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勝
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まさ
ふりがな文庫
“
勝
(
まさ
)” の例文
右はいずれも、人生の智徳を発達せしめ退歩せしめ、また変化せしむるの原因にして、その力はかえって学校の教育に
勝
(
まさ
)
るものなり。
徳育如何
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
新の
相貌
(
そうぼう
)
はかくのごとく威儀あるものにあらざるなり。渠は千の新を合わせて、なおかつ
勝
(
まさ
)
ること千の新なるべき異常の
面魂
(
つらだましい
)
なりき。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
故に荷を負うの巧馬に
勝
(
まさ
)
る。古ギリシアまた殊にローマ人、これを車に牽かせ荷を負わすに用いたが、近世大いに
輜重
(
しちょう
)
の方に使わる。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
「どうぞ
先手
(
せんて
)
の端にお加え下さい。そして父に代って、父に
勝
(
まさ
)
るてがらを立てなければ、父も九泉の下で浮かばれまいと思われます」
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
自
(
みづから
)
にても容されたのは、
誰
(
たれ
)
にも容されんのには
勝
(
まさ
)
つてをる。又自ら容さるるのは、終には人に容さるるそれが始ぢやらうと
謂
(
い
)
ふもの。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
▼ もっと見る
梵音海潮音
(
ぼんおんかいちょうおん
)
はかの世間の声に
勝
(
まさ
)
れりという響が、耳もとに高鳴りして来たものですから、その余の声を聞いている
遑
(
いとま
)
がありません。
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
画に彩色あるは彩色なきより
勝
(
まさ
)
れり。
墨画
(
すみえ
)
ども多き画帖の中に彩色のはつきりしたる画を見出したらんは
万緑叢中
(
ばんりょくそうちゅう
)
紅一点
(
こういってん
)
の趣あり。
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
こういう女に多少の学問と独立出来る職業を与えたら、虚栄に
憧
(
あこ
)
がれる今の女学校出の奥さんよりは遥に
勝
(
まさ
)
った立派な女が出来る
二葉亭余談
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
もうどこをさして往って見ようと云う所もないので、只
已
(
や
)
むに
勝
(
まさ
)
る位の考で、神仏の加護を念じながら、日ごとに市中を
徘徊
(
はいかい
)
していた。
護持院原の敵討
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
基督もし大政治家たりしならば
如何
(
いかん
)
、彼はシーザルに
勝
(
まさ
)
りシャーレマンに勝り、時の
羅馬
(
ろま
)
帝国を一統し、奴隷を廃し、税則を定め
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
発句
(
ほつく
)
は十七音を原則としてゐる。十七音以外のものを発句と呼ぶのは、——或は新傾向の句と呼ぶのは短詩と呼ぶのの
勝
(
まさ
)
れるに
若
(
し
)
かない。
発句私見
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
門野の様な愛し方こそ、すべての男の、いいえ、どの男にも
勝
(
まさ
)
った愛し方に相違ないと、長い間信じ切っていたのでございます。
人でなしの恋
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
未亡人は殺された夫に
勝
(
まさ
)
るしっかり者で、そのときまだ幼かった一人の男の子を抱きあげて、河内軍曹への
復讐
(
ふくしゅう
)
を誓ったのです。
爬虫館事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ただ感じの複雑なところは、あるいは
勝
(
まさ
)
っているかも知れぬ。「飛咲」という耳慣れぬような言葉も、この場合相当な効果を収めている。
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
青い麦の香を
嗅
(
か
)
ぐようなバアンズの接吻の歌も、自分の国の評判な
俳優
(
やくしゃ
)
が見せてくれる
濡幕
(
ぬれまく
)
にも
勝
(
まさ
)
って一層身に近い親しみを覚えさせた。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
凡そ
外國
(
とつくに
)
の人などの此境を來り訪ふものは、これをその曾て見し所の景に比べて、
或
(
ある
)
は
勝
(
まさ
)
れりとし或は劣れりともするなるべし。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
乞
(
こ
)
うて其上に山田と計て死骸をば
泣々
(
なき/\
)
寺へ
葬
(
はうむ
)
りけり
不題
(
こゝにまた
)
