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何遍
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なんべん
ふりがな文庫
“
何遍
(
なんべん
)” の例文
といって、
何遍
(
なんべん
)
も
何遍
(
なんべん
)
も
藤太
(
とうだ
)
にお
礼
(
れい
)
をいいました。そしてたくさんごちそうをして、
女
(
おんな
)
たちに
歌
(
うた
)
を
歌
(
うた
)
わせたり
舞
(
まい
)
を
舞
(
ま
)
わせたりしました。
田原藤太
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
そうして事が済んだ後で、いつまでも、馬鹿にされたのだ、馬鹿にされたんじゃなかろうかと、
何遍
(
なんべん
)
も心のうちで繰り返すのです。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
『
私
(
わたし
)
——
私
(
わたし
)
は
小
(
ちひ
)
さな
娘
(
むすめ
)
よ』と
云
(
い
)
つて
愛
(
あい
)
ちやんは、一
日
(
にち
)
の
中
(
うち
)
に
何遍
(
なんべん
)
も
變化
(
へんくわ
)
したことを
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
して、
些
(
や
)
や
顧慮
(
うしろめた
)
いやうな
氣
(
き
)
がしました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
『
何遍
(
なんべん
)
いたしましても、
同
(
おな
)
じことでござります。』と、
玄竹
(
げんちく
)
はこの
潔癖
(
けつぺき
)
な
殿樣
(
とのさま
)
の
相手
(
あひて
)
をしてゐるのが、
少
(
すこ
)
し
迷惑
(
めいわく
)
になつて
來
(
き
)
た。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
「
何遍
(
なんべん
)
聞いても、分りそうもないわい。
結着
(
けっちゃく
)
のところ、やがて人類はどんな風な暮し方をするかということなのじゃろう」
今昔ばなし抱合兵団:――金博士シリーズ・4――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
そこいらをオドオド見まわしては新らしいラムプの光りと、娘の膨れた腹とを、さも恨めしげに
何遍
(
なんべん
)
も何遍も見比べた。
いなか、の、じけん
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
(そういう事なら、ぜひ共、主人もお加えくださいませ。とかく
良人
(
たく
)
は引っ込み
思案
(
じあん
)
で、今日迄にも
何遍
(
なんべん
)
、仕官の口を
外
(
はず
)
して居りますことやら——)
死んだ千鳥
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それがおかしいので
何遍
(
なんべん
)
も何遍も、同じ歌ばかりをくり返していたけれども、大阪でも東京でも、そのあとに添えて
こども風土記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
『
冬彦集
(
ふゆひこしゅう
)
』の
鼠
(
ねずみ
)
と猫の中に、誰にも嫌われた或る猫の
下性
(
げしょう
)
を直すために、土を入れた菓子折を作って、「
何遍
(
なんべん
)
となく
其処
(
そこ
)
へ連れて行っては土の香を
嗅
(
か
)
がして」
指導者としての寺田先生
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
稽古してもらっていると「
守
(
まも
)
り
袋
(
ぶくろ
)
は遺品ぞと」というくだりがどうしても
巧
(
うま
)
く語れない
遣
(
や
)
り直し遣り直して
何遍
(
なんべん
)
繰り返してもよいと云ってくれない師匠団平は
蚊帳
(
かや
)
を
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
その
瞳
(
ひとみ
)
には、むしろ敵意さえ感じられました。ちょッと
縄
(
なわ
)
を
緩
(
ゆる
)
めてからパッと引くと訳ないのですが、それをやると、ひどく皆から
怒
(
おこ
)
られ、
何遍
(
なんべん
)
でも
遣
(
や
)
りなおしです。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
「
何遍
(
なんべん
)
でもいふよ、お靜さんのあのポーツとしたところを親分が氣に入つたんだ、さういつちや濟まねえが、お町のやうにピンシヤンしてちや、親分の氣に入るわけはねえ」
銭形平次捕物控:024 平次女難
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
例の
野薔薇
(
のばら
)
の
莟
(
つぼみ
)
の大きさや数を調べながら、あのサナトリウムの裏の
生墻
(
いけがき
)
の前は
何遍
(
なんべん
)
も行ったり来たりしたけれど、その方にばかり気を
奪
(
と
)
られていた私は、其処から先きの
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
私は外出する時いつも、今日は
何遍
(
なんべん
)
靴を脱ぐかあらかじめ考えて、靴下もそれに応じて履いてゆく。今日の都会生活は不経済でも二重生活をしてゆかなければならないのである。
独居雑感
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
銀色
(
ぎんいろ
)
のマントをきらきら
波立
(
なみだ
)
てて
野原
(
のはら
)
を見まわったり、ホモイはうれしさに
何遍
(
なんべん
)
も
貝の火
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「おとつゝあ、
何遍
(
なんべん
)
も
云
(
ゆ
)
つたんだわ」
卯平
(
うへい
)
は
又
(
また
)
煙管
(
きせる
)
を
噛
(
か
)
んで
手
(
て
)
が
少
(
すこ
)
し
顫
(
ふる
)
へた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
晃
(
あきら
)
兄
(
にい
)
さんの様に成つては仕様が無いわね、阿母さんの
衣服
(
きもの
)
や
頭
(
あたま
)
の物を
何遍
(
なんべん
)
も持出して売飛ばしては、唯もう立派な
身装
(
みなり
)
