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提
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ひつさ
ふりがな文庫
“
提
(
ひつさ
)” の例文
大に文字禪を
提
(
ひつさ
)
げ、天晴一小手進上申し度候ところ、どう考へても、筆ボラは舌ボラの妙には
不如
(
しかず
)
、儉約して葉書に相場を卸し申し候。
ごりがん
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
此處
(
こゝ
)
へ
筒袖
(
つゝそで
)
の
片手
(
かたて
)
ゆつたりと
懷
(
ふところ
)
に、
左手
(
ゆんで
)
に
山牛蒡
(
やまごばう
)
を
提
(
ひつさ
)
げて、
頬被
(
ほゝかぶり
)
したる六十ばかりの
親仁
(
おやぢ
)
、ぶらりと
來懸
(
きかゝ
)
るに
路
(
みち
)
を
問
(
と
)
ふことよろしくあり。
城の石垣
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
僕は頭重うして立つ
能
(
あた
)
はず。円月堂、僕の代りに
徹宵
(
てつせう
)
警戒の任に当る。
脇差
(
わきざし
)
を横たへ、
木刀
(
ぼくたう
)
を
提
(
ひつさ
)
げたる状、彼自身
宛然
(
ゑんぜん
)
たる○○○○なり。
大正十二年九月一日の大震に際して
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
かれ身を固めず、ジュダの
試
(
ため
)
せし槍を
提
(
ひつさ
)
げてひとりかしこをいで、これにて突きてフィレンツェの腹を
壞
(
やぶ
)
らむ 七三—七五
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
下島は切られながら刀を拔いたが、伊織に刃向ふかと思ふと、さうでなく、白刃を
提
(
ひつさ
)
げた儘、身を飜して玄關へ逃げた。
ぢいさんばあさん
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
時
(
とき
)
は
夏
(
なつ
)
の
最中
(
もなか
)
自分
(
じぶん
)
はたゞ
畫板
(
ゑばん
)
を
提
(
ひつさ
)
げたといふばかり、
何
(
なに
)
を
書
(
か
)
いて
見
(
み
)
る
氣
(
き
)
にもならん、
獨
(
ひと
)
りぶら/\と
野末
(
のずゑ
)
に
出
(
で
)
た。
曾
(
かつ
)
て
志村
(
しむら
)
と
共
(
とも
)
に
能
(
よ
)
く
寫生
(
しやせい
)
に
出
(
で
)
た
野末
(
のずゑ
)
に。
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
一刀を
提
(
ひつさ
)
げて、寢卷のまゝでやつて來た新三郎。お國の指さす方を見て、これも思はずギヨツとしました。
銭形平次捕物控:006 復讐鬼の姿
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
今川橋
(
いまがはばし
)
の
際
(
きは
)
に
夜明
(
よあか
)
しの
蕎麥掻
(
そばが
)
きを
賣
(
う
)
り
初
(
そめ
)
し
頃
(
ころ
)
の
勢
(
いきほ
)
ひは千
鈞
(
きん
)
の
重
(
おも
)
きを
提
(
ひつさ
)
げて
大海
(
たいかい
)
をも
跳
(
おど
)
り
越
(
こ
)
えつべく、
知
(
し
)
る
限
(
かぎ
)
りの
人
(
ひと
)
舌
(
した
)
を
卷
(
ま
)
いて
驚
(
おどろ
)
くもあれば、
猪武者
(
いのしゝむしや
)
の
向
(
むか
)
ふ
見
(
み
)
ず
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
故郷は之れ邦家なり、多情多思の人の尤も邦家を愛するは何人か之を疑はむ。孤剣
提
(
ひつさ
)
げ来りて
以太利
(
イタリー
)
の義軍に投じ、一命を悪疫に
委
(
ゐ
)
したるバイロン、我れ之を愛す。
富嶽の詩神を思ふ
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
男女の教員が敬之進を
取囲
(
とりま
)
いて、いろ/\言ひ慰めて居る間に、ついと丑松は風呂敷包を
提
(
ひつさ
)
げて出た。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
千人の生命を断たんと
瞋恚
(
じんゐ
)
の刀を
提
(
ひつさ
)
げし
央掘魔
(
あうくつま
)
が
所行
(
ふるまひ
)
にも似たらんことを学ばせらるゝは、一婦の
毒咒
(
どくじゆ
)
に動かされて総持の才を無にせんとせし
阿難陀
(
あなんだ
)
が
過失
(
あやまち
)
にも同じかるべき御迷ひ
二日物語
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
小橋氏は鞄を
提
(
ひつさ
)
げた儘はたと立ち停つた。自分が訪ねて
往
(
ゆ
)
かうとする町の方角が立たなくなつたのだ。で、道通りの人の中から、
精々
(
せい/″\
)
親切さうな、
信神
(
しんじん
)
家らしい男を
見出
(
みだ
)
して呼びかけた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
三藏の父は竹刀を
提
(
ひつさ
)
げて中國九州を武者修行に𢌞つて廢藩後も道場を開いて子弟を教育したといふ武骨一片の老人で、三藏はその老後の子であつたに拘らず家庭の教育は非常に嚴格であつた。
