山田やまだ)” の例文
おそかなおのれより三歳みつわか山田やまだすで竪琴草子たてごとざうしなる一篇いつぺんつゞつて、とうからあたへつ者であつたのは奈何どうです、さうふ物を書いたから
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
けると、多勢おほぜい通學生つうがくせいをつかまへて、山田やまだその吹聽ふいちやうといつたらない。ぬえいけ行水ぎやうずゐ使つかつたほどに、こと大袈裟おほげさ立到たちいたる。
怪談女の輪 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
あんたのおうちの人からたのまれたんだが、おかあさんが、道でけがをされて、近くの山田やまだ病院へかつぎこまれている。
怪人と少年探偵 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「ずるいやい。」と、さけんで、山田やまだが、それをうばかえそうとしました。ちょうど、昨日きのうまさちゃんが、あにいさむちゃんにかってやったとおなじことです。
政ちゃんと赤いりんご (新字新仮名) / 小川未明(著)
けれどもここの旧家山田やまだ氏というのは、堂々たる邸宅を構え、白壁の長屋門、黒塗りの土蔵、遠くから望むと、さながら城廓じょうかくの如くに見えるのであった。
丹那山の怪 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
奧田が組下くみした山田やまだ軍平ぐんぺいと云者喜八がかたちを見てあやし曲者くせものまてと聲を掛ながら既にとらへんと喜八の袖をおさへしにぞ喜八は一しやう懸命けんめいと彼の出刄庖丁にて軍平が捕へたる片袖かたそで
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
つぎが、長野ながの山田やまだ、藤堂氏の領上野、島ヶ原、大川原と、夜は夜で肩をかえ、江戸発足以来一ぱくもしないで、やがて、柳生の里は、柳生対馬守御陣屋ごじんや、江戸から百十三里です。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
へえゝ……種々いろんものりますな、此間このあひだ山田やまださんのぼつちやんがつていらしつたのをわたしにぎつたら、玩具おもちやだとおつしやいましたが、成程なるほどさま/″\のものりますよ、此方こつち玩具おもちや……彼方あつち玩具おもちや
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
僕はこの「繁昌記はんじやうき」の中に一々そんな記憶を加へるつもりはない。けれども唯一人ひとりこの機会にスケツチしておきたいのは山田やまだ先生である。山田先生は第三中学校の剣道部と云ふものの先生だつた。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
山田やまだ君と君川きみかわ君という大学生が、やはり三角岳をこころざして登っていった。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
こもや、山田やまだ乳媼ちおも
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
山田やまだ案山子かかし
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かつ面白おもしろ人物じんぶつであるから交際かうさいして見給みたまへとふのでありました、これからわたしまた山田やまだ石橋いしばしとを引合ひきあはせて、桃園とうゑんむすんだかたちです
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
じゆく山田やまだは、つて、教場けうぢやうにも二階にかいにもたれらず、物音ものおともしなかつた。枕頭まくらもとへ……ばたばたといふ跫音あしおと、ものの近寄ちかよ氣勢けはひがする。
怪談女の輪 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
小野おのが、教壇きょうだんうえたされて、あたまをかいていると、おんな尾沢先生おざわせんせいが、山田やまだをつれて教室きょうしつにはいってこられました。
政ちゃんと赤いりんご (新字新仮名) / 小川未明(著)
山田やまだ元来ぐわんらい閉戸主義へいこしゆぎであつたから、からだかう雑務ざつむ鞅掌わうしやうするのをゆるさぬので、おのづからとほざかるやうにつたのであります
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
南無三なむさん膝を立直たてなほし、立ちもやらず坐りも果てで、たましひ宙に浮くところに、沈んで聞こゆる婦人の声、「山田やまだ山田」と我が名を呼ぶ、哬呀あなやかうべ掉傾ふりかたむ
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「もう、きっとをつけるね。じや、尾沢先生おざわせんせいに、おれいもうしなさい。」と、先生せんせいは、山田やまだにいわれました。
政ちゃんと赤いりんご (新字新仮名) / 小川未明(著)
る、かぜなくしてそのもみぢかげゆるのは、棚田たなだ山田やまだ小田をだ彼方此方あちこちきぬたぬののなごりををしんで徜徉さまよさまに、たゝまれもせず、なびきもてないで、ちからなげに
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そして、なお残念ざんねんおもわれたのは、あの遠足えんそく山田やまだがついにこなかったことでありました。
少年の日二景 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おい山田やまだりてい、と二階にかい大聲おほごゑぶと、ワツといひさま、けたゝましく、石垣いしがきくづれるやうにがたびしとりて、わたし部屋へや一所いつしよになつた。いづれも一言ひとこともなし。
怪談女の輪 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
山田やまだって、いいなんだよ。」と、りょうちゃんは、こたえました。
少年の日二景 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「きょう山田やまだにあったよ。」といいました。
少年の日二景 (新字新仮名) / 小川未明(著)