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露店
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ろてん
ふりがな文庫
“
露店
(
ろてん
)” の例文
ある
停留場
(
ていりゅうじょう
)
のそばには、たくさんの
露店
(
ろてん
)
が
出
(
で
)
ていました。なかには、まごいと、ひごいの
生
(
い
)
きたのをたらいに
入
(
い
)
れて、
売
(
う
)
っていました。
どこかで呼ぶような
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
私は蓮根の天麩羅を食うてしまって、
雁木
(
がんぎ
)
の上の
露店
(
ろてん
)
で、プチプチ
章魚
(
たこ
)
の足を揚げている、揚物屋の
婆
(
ばあ
)
さんの手元を見ていた。
風琴と魚の町
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
見世物、
露店
(
ろてん
)
——
鰐口
(
わにぐち
)
の音がたえず聞こえた。ことに、
手習
(
てなら
)
いが上手になるようにと親がよく子供をつれて行くので、その日は毎年学校が休みになる。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
銀座の通りの、しき石の上には、
露店
(
ろてん
)
がずらりとならんで、京橋と新橋との間の九丁の長い区間をうずめている。
一坪館
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
メリヤス屋の
露店
(
ろてん
)
。シャツやズボン下を
吊
(
つ
)
った下に
婆
(
ばあ
)
さんが一人
行火
(
あんか
)
に当っている。婆さんの前にもメリヤス類。毛糸の編みものも
交
(
まじ
)
っていないことはない。
浅草公園:或シナリオ
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
ましてや夕方近くなると、坂下の
曲角
(
まがりかど
)
に
頬冠
(
ほおかむ
)
りをした
爺
(
おやじ
)
が
露店
(
ろてん
)
を出して魚の骨と
腸
(
はらわた
)
ばかりを並べ、さアさア
鯛
(
たい
)
の
腸
(
わた
)
が安い、鯛の腸が安い、と
皺枯声
(
しわがれごえ
)
で
怒鳴
(
どな
)
る。
監獄署の裏
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
東
(
ひがし
)
の
門
(
もん
)
から
入
(
はひ
)
つて、
露店
(
ろてん
)
と
參詣人
(
さんけいにん
)
との
雜沓
(
ざつたふ
)
する
中
(
なか
)
を、
葵
(
あふひ
)
の
紋
(
もん
)
の
幕
(
まく
)
に
威勢
(
ゐせい
)
を
見
(
み
)
せた
八足門
(
はつそくもん
)
の
前
(
まへ
)
まで
行
(
ゆ
)
くと、
向
(
むか
)
うから
群衆
(
ぐんしう
)
を
押
(
お
)
し
分
(
わ
)
けて、
脊
(
せ
)
の
高
(
たか
)
い
武士
(
ぶし
)
がやつて
來
(
き
)
た。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
石を敷いた
路
(
みち
)
の右側には白いアセチリン
瓦斯
(
ガス
)
の
燈
(
ひ
)
があって、
茹卵
(
ゆでたまご
)
や
落花生
(
らっかせい
)
を売る
露店
(
ろてん
)
が見えていた。瓦斯の燈はその露店の
後
(
うしろ
)
に
垂
(
た
)
れた柳の枝の
嫩葉
(
わかば
)
にかかっていた。
女の首
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
露店
(
ろてん
)
が並んで立ち食いの客を待っている。売っている
品
(
もの
)
は言わずもがなで、食ってる人は大概
船頭
(
せんどう
)
船方
(
ふなかた
)
の
類
(
たぐい
)
にきまっている。
鯛
(
たい
)
や
比良目
(
ひらめ
)
や
海鰻
(
あなご
)
や
章魚
(
たこ
)
が、そこらに投げ出してある。
忘れえぬ人々
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
年とった女の人たちは
戸口
(
とぐち
)
にすわって、
紡車
(
つむぎぐるま
)
をつかわずに、ただ一本の糸まき
竿
(
ざお
)
で、糸をつむいでいました。
商店
(
しょうてん
)
は、ちょうど
露店
(
ろてん
)
のようなぐあいに、通りにむかって開いていました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
其街
(
そこ
)
には商業家がいずれもみな店を張って居りますので、その店の張り方は別段他の国の遣り方と変った事はない。ことに
露店
(
ろてん
)
も道の広いところには沢山あって、それらの売物は大抵日用品のみです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
やはり
戦闘帽
(
せんとうぼう
)
にまきぎゃはんをして、
復員兵
(
ふくいんへい
)
らしく、一つ一つ
露店
(
ろてん
)
をのぞきながら、こちらへ
近
(
ちか
)
づき、おじいさんの
店
(
みせ
)
の
前
(
まえ
)
までくると
新しい町