其頃の北町奉行は大岡越前守
忠相
(
たゞすけ
)
というて
英敏
(
えいびん
)
活斷
(
くわつだん
)
他人
(
ひと
)
に
勝
(
まさ
)
り善惡
邪正
(
じやせい
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
何處
(
どこ
)
を搜しても、チエスタ孃に
勝
(
まさ
)
る人はないと考へたのであつた、彼女は彼女が讀みながら泣いてゐた手紙を、『エイブラム師』に見せた。
水車のある教会
(旧字旧仮名)
/
オー・ヘンリー
(著)
吾輩は猫として決して上乗の出来ではない。背といい毛並といい顔の造作といいあえて他の猫に
勝
(
まさ
)
るとは決して思っておらん。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
シャビエルが云ったように、日本人は、文化や風俗習慣に関しては、多くの点において、スペイン人よりも遙かに
勝
(
まさ
)
っている。
鎖国:日本の悲劇
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
それを味わうほどの雅量と想像力がなかったら、レコード道楽などは止すことだ。レコードはどんなによく入っても実演に
勝
(
まさ
)
る道理はない。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
湖山はこの行を送って、「莫道羊腸行路険。也勝百折世途難。」〔
道
(
い
)
フ莫カレ羊腸ノ行路険シク/
也
(
また
)
勝
(
まさ
)
ル百折ノ世途ノ
難
(
かた
)
キニト〕と言った。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
しかして近来、文化ますます進むにしたがい、自家において子女を教育する、はるかに学校に
勝
(
まさ
)
れりとの説ますます
盛
(
さかん
)
なり。
教育談
(新字新仮名)
/
箕作秋坪
(著)
僕が「大観」の一月号に書いた表現主義の芸術に対する感想の方が暗示の点からいうと、あるいは少し立ち
勝
(
まさ
)
っていはしないかと思っている。
片信
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
六条院の諸夫人も皆それぞれの好みで姫君の
衣裳
(
いしょう
)
に女房用の櫛や扇までも多く添えて贈った。劣り
勝
(
まさ
)
りもない品々であった。
源氏物語:29 行幸
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
唐土
(
もろこし
)
には此火を
火井
(
くわせい
)
とて、
博物志
(
はくぶつし
)
或
(
あるひ
)
は
瑯瑘代酔
(
らうやたいすゐ
)
に見えたる
雲台山
(
うんたいさん
)
の火井も此地獄谷の火のごとくなれども、事の
洪大
(
こうだい
)
なるは此谷の火に
勝
(
まさ
)
らず。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
そして要するに、ルイ十五世はクラウディウス皇帝より悪いとしても、デュ・バリー夫人はメッサリナよりも
勝
(
まさ
)
っている。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
そこでアメノウズメの命が、「あなた樣に
勝
(
まさ
)
つて尊い神樣がおいでになりますので樂しく遊んでおります」と申しました。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
かつてある学者の
言
(
げん
)
に男子の
脳髄
(
のうずい
)
は
帰納的
(
きのうてき
)
なるも、女子は
演繹的
(
えんえきてき
)
なりとあったが、女子は感情が
勝
(
まさ
)
っているから冷静に事物に接することが
難
(
かた
)
い。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
彼は、生え伸びた髪を無造作に
藁
(
わら
)
で束ねた。六尺豊かの身体は、鬼のような土人と比べてさえ、
一際
(
ひときわ
)
立ち
勝
(
まさ
)
って見えた。
俊寛
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
江戸にて
此塔
(
これ
)
に
勝
(
まさ
)
るものなし、ことさら塵土に埋もれて光も放たず終るべかりし男を拾いあげられて、心の
宝珠
(
たま
)
の輝きを世に
発出
(
いだ
)
されし師の美徳
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
意味も分らぬ言葉を
弄
(
もてあそ
)
んで、いや、言葉に
弄
(
もてあそ
)
ばれて、
可惜
(
あたら
)
浮世を夢にして渡った。詩人と名が附きゃ、皆普通の人より
勝
(
まさ
)
ってるように思っていた。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
私は芸術上の述作を読む場合にも芸術的趣味の
勝
(
まさ
)
ったものよりは生活的実感の勝ったものを余計に好むようになった。
鏡心灯語 抄
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
元木に
勝
(
まさ
)
るうら木なしという
諺
(
ことわざ
)
を話して聞かせ、誰も何もいわんことにしてしばらく休んだら戻ってきてくれとやさしい声を出して帰っていったが
暦
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
