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掻卷
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かいまき
ふりがな文庫
“
掻卷
(
かいまき
)” の例文
新字:
掻巻
「うんにや、手前が好い心持になつてもぐり込んだといふ、
紅裏
(
べにうら
)
の娘の
掻卷
(
かいまき
)
と、その床が見て置きたかつたんだよ、後學の爲に」
銭形平次捕物控:015 怪伝白い鼠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
時
(
とき
)
に、
毛
(
け
)
一筋
(
ひとすぢ
)
でも
動
(
うご
)
いたら、
其
(
そ
)
の、
枕
(
まくら
)
、
蒲團
(
ふとん
)
、
掻卷
(
かいまき
)
の
朱鷺色
(
ときいろ
)
にも
紛
(
まが
)
ふ
莟
(
つぼみ
)
とも
云
(
い
)
つた
顏
(
かほ
)
の
女
(
をんな
)
は、
芳香
(
はうかう
)
を
放
(
はな
)
つて、
乳房
(
ちぶさ
)
から
蕊
(
しべ
)
を
湧
(
わ
)
かせて、
爛漫
(
らんまん
)
として
咲
(
さ
)
くだらうと
思
(
おも
)
はれた。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
一日
(
いちにち
)
床
(
とこ
)
を
敷
(
し
)
いて
臥
(
ふせ
)
つて
居
(
ゐ
)
た
事
(
こと
)
も
一度
(
いちど
)
や
二度
(
にど
)
では
御座
(
ござ
)
りませぬ、
私
(
わたし
)
は
泣虫
(
なきむし
)
で
御座
(
ござ
)
いますから、その
強情
(
がうじやう
)
の
割合
(
わりあひ
)
に
腑甲斐
(
ふがひ
)
ないほど
掻卷
(
かいまき
)
の
襟
(
えり
)
に
喰
(
くひ
)
ついて
泣
(
な
)
きました、
唯々
(
たゞ/\
)
口惜
(
くや
)
し
涙
(
なみだ
)
なので
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
鏤
(
ちり
)
ばめ
言語
(
ごんご
)
に
絶
(
ぜつ
)
せし
結構
(
けつこう
)
の座敷にて
先
(
まづ
)
唐紙
(
からかみ
)
は金銀の
箔
(
はく
)
張付
(
はりつけ
)
にて中央には
雲間縁
(
うんげんべり
)
の二
疊
(
でふ
)
臺
(
だい
)
を
設
(
まう
)
け其上に
紺純子
(
こんどんす
)
の布團を二ツ
重
(
かさ
)
ね
傍
(
かたは
)
らに同じ夜具が一ツ
唐紗羅紗
(
たうざらさ
)
の
掻卷
(
かいまき
)
一
(
ひと
)
ツあり
疊
(
でふ
)
の左右には
朱塗
(
しゆぬり
)
の
燭臺
(
しよくだい
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
お粂は
掻卷
(
かいまき
)
を抱くやうに、枕に顏を埋めるのでした。首筋が伸びて、
鬢
(
びん
)
から
髱
(
たぼ
)
への、線の美しさ。
生
(
は
)
え際が青くて、桃色の
耳朶
(
みゝたぼ
)
、これはまことに非凡の可愛らしさです。
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
其奴
(
そいつ
)
が、がさ/\と
寢臺
(
ねだい
)
の
下
(
した
)
へ
入
(
はひ
)
つて、
床
(
ゆか
)
の
上
(
うへ
)
をずる/\と
引摺
(
ひきず
)
つたと
見
(
み
)
ると、
婦
(
をんな
)
が
掻卷
(
かいまき
)
から
二
(
に
)
の
腕
(
うで
)
を
白
(
しろ
)
く
拔
(
ぬ
)
いて、
私
(
わたし
)
の
居
(
ゐ
)
る
方
(
はう
)
へぐたりと
投
(
な
)
げた。
寢亂
(
ねみだ
)
れて
乳
(
ちゝ
)
も
見
(
み
)
える。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
扨
(
さて
)
其黄昏
(
そのたそがれ
)
は、
少
(
すこ
)
し
風
(
かぜ
)
の
心持
(
こゝろもち
)
、
私
(
わたし
)
は
熱
(
ねつ
)
が
出
(
で
)
て
惡寒
(
さむけ
)
がしたから
掻卷
(
かいまき
)
にくるまつて、
轉寢
(
うたゝね
)
の
内
(
うち
)
も
心
(
こゝろ
)
が
置
(
お
)
かれる
小説
(
せうせつ
)
の
搜索
(
さうさく
)
をされまいため、
貸本
(
かしほん
)
を
藏
(
かく
)