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
では、新宿の
露店
(
ろてん
)
で、この鞄を店に並べて売っていた店員であろうか。いや、彼でもなさそうである。
鞄らしくない鞄
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
一年ばかりたつた
後
(
のち
)
、彼の詩集は新らしいまま、
銀座
(
ぎんざ
)
の
露店
(
ろてん
)
に並ぶやうになつた。今度は「引ナシ三十銭」だつた。
行人
(
かうじん
)
は時々
紙表紙
(
かみべうし
)
をあけ、巻頭の抒情詩に目を通した。
詩集
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
牡蠣船のある方の岸は車の
立場
(
たてば
)
になっていて柳の下へは車を並べ、その傍には小さな
車夫
(
しゃふ
)
の
溜
(
たまり
)
を
設
(
もう
)
けてあった。車夫小屋と並んで活動写真の客を当て込んで
椎
(
しい
)
の実などを売っている
露店
(
ろてん
)
などもあった。
牡蠣船
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
そのとき、あちらに、
暗
(
くら
)
い
提燈
(
ちょうちん
)
の
火
(
ひ
)
が
見
(
み
)
えたのであります。それは、ちょうど
寺
(
てら
)
の
門前
(
もんぜん
)
であって、まだ
露店
(
ろてん
)
が
出
(
で
)
ているのでした。
幸福のはさみ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
鋪道
(
ほどう
)
には、
露店
(
ろてん
)
の喰べ物店が一杯に出て、しきりに奇妙な売声をはりあげて、客を呼んでいた。
鬼仏洞事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
斜
(
ななめ
)
に見た
標札屋
(
ひょうさつや
)
の
露店
(
ろてん
)
、
天幕
(
てんと
)
の下に並んだ見本は
徳川家康
(
とくがわいえやす
)
、
二宮尊徳
(
にのみやそんとく
)
、
渡辺崋山
(
わたなべかざん
)
、
近藤勇
(
こんどういさみ
)
、
近松門左衛門
(
ちかまつもんざえもん
)
などの名を並べている。こう云う名前もいつの
間
(
ま
)
にか有り来りの名前に変ってしまう。
浅草公園:或シナリオ
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
縁日
(
えんにち
)
であろう両側に
露店
(
ろてん
)
が並んで人の出さかっている
街路
(
とおり
)
へ出た。
女の怪異
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
ある
日
(
ひ
)
のことです。いつものごとく、
露店
(
ろてん
)
にならべられると、かたわらに、
新
(
あたら
)
しくどこからか
売
(
う
)
られてきた、
電気
(
でんき
)
スタンドがありました。
三つのお人形
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
昔ながらの
露店
(
ろてん
)
が、いろいろなこまかいものをならべて、にぎやかに店をひらいていた。
怪星ガン
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
おじさんは、お
約束
(
やくそく
)
をしたように、
東京
(
とうきょう
)
へやってきたのです。そして、
毎晩
(
まいばん
)
のように、
露店
(
ろてん
)
へかにと、
海
(
うみ
)
ほおずきと、
松
(
まつ
)
を
出
(
だ
)
していました。
海へ帰るおじさん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
何でも新宿の専売局跡の
露店
(
ろてん
)
街において、
昼日中
(
ひるひなか
)
のことだが、ゴム靴などを並べて売っている店に一つの赤革の鞄が置いてあったが、この鞄がどうしたはずみか、ゆらゆらと持上って
鞄らしくない鞄
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
二
間
(
けん
)
とは
離
(
はな
)
れぬところへ、
赤
(
あか
)
い
珠
(
たま
)
と、
白
(
しろ
)
い
珠
(
たま
)
と
吹
(
ふ
)
き
上
(
あ
)
げるおもちゃの
噴水
(
ふんすい
)
や、ばね
仕掛
(
じか
)
けのお
相撲
(
すもう
)
の
人形
(
にんぎょう
)
を
売
(
う
)
る、
露店
(
ろてん
)
が
並
(
なら
)
んでいたのでした。
青い草
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
露店
(
ろてん
)
が、
連
(
つら
)
なっていました。その一つには、ヒョットコ、きつね、おかめ、などの
人形
(
にんぎょう
)
がむしろの
上
(
うえ
)
へ
並
(
なら
)
べてありました。
とびよ鳴け
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「この
時計
(
とけい
)
も、あすこの
露店
(
ろてん
)
で
買
(
か
)
ったのだ。スイス
製
(
せい
)
のなかなか
正確
(
せいかく
)
なやつで。」と、おじさんは、
時計
(
とけい
)
