トップ
>
閉籠
>
とぢこも
ふりがな文庫
“
閉籠
(
とぢこも
)” の例文
餘念
(
よねん
)
もなく
戯
(
たわむ
)
れて
居
(
を
)
るので、
私
(
わたくし
)
は
一人
(
ひとり
)
室内
(
しつない
)
に
閉籠
(
とぢこも
)
つて、
今朝
(
けさ
)
大佐
(
たいさ
)
から
依頼
(
いらい
)
された、
或
(
ある
)
航海學
(
かうかいがく
)
の
本
(
ほん
)
の
飜譯
(
ほんやく
)
にかゝつて
一日
(
いちにち
)
を
暮
(
くら
)
してしまつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
勿論彼は
密送前
(
みつそうまへ
)
から本葬にかゝるまで十
日
(
か
)
の
余
(
よ
)
も、
嫂
(
あによめ
)
の弟に
当
(
あた
)
る人の
家
(
いへ
)
の二
階
(
かい
)
の
離
(
はな
)
れに
閉籠
(
とぢこも
)
つてゐて
叮重
(
ていちやう
)
にされゝばされるほど気が痛んだ。
閾
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
終
(
しまひ
)
には
猫又
(
ねこまた
)
が
化
(
ば
)
けた、
妾
(
めかけ
)
のやうに、
日
(
ひ
)
の
目
(
め
)
を
厭
(
いと
)
うて、
夜
(
よる
)
も
晝
(
ひる
)
も、
戸障子
(
としやうじ
)
雨戸
(
あまど
)
を
閉
(
し
)
めた
上
(
うへ
)
を、二
重
(
ぢう
)
三
重
(
ぢう
)
に
屏風
(
びやうぶ
)
で
圍
(
かこ
)
うて、
一室
(
ひとま
)
どころに
閉籠
(
とぢこも
)
つた
切
(
きり
)
、と
言
(
い
)
ひます……
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
若
(
も
)
し前に述べたやうな大多数の婦人の正直と労力とが仏国
今日
(
こんにち
)
の富を助長して居る事の
大
(
おほ
)
いなのを想ふならば、台所に
許
(
ばか
)
り
閉籠
(
とぢこも
)
つて居る婦人の
然
(
さ
)
まで役立たないことが
解
(
わか
)
るであらう。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
小松殿
逝去
(
せいきよ
)
と聞きては、それも
協
(
かな
)
はず、
御名殘
(
おんなごり
)
今更
(
いまさら
)
に
惜
(
を
)
しまれて、其日は一日
坊
(
ばう
)
に
閉籠
(
とぢこも
)
りて、内府が平生など思ひ出で、
𢌞向三昧
(
ゑかうざんまい
)
に餘念なく、夜に入りては讀經の聲いと
蕭
(
しめ
)
やかなりし。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
▼ もっと見る
懸
(
かけ
)
用人無事に紀州表の
取調
(
とりしら
)
べ
行屆
(
ゆきとゞき
)
候樣
丹誠
(
たんせい
)
を
凝
(
こら
)
し晝は一間に
閉籠
(
とぢこも
)
りて
佛菩薩
(
ぶつぼさつ
)
を
祈念
(
きねん
)
し別しては紀州の
豐川
(
とよかは
)
稻荷
(
いなり
)
大明神
(
だいみやうじん
)
を
遙拜
(
えうはい
)
し晝夜の
信心
(
しんじん
)
少
(
すこ
)
しも
餘念
(
よねん
)
なかりしに
斯
(
かゝ
)
る處へ伊豆守殿より
使者
(
ししや
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
春
(
はる
)
うら/\
蝶
(
てふ
)
と
共
(
とも
)
に
遊
(
あそ
)
ぶや
花
(
はな
)
の
芳野山
(
よしのやま
)
に
玉
(
たま
)
の
巵
(
さかづき
)
を
飛
(
と
)
ばし、
秋
(
あき
)
は
月
(
つき
)
てら/\と
漂
(
たゞよ
)
へる
潮
(
うしほ
)
を
観
(
み
)
て
絵島
(
ゑのしま
)
の
松
(
まつ
)
に
猿
(
さる
)
なきを
怨
(
うら
)
み、
厳冬
(
げんとう
)
には
炬燵
(
こたつ
)
を
奢
(
おごり
)
の
高櫓
(
たかやぐら
)
と
閉籠
(
とぢこも
)
り、
盛夏
(
せいか
)
には
蚊帳
(
かや
)
を
栄耀
(
えいえう
)
の
陣小屋
(
ぢんごや
)
として
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
