
およね
)
は
笑
(
わら
)
ひながら
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
或
(
あるひ
)
は
俥
(
くるま
)
のはやりはじめの
頃
(
ころ
)
かも
知
(
し
)
れない。
微醉
(
ほろよひ
)
を
春
(
はる
)
の
風
(
かぜ
)
にそよ/\
吹
(
ふ
)
かせて、
身體
(
からだ
)
がスツと
柳
(
やなぎ
)
の
枝
(
えだ
)
で
宙
(
ちう
)
に
靡
(
なび
)
く
心持
(
こゝろもち
)
は、
餘程
(
よつぽど
)
嬉
(
うれ
)
しかつたものと
見
(
み
)
える。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「お前んとこは、おかめちやんを奉公に出したから
餘程
(
よつぽど
)
氣輕になつたぢやねえか。
乳呑
(
ちの
)
み
子
(
ご
)
はなし、お前んとこは、これから樂が出來るばつかりだよ。」
玉の輿
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
『だッて、
私
(
わたし
)
は
先
(
さツ
)
きには
斯麽
(
こんな
)
に
小
(
ちひ
)
さかなかつたんですもの、なかつたんですもの!
眞箇
(
ほんと
)
に
餘程
(
よつぽど
)
酷
(
ひど
)
いわ、さうよ!』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
▼ もっと見る
それを思ふと斯兒は朝晩保護の役目を引受けて呉れた親類の姉さん達や
下婢
(
をんな
)
に
餘程
(
よつぽど
)
御禮を言はねば成りません。
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙)
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「
折角
(
せつかく
)
甘
(
うめ
)
え
酒
(
さけ
)
臺
(
でえ
)
なしにして
可惜物
(
あつたらもん
)
だな、
此
(
こ
)
らこんで
餘程
(
よつぽど
)
えゝ
酒
(
さけ
)
だぞ」
抔
(
など
)
といふ
聲
(
こゑ
)
が
雜然
(
ざつぜん
)
として
聞
(
きこ
)
えた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
貴孃
(
あなた
)
は
齋藤
(
さいとう
)
の
阿關
(
おせき
)
さん、
面目
(
めんもく
)
も
無
(
な
)
い
此樣
(
こん
)
な
姿
(
なり
)
で、
背後
(
うしろ
)
に
目
(
め
)
が
無
(
な
)
ければ
何
(
なん
)
の
氣
(
き
)
もつかずに
居
(
ゐ
)
ました、
夫
(
そ
)
れでも
音聲
(
ものごゑ
)
にも
心
(
こゝろ
)
づくべき
筈
(
はづ
)
なるに、
私
(
わたし
)
は
餘程
(
よつぽど
)
の
鈍
(
どん
)
に
成
(
な
)
りましたと
下
(
した
)
を
向
(
む
)
いて
身
(
み
)
を
恥
(
はぢ
)
れば
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
『チヨツ
煩
(
うるさ
)
い
畜生
(
ちきしやう
)
だね。いくら啼いたつて、もう
宅
(
うち
)
にや米なんざ一粒だつて有りやしないよ。お前よりか、
此方
(
こつち
)
が
餘程
(
よつぽど
)
餒
(
ひもじ
)
いや。』と
呶鳴
(
どな
)
りながら、火鉢と三味線の外、
何
(
なん
)
にもない
上
(
うへ
)
へ上つて行く。
絶望
(旧字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
『今日は
餘程
(
よつぽど
)
道が融けましたねす。』
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
私
(
わし
)
にはこれまで
讀
(
よ
)
んだ
御經
(
おきやう
)
より、
餘程
(
よつぽど
)
難有
(
ありがた
)
くて
涙
(
なみだ
)
が
出
(
で
)
た。まことに
善知識
(
ぜんちしき
)
、そのお
庇
(
かげ
)
で
大
(
おほ
)
きに
悟
(
さと
)
りました。
旅僧
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
が、今は入江の魚が減つて、岩のあたりで釣魚をしたつて、
雜魚
(
ざこ
)
一匹針にはかゝつて來ないらしい。山や海の景色もあの時分は今よりも
餘程
(
よつぽど
)
美しかつたやうに思はれる。
入江のほとり
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
何
(
なん
)
でも
石油
(
せきゆ
)
を
焚
(
た
)
いて、それで
船
(
ふね
)
を
自由
(
じいう
)
にする
器械
(
きかい
)
なんださうですが、
聞
(
き
)
いて
見
(
み
)
ると
餘程
(
よつぽど
)
重寶
(
ちようはう
)
なものらしいんですよ。
夫
(
それ
)
さへ
付
(
つ
)
ければ、
舟
(
ふね
)
を
漕
(
こ
)
ぐ
手間
(
てま
)
が
丸
(
まる
)
で
省
(
はぶ
)
けるとかでね。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかし
悲
(
かな
)
しいことには、
小
(
ちひ
)
さな
戸
(
と
)
は
又
(
また
)
閉
(
しま
)
つてゐて、
小
(
ちひ
)
さな
黄金
(
こがね
)
の
鍵
(
かぎ
)
が
以前
(
もと
)
のやうに
硝子
(
ガラス
)
洋卓
(
テーブル
)
の
上
(
うへ
)
に
載
(
の
)
つてゐました、『
前
(
まへ
)
より
餘程
(
よつぽど
)
不可
(
いけな
)
いわ』と
此
(
この
)
憐
(
あは
)
れな
愛
(
あい
)
ちやんが
思
(
おも
)
ひました
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
何
(
なん
)
でえゝことあるもんか、
家
(
うち
)
へなんざあ
滅多
(
めつた
)
に
來
(
き
)
られやしねえんだぞ、そんで
朝
(
あさ
)
から
晩迄
(
ばんまで
)
みつしら
使
(
つか
)
あれて、それ
處
(
どこ
)
ぢやねえ
病氣
(
びやうき
)
に
成
(
な
)
つたつて
餘程
(
よつぽど
)
でなくつちや
葉書
(
はがき
)
もよこさせやしねえ
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「この男の人は
餘程
(
よつぽど
)
お金持なんでせうね。」と、お梅は夫に繪端書を見せて行つた。
孫だち
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
「
勘次
(
かんじ
)
さん
思
(
おも
)
ひの
外
(
ほか
)
だつけな、まあだあと
餘程
(
よつぽど
)
あんべえか」といつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
まァ
今日
(
けふ
)
は
餘程
(
よつぽど
)
奇妙
(
きめう
)
な
日
(
ひ
)
よ!
昨日
(
きのふ
)
は
何
(
なん
)
の
事
(
こと
)
もなかつたんだのに、
昨夜
(
ゆふべ
)
の
中
(
うち
)
に
私
(
わたし
)
は
何
(
ど
)
うかなつたのかしら?さうねえ、
今朝
(
けさ
)
起
(
お
)
きた
時
(
とき
)
には
何
(
なん
)
ともなかつたかしら?、
何
(
なん
)
だか
氣
(
き
)
が
些
(
ちつ
)
と
變
(
へん
)
なやうでもあるし
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「
出拂
(
ではら
)
つた……
然
(
さ
)
うか。……
餘程
(
よつぽど
)
あるかい。」
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
餘
部首:⾷
16画
程
常用漢字
小5
部首:⽲
12画
“餘”で始まる語句
餘
餘所
餘計
餘波
餘裕
餘念
餘地
餘儀
餘人
餘燼