をうでからはずして、ぼくたちに
見
(
み
)
せました。
緑色の時計
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
こんなさびしい、
人通
(
ひとどお
)
りのない
晩
(
ばん
)
に、いまごろまで
露店
(
ろてん
)
を
出
(
だ
)
しているなんて
不思議
(
ふしぎ
)
なことだと、
父親
(
ちちおや
)
は
思
(
おも
)
いました。
幸福のはさみ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
不幸
(
ふこう
)
な、この
人形
(
にんぎょう
)
は、それからいろいろのめにあいましたが、その
年
(
とし
)
の
夏
(
なつ
)
の
末
(
すえ
)
の
時分
(
じぶん
)
に、ほかの
古道具
(
ふるどうぐ
)
などといっしょに、
露店
(
ろてん
)
にさらされていました。
三つのお人形
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
冬
(
ふゆ
)
の
寒
(
さむ
)
い
晩
(
ばん
)
のことだった。
露店
(
ろてん
)
の
射的
(
しゃてき
)
に、おかみさんがあかんぼうをだいて、カンテラのそばにすわっていた。
新しい町
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
春風
(
はるかぜ
)
の
吹
(
ふ
)
く、あたたかな
晩
(
ばん
)
がたでした。
弟
(
おとうと
)
は、
S町
(
エスまち
)
の
露店
(
ろてん
)
へ、いっしょにいってくれというのでした。
二人
(
ふたり
)
は、
電車
(
でんしゃ
)
に
乗
(
の
)
って、でかけることになりました。
緑色の時計
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
晩
(
ばん
)
には、お
母
(
かあ
)
さんや、お
父
(
とう
)
さんにつれられて、
二人
(
ふたり
)
は、
町
(
まち
)
へ
散歩
(
さんぽ
)
に
出
(
で
)
て、
露店
(
ろてん
)
を
見
(
み
)
て
歩
(
ある
)
いたのでありました。
海へ帰るおじさん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
正吉
(
しょうきち
)
は、お
寺
(
てら
)
の
門前
(
もんぜん
)
に、ただ一つ
提燈
(
ちょうちん
)
をつけて、
露店
(
ろてん
)
を
出
(
だ
)
している
人
(
ひと
)
があるのを
遠
(
とお
)
くからながめました。
幸福のはさみ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
S町
(
エスまち
)
へつくと、もう
暗
(
くら
)
くなりかけていました。
大通
(
おおどお
)
りには、あかりが、ちかちかとついて、お
祭
(
まつ
)
りでもあるようでした。なるほど、たくさん
露店
(
ろてん
)
が
出
(
で
)
ていました。
緑色の時計
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
しかし、
露店
(
ろてん
)
の
主人
(
しゅじん
)
は、
人形
(
にんぎょう
)
を
大事
(
だいじ
)
にしました。
車
(
くるま
)
に
乗
(
の
)
せて、はこぶ
時分
(
じぶん
)
にも、
手
(
て
)
や、
足
(
あし
)
をいためはしないかと
新聞紙
(
しんぶんし
)
で
巻
(
ま
)
いて、できるだけの
注意
(
ちゅうい
)
をしたのです。
三つのお人形
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
道
(
みち
)
ばたの
露店
(
ろてん
)
は、たいてい
戦災者
(
せんさいしゃ
)
か、
復員
(
ふくいん
)
した
人
(
ひと
)
たちの、
生活
(
せいかつ
)
をいとなむのでありました。
新しい町
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
まだ、あちらへ
露店
(
ろてん
)
がつづいて、いけば、にぎやかなところがあるような
気
(
き
)
がしました。
どこかで呼ぶような
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ある
日
(
ひ
)
のこと、
義夫
(
よしお
)
は、お
母
(
かあ
)
さんにつれられて
町
(
まち
)
へいくと、
露店
(
ろてん
)
が
並
(
なら
)
んでいました。
ある夜の姉と弟
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
しかし、その
日
(
ひ
)
は、
縁日
(
えんにち
)
で、いつもよりかいっそう
露店
(
ろてん
)
も
人出
(
ひとで
)
も
多
(
おお
)
かったのです。
ある夜の姉と弟
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
いつものようにぼくは
坂下
(
さかした
)
の
露店
(
ろてん
)
で
番
(
ばん
)
をしていました。
道の上で見た話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
露
常用漢字
中学
部首:⾬
21画
店
常用漢字
小2
部首:⼴
8画
“露店”で始まる語句
露店商