雲飛
(
うんぴ
)
は石を
奪
(
うば
)
はれて
落膽
(
らくたん
)
し、其後は
家
(
うち
)
に
閉籠
(
とぢこも
)
つて外出しなかつたが、
石
(
いし
)
が
河
(
かは
)
に
落
(
おち
)
て
行衞
(
ゆくへ
)
不明
(
ふめい
)
になつたことを
傳
(
つた
)
へ
聞
(
き
)
き、
或朝
(
あるあさ
)
早
(
はや
)
く家を出で石の
落
(
お
)
ちた
跡
(
あと
)
を
弔
(
とむら
)
ふべく
橋上
(
けうじやう
)
に
立
(
たつ
)
て下を見ると、
河水
(
かすゐ
)
清徹
(
せいてつ
)
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
応接室の側の一間を自分の室と定めて、毎朝授業の始まる前には、必ず其処に
閉籠
(
とぢこも
)
るのが癖。それは一日の事務の
準備
(
したく
)
をする為でもあつたが、又一つには職員
等
(
たち
)
の不平と煙草の
臭気
(
にほひ
)
とを避ける為で。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
かれは船室の中にのみ
閉籠
(
とぢこも
)
つた。
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
そんなこといつてる
隙
(
ひま
)
がなかつたのが、
雨
(
あめ
)
で
閉籠
(
とぢこも
)
つて
淋
(
さみ
)
しいので
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
した
序
(
ついで
)
だから
聞
(
き
)
いたので
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
家とか財産とかがある場合に、人はやつぱりそれの譲受主を決めておかなければならないのであつた。そしてそれを譲りうける人は、早く家庭に
閉籠
(
とぢこも
)
るべき気分を、醸生されてゐた。
町の踊り場
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
私
(
わたくし
)
は
家
(
いへ
)
に
歸
(
かへ
)
り、それより
終日
(
しゆうじつ
)
室内
(
しつない
)
に
閉籠
(
とぢこも
)
つて、
兼
(
かね
)
てより
企
(
くわだ
)
てゝ
居
(
を
)
つた
此
(
この
)
旅行奇譚
(
りよかうきだん
)
の、
今迄
(
いまゝで
)
の
部分
(
ぶゞん
)
の
編輯
(
へんしう
)
に
着手
(
ちやくしゆ
)
して
本書
(
ほんしよ
)
第三回
(
だいさんくわい
)
の「
怪
(
あやし
)
の
船
(
ふね
)
」の
邊
(
へん
)
まで
認
(
したゝ
)
めかけると、
日
(
ひ
)
は
暮
(
く
)
れ、
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
も
稻妻
(
いなづま
)
と
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
其
(
その
)
室
(
しつ
)
は当時
家中
(
かちう
)
に
聞
(
きこ
)
えし美人なりしが、
女心
(
をんなごころ
)
の
思詰
(
おもひつ
)
めて一途に家を明渡すが
口惜
(
くちをし
)
く、
我
(
われ
)
は
永世
(
えいせい
)
此処
(
このところ
)
に
留
(
とゞ
)
まりて、外へは
出
(
い
)
でじと、
其
(
その
)
居間に
閉籠
(
とぢこも
)
り、内より
鎖
(
ぢやう
)
を
下
(
おろ
)
せし
後
(
のち
)
は、
如何
(
いかに
)
かしけむ
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
而
(
しかう
)
して、
而
(
しか
)
してである。
件
(
くだん
)
の
牛切
(
ぎうきり
)
、
朝
(
あさ
)
から
閉籠
(
とぢこも
)
つて、
友達
(
ともだち
)
づきあひも
碌
(
ろく
)
にせぬ。
鑑定
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
閉
常用漢字
小6
部首:⾨
11画
籠
常用漢字
中学
部首:⽵
22画
“閉”で始まる語句
閉
閉口
閉塞
閉切
閉場
閉門
閉鎖
閉込
閉伊
閉出