してある
件
(
くだん
)
の
押入
(
おしいれ
)
に
附着
(
くツつ
)
いて
寢
(
ね
)
た。
怪談女の輪
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「お富の言ふことには、——親分を泊めて上げ度いは山々だが、追ひ出され嫁の賣り喰ひ嫁の空つ尻嫁では、布團も枕も
掻卷
(
かいまき
)
もない、——とさめ/″\と泣くぢやありませんか」
銭形平次捕物控:222 乗合舟
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
其
(
それ
)
を
片手
(
かたて
)
で
祕
(
かく
)
したけれども、
足
(
あし
)
のあたりを
震
(
ふる
)
はすと、あゝ、と
云
(
い
)
つて
其
(
そ
)
の
手
(
て
)
も
兩方
(
りやうはう
)
、
空
(
くう
)
を
掴
(
つか
)
むと
裙
(
すそ
)
を
上
(
あ
)
げて、
弓形
(
ゆみなり
)
に
身
(
み
)
を
反
(
そ
)
らして、
掻卷
(
かいまき
)
を
蹴
(
け
)
て、
轉
(
ころ
)
がるやうに
衾
(
ふすま
)
を
拔
(
ぬ
)
けた。……
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
紅い
掻卷
(
かいまき
)
の裏が、妙に惱ましく眼について、八五郎も暫くはモジモジして居りましたが、
半刻
(
はんとき
)
ばかり後には、恐ろしい
睡氣
(
ねむけ
)
と、初夏の薄寒さにこらへ兼ねて、お染に言はれた通り
銭形平次捕物控:015 怪伝白い鼠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
……
朝餉
(
あさげ
)
を
濟
(
す
)
ますと、
立處
(
たちどころ
)
に
床
(
とこ
)
を
取直
(
とりなほ
)
して、
勿體
(
もつたい
)
ない
小春
(
こはる
)
のお
天氣
(
てんき
)
に、
水
(
みづ
)
を
二階
(
にかい
)
まで
輝
(
かゞや
)
かす
日當
(
ひあた
)
りのまぶしさに、
硝子戸
(
がらすど
)
と
障子
(
しやうじ
)
をしめて、
長々
(
なが/\
)
と
掻卷
(
かいまき
)
した、これ
此
(
こ
)
の
安湯治客
(
やすたうぢきやく
)
、
得意
(
とくい
)
の
處
(
ところ
)
。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
股
(
もゝ
)
や
裾
(
すそ
)
は、母親の手で僅かに隱されましたが、床を敷いて
掻卷
(
かいまき
)
を引つ掛けて休んでゐるところをやられたらしく、
斑々
(
はん/\
)
たる上半身を起して見ると、首から顏へかけて、突き傷が三四ヶ所
銭形平次捕物控:236 夕立の女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「それには俺も首を
捻
(
ひね
)
つたが、
生爪
(
なまづめ
)
が痛んでるのを見て解つたよ。あれは、お前が飛出した後へそつと入つた六兵衞が、
掻卷
(
かいまき
)
へ包んだまゝ、目を廻した子供を佛壇の下の
抽斗
(
ひきだし
)
の奧へ入れたんだ」
銭形平次捕物控:015 怪伝白い鼠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お
星樣
(
ほしさま
)
一
(
ひと
)
ツ
見
(
み
)
えないほど、
掻卷
(
かいまき
)
を
引被
(
ひつかぶ
)
つて、
眞暗
(
まつくら
)
に
成
(
な
)
つて
行
(
い
)
つたんです。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
花色絹の裏も
褪
(
あ
)
せて、
掻卷
(
かいまき
)
の友禪も淺ましくなつて居りますが、それを着て居るお縫の丹精らしく、
繕
(
つくろ
)
ひも行屆き、折目も正しく、血潮の汚れはあるにしても、取亂した樣子は少しもありません。
銭形平次捕物控:187 二人娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
寢床
(
ねどこ
)
の
上
(
うへ
)
に
坐
(
すわ
)
つた
膝
(
ひざ
)
に
掻卷
(
かいまき
)
を
懸
(
か
)
けて
居
(
ゐ
)
る。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
掻
漢検準1級
部首:⼿
11画
卷
部首:⼙
8画
“掻”で始まる語句
掻
掻巻
掻込
掻合
掻廻
掻消
掻口説
掻取
掻分
掻乱