私共わたしども)” の例文
私共わたしども今日こんにち生活せいかつから茶碗ちやわんつぼなどをなくしてしまつたならば、どれだけ不便ふべんなことであるかは、十分じゆうぶん想像そう/″\出來できるのであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
私共わたしども両人を世に出したいばかりで、非業ひごうな死をさせたのも、わたくしひどく頼んだから心得違いをしたのだろう、あなた何うして人とけだものと見違えました
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
私共わたしどもとほくにはうからまゐるものですから、なか/\言葉ことばおぼえられません、でも、あなたがたが親切しんせつにしてくださるのを、なにより有難ありがたおもひます。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
丁度ちやうど其れと同じく、基督キリストの御誕生日には私共わたしども一同、日本人ばかりでは無い、世界中の人が神様へ御礼を申し上げるのです
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
母樣始めお前方の仕樣の惡さに今の困窮然ば御自分の不始末ふしまつから不自由なさるる事なれば私共わたしどもしる事ではなし今私が構立かまひだて
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
藩で云う元締役もとじめやくを勤めて大阪にある中津藩の倉屋敷くらやしきに長く勤番して居ました。れゆえ家内残らず大阪に引越ひきこして居て、私共わたしどもは皆大阪で生れたのです。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
こん度私共わたしどもの方で出すようになりました、あの家常茶飯かじょうちゃはんの作者のライネル・マリア・リルケというのは、あれは余り評判を聞かない人のようですが、一体どんな人ですか。
うしても私共わたしどもにのらぬやんちやなれば貴君あなたからしかつてくだされ、だい湯呑ゆのみでむはどくでござりましよと告口つげぐちするに、結城ゆふき眞面目まじめになりておりきさけだけはすこしひかへろとの嚴命げんめい
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
そばへ寄つてみると、その美しいこと。乳色の八つ手の葉をひろげたやうな珊瑚虫さんごちうが、べた一面にひろがつて、花の畑を見るやうでした。私共わたしどもが珊瑚といつて珍重するのはこの動物の骨なのです。
動く海底 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
... おじやうさん、私共わたしども女王樣ぢよわうさまのおでになる以前まへに、一生懸命しやうけんめいにそれをつてくんです、それ——』此時このときあだか花園はなぞのむかふを氣遣きづかはしげにながめて五點フアイブが、『女王樣ぢよわうさまが!女王樣ぢよわうさまが!』とさけんだので
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
これが今日こんにちおほくの石器せつき發見はつけんされる理由りゆうひとつでありまして、おかげ私共わたしどもみなさんととも石器せつきさがしにつても、獲物えものがあるわけです。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
『お師匠ししやうさま、孫子まごこつたはることでございますから、どうかまあ私共わたしどもにもささうな苗字めうじを一つおねがまをします。』
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
へえゝ綺麗きれいなもんですなア、私共わたしども家内かないは、時々とき/″\わたし貴方あなたところへお療治れうぢまゐつてるとむかひにた事もありますが、わたし女房にようばうは今のやうなをんなですか。
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
娘が嫁うとした所で松島さん、山木もだ社会党を婿むこに取る程狂気きちがひにはなりませんからな、マア/\御安心の上、一日も早く砲火ひぶたを切つて私共わたしどもまうけさして下ださい
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
私共わたしども一人ひとりのこらずみんあたまねられてしまひます。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
それで、私共わたしどもは、これから西洋せいようやその外國がいこくのものはこれだけにして、日本につぽん石器時代せつきじだいからのふる品物しなものくことにいたしませう。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
へい、今日けふは休みましてござります、きまして差配さはいさん少々せう/\ねがひがあつて出ました。「アヽなんだイ。金「私共わたしども隣家となり源八げんぱち修業しゆげふに出ますばうさんナ。 ...
黄金餅 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
私共わたしどもに取つてたのしみは御座んせんのね、之を思ふと私などはくまア腰がまがつて仕舞はないと感心致しますの——いゝエ、此頃は、もう、ネ、老い込んで仕様しやうがありませんの
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
つぐみといふとりひわといふとりは、なんんでまゐりましても、みんなあみもちかゝつてしまひますが、私共わたしどもにかぎつて軒先のきさきしてくだすつたりをかけさせたりしてくださいます。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
それにまアわたしどもの小牛等こうしなどはらをむしられて、八重縦やへたて文字もんじきずけられて、種疱瘡うゑばうさうをされぬのかれて、かゆい事は一とほりではありません、れに私共わたしども先年せんねん戦争せんさうの時などは
牛車 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)