こう思うと自分がどれだけ
花前
(
はなまえ
)
に
勝
(
まさ
)
っているか、いよいよわからなくなる。むしろどうか一
度
(
ど
)
でもよいから花前のような生活がしてみたくなってくる。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
美に色々あろうとも、健康に
勝
(
まさ
)
る美はあり得ない。なぜなら健康は常態だからである。最も自然な姿だからである。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
子胎内に
舎
(
やど
)
れば、母は言語
立居
(
たちい
)
より
給
(
た
)
べものなどに至るまで万事心を用い、正しからぬ事なきようにすれば、生れる子形体正しく器量人に
勝
(
まさ
)
るとなり。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
幾先云ふ、只だ是れ君が記得熟す、故に五月を以て
勝
(
まさ
)
れりと為すも、実は然らず、
止
(
た
)
だ六月と云ふも亦た豈に佳ならざらんや、と。(老学庵筆記、巻二)
放翁鑑賞:07 その七 ――放翁詩話三十章――
(新字旧仮名)
/
河上肇
(著)
そんな立ち
勝
(
まさ
)
った
量見
(
りょうけん
)
からばかりで、あの子を
巴里
(
パリ
)
へ置いときませんって、——巴里は私達親子三人の恋人です。
かの女の朝
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
年を経るにしたがって彼女は益〻美しくなり、自ら品位も立ち
勝
(
まさ
)
り、いかなる男も彼女の前では
抗
(
あらが
)
い難く思われるほどの、強い魅力を持つようになった。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
多田院
(
ただのゐん
)
は
日光
(
につくわう
)
に
次
(
つ
)
ぐ
徳川家
(
とくがはけ
)
の
靈廟
(
れいべう
)
で、
源氏
(
げんじ
)
の
祖先
(
そせん
)
が
祀
(
まつ
)
つてあるから、
僅
(
わづ
)
か五
百石
(
ひやくこく
)
の
御朱印地
(
ごしゆいんち
)
でも、
大名
(
だいみやう
)
に
勝
(
まさ
)
る
威勢
(
ゐせい
)
があるから
天滿與力
(
てんまよりき
)
も
幅
(
はゞ
)
が
利
(
き
)
かなかつた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
一時一処の国民性を
擺脱
(
はいだつ
)
せよと要求するの(其の要求の当否は別論として)之れを描けと要求するの殆ど無意味なる
勝
(
まさ
)
りて新意味あるを認めずばあらざる
也
(
なり
)
。
国民性と文学
(新字旧仮名)
/
綱島梁川
(著)
山の端も、雲も何もない方に、目を凝して、何時までも端坐して居た。郎女の心は、其時から愈々澄んだ。併し、極めて寂しくなり
勝
(
まさ
)
って行くばかりである。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
或は一個人が己自身を
潔
(
いさぎよ
)
うする一人の善行よりも、たとい純粋なる善動機より出でずとするも、多数の人を利する行為の方が
勝
(
まさ
)
っているというのでもあろう。
善の研究
(新字新仮名)
/
西田幾多郎
(著)
もう三、四年も前にちょっと耳にせぬでもなかったが、たといいかなる深い男があっても、自分のこの
真情
(
まごころ
)
に
勝
(
まさ
)
る真情を女に
捧
(
ささ
)
げている者は一人もありはせぬ。
霜凍る宵
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
手前が金を拵え国へ帰り、一旦絶えた親の家を相続し、親より
勝
(
まさ
)
って立派に家を立てろよ、身を立て道を行い、名を後世に揚げて父母を
顕
(
あら
)
わすくらいのことは
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
第六
其
(
その
)
質ノ軽キ
毳
(
にこげ
)
ニ
勝
(
まさ
)
ル 故ニ冬時ノ
蔬穀
(
そこく
)
ノ
裊脆
(
じょうぜい
)
ナルヲ損セズ 却テ之ヲ擁包シテ寒ニ
傷
(
やぶ
)
ラルルヲ防グ
雪
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
そしてキク科植物は、他のいずれの科のものよりも
勝
(
まさ
)
ってたくさんな種類を含み、はなはだ優勢である。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
旅や隠者や遊里の生活にも
勝
(
まさ
)
るものがあったろうと思うが、それにしたところでその情景を
予
(
かね
)
て心に貯えて、毎度程よき場合にこれを出して使ったということは
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
私は日本の看護婦のトレーニングにつきましては、どんなか少しも知りませんが、米国のトレーニング、スクールは、たしかに日本よりは
勝
(
まさ
)
って居ると思います。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
勝
常用漢字
小3
部首:⼒
12画
“勝”を含む語句
勝負
勝手
殊勝
打勝
勝利
景勝
勝田
遠慮勝
自分勝手
御勝手
勝手口
勝敗
勝山
厭勝
大勝利
勝者
入勝橋
有勝
勝手元
勝手許
...