俳諧師
(旧字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
〔譯〕一
燈
(
とう
)
を
提
(
ひつさ
)
げて、
暗夜
(
あんや
)
を行く。暗夜を
憂
(
うれ
)
ふる勿れ、只だ一
燈
(
とう
)
を
頼
(
たの
)
め。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
途中
(
とちう
)
大なる
蝮蛇
(
まむし
)
の路傍に
蜿蜒
(
えん/\
)
たるあり、之を
逐
(
お
)
へば忽ち
叢中
(
さうちう
)
に
隠
(
かく
)
る、警察署の小使某
独
(
ひと
)
り叢中に
分
(
わ
)
け
入
(
い
)
り、
生擒
(
せいきん
)
して右手に
提
(
ひつさ
)
げ
来
(
きた
)
る、衆其
巧
(
たく
)
に
服
(
ふく
)
す、此に於て河岸に出でて火を
焚
(
た
)
き蝮の
皮
(
かわ
)
を
剥
(
は
)
ぎ
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
あのやうな問題を
提
(
ひつさ
)
げて、あのやうな人物と話すといふことは、無論駿介にとつては最初の經驗であつた。一體に彼は人前に出て辯舌をふるふ、といふことを得手とするたちの人間ではなかつた。
続生活の探求
(旧字旧仮名)
/
島木健作
(著)
錯提長劍草爲茵 錯つて長剣を
提
(
ひつさ
)
げ草を茵と為す。
閉戸閑詠
(新字旧仮名)
/
河上肇
(著)
旗野の
主人
(
あるじ
)
は
血刀
(
ちがたな
)
提
(
ひつさ
)
げ、「やをれ
婦人
(
をんな
)
、
疾
(
と
)
く覚めよ」とお村の
肋
(
あばら
)
を
蹴返
(
けかへ
)
せしが、
活
(
くわつ
)
の
法
(
はふ
)
にや
合
(
かな
)
ひけむ、うむと
一声
(
ひとこゑ
)
呼吸
(
いき
)
出
(
い
)
でて、あれと驚き
起返
(
おきかへ
)
る。
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
やはりイブセンやストリントベルクの評論を書く生徒の一人で、専門は確か独法だつたかと思ふが、大学へはいつてからも、よく思想問題を
提
(
ひつさ
)
げては、先生の
許
(
もと
)
に出入した。
手巾
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
一刀を
提
(
ひつさ
)
げて、上り
框
(
かまち
)
にヌツと突つ立つたのは、
青髯
(
あをひげ
)
の跡凄まじい中年の浪人です。
銭形平次捕物控:030 くるひ咲
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
直
(
す
)
ぐチヨークを
買
(
か
)
ひ
整
(
とゝの
)
へ
畫板
(
ぐわばん
)
を
提
(
ひつさ
)
げ
直
(
す
)
ぐ
又
(
また
)
外
(
そと
)
に
飛
(
と
)
び
出
(
だ
)
した。
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
鱗綴
(
うろことぢ
)
の大鎧に
銅
(
あかがね
)
の
矛
(
ほこ
)
を
提
(
ひつさ
)
げて、百万の大軍を
叱陀
(
しつた
)
したにも、劣るまじいと見えたれば、さすが隣国の精兵たちも、しばしがほどは
鳴
(
なり
)
を静めて、出で合うずものもおりなかつた。
きりしとほろ上人伝
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
平次は
脚絆
(
きやはん
)
に
草鞋
(
わらぢ
)
と言つた裝束で、手槍を擔ぎ、子分達はさすがにそれほど大袈裟には用意しませんが、それでもいゝ若い者が、百姓一
揆
(
き
)
見たいに、竹槍まで
提
(
ひつさ
)
げて押し廻したのですから
銭形平次捕物控:014 たぬき囃子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
自分
(
じぶん
)
は
久
(
ひさ
)
しぶりで
畫板
(
ゑばん
)
と
鉛筆
(
えんぴつ
)
を
提
(
ひつさ
)
げて
家
(
いへ
)
を
出
(
で
)
た。
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
二十一、程なく小笠原少斎、紺糸の
具足
(
ぐそく
)
に
小薙刀
(
こなぎなた
)
を
提
(
ひつさ
)
げ、お次迄
御介錯
(
ごかいしやく
)
に参られ候。未だ抜け歯の痛み甚しく候よし、左の頬先
腫
(
は
)
れ上られ、武者ぶりも
聊
(
いささか
)
はかなげに見うけ候。
糸女覚え書
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ガラツ八は鬼の首でも
提
(
ひつさ
)
げたやうな勢で飛んで來ました。
銭形平次捕物控:050 碁敵
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
が、この感服は私にとつて
厳乎
(
げんこ
)
として厳たる事実である。だから私は以上述べた私の経験を
提
(
ひつさ
)
げて、広く我東京日々新聞の読者諸君に龍村さんの芸術へ注目されん事を希望したい。
竜村平蔵氏の芸術
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
提
常用漢字
小5
部首:⼿
12画
“提”を含む語句
提灯
提燈
菩提樹
菩提
小提灯
高張提灯
大提灯
弓張提灯
引提
紅提灯
提琴
鬼灯提灯
手提
手提鞄
岐阜提灯
酸漿提灯
菩提所
提携
前提
箱提灯
...