をする。こんな阿父さんも御着に成らん様な
衣類
(
きるゐ
)
や、靴や時計を買つてさ。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
何遍
(
なんべん
)
言うてもあの女でない女房は生涯持ちませぬとの熱心に、物固い親類さへ折り合ひて、小花を嫁に取引先なる、木綿問屋の三谷が
媒
(
なかだち
)
したとか、兼吉はまたけふが日まで、
河岸
(
かし
)
を変へての
浮気勤
(
うわきづとめ
)
そめちがへ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「巌か、
何遍
(
なんべん
)
床屋
(
とこや
)
へゆくんだ、いくら頭をかっても利口にならんぞ」
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
おれが死んだら、おれが死んだらって、まあ
何遍
(
なんべん
)
おっしゃるの。
後生
(
ごしょう
)
だからもう
好
(
い
)
い加減にして、おれが死んだらは
止
(
よ
)
して
頂戴
(
ちょうだい
)
。
縁喜
(
えんぎ
)
でもない。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「なるほど
突飛
(
とっぴ
)
すぎる程の事件だが、僕はこの家を前から
何遍
(
なんべん
)
も見て通った
時毎
(
ときごと
)
に、なんだか変なことの起りそうな
邸
(
やしき
)
じゃという気がしていたんだ」
崩れる鬼影
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ホコリ臭くて息が詰りそうで、
何遍
(
なんべん
)
も何遍も
咳
(
せき
)
が出そうになるのをジッと我慢しているのがホントに苦しかったわ。
支那米の袋
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
何遍
(
なんべん
)
となく時鳥の作った沓を
借倒
(
かりたお
)
して、その代銭を払うのを怠ったために今以て百舌は蛙その他の虫類を取って来て、これを樹の枝に串刺にして置いて忘れる。
野草雑記・野鳥雑記:02 野鳥雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
一度作って封じてしまう場合は話は
比較的
(
ひかくてき
)
楽であるが、研究の場合は
何遍
(
なんべん
)
でも装置を作りかえて
実験室の記憶
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
何遍
(
なんべん
)
か崩折れて、やつと立上がつた老主人清右衞門は、
辛
(
から
)
くも娘の部屋に轉げ込みました。
銭形平次捕物控:301 宝掘りの夜
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
初めは、昔なつかしい戦場の友を
偲
(
しの
)
んで、微笑をたたえてこれに向っていたが、ふと、
苦
(
にが
)
いものでも噛みつぶしたように唇をむすんでしまうと、同じ所を
何遍
(
なんべん
)
もくりかえしつつ
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
酷
(
ひ
)
でえ
阿魔
(
あま
)
だ、
夕飯
(
ゆふめし
)
も
何
(
なに
)
も
仕
(
し
)
やうありやしねえなんてな、
獨
(
ひと
)
りでぐうづ/″\
云
(
ゆ
)
つてな、そんで
與吉
(
よきち
)
こと
何遍
(
なんべん
)
も
迎
(
むけえ
)
に
遣
(
や
)
つてな、さうすつとあの
與吉
(
よきち
)
の
野郎
(
やらう
)
また、
今
(
いま
)
直
(
すぐ
)
に
饂飩
(
うどん
)
饗
(
ふるま
)
つてよこすとう
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
ぼくがその路を、胸に
紅
(
あか
)
く日の丸のマアクの入ったスエタアを着て、トレエニングパンツのゴムをぱちんぱちんとお腹にはじきながら、ぶらぶら
何遍
(
なんべん
)
も往復し一体どんな歌をうたっていたと思います。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
「
何
(
なん
)
にもしないで
遊
(
あす
)
んでるんでせう。
地面
(
ぢめん
)
や
家作
(
かさく
)
を
持
(
も
)
つて」と
御米
(
およね
)
が
答
(
こた
)
へた。
此
(
この
)
答
(
こたへ
)
も
今迄
(
いままで
)
にもう
何遍
(
なんべん
)
か
宗助
(
そうすけ
)
に
向
(
むか
)
つて
繰
(
く
)
り
返
(
かへ
)
されたものであつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
やがてぼくの頭に、ドライバーが当てられた、ぐっと
圧
(
お
)
されて、きりきりと右へ廻された。ドライバーは、
何遍
(
なんべん
)
かつるりと
滑
(
すべ
)
った。そのたびにやり直しだ。
もくねじ
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
噛んで含めるようにいい聞かせると、伊織は、
何遍
(
なんべん
)
もこっくりして
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
病院の前も
何遍
(
なんべん
)
となく往復したが普通の人間に逢ふ
許
(
ばか
)
りである。又理科大学の穴倉へ行つて野々宮君に聞いて見たら、妹はもう病院を出たと云ふ。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「もちろん懐中電灯で探したんだけれど、
何遍
(
なんべん
)
やってみても見つからなかったんです」
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「なむあみだぶつ」
何遍
(
なんべん
)
かとなえて立ちかけた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
二人はただ堅いなりに親しくなるだけです。私はお嬢さんの事をKに打ち明けようと思い立ってから、
何遍
(
なんべん
)
歯がゆい不快に悩まされたか知れません。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
黒山のようにたかった人々は目を
何遍
(
なんべん
)
もこすって
胆
(
きも
)
をつぶした。
地中魔
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
彼
(
かれ
)
は
行
(
ゆ
)
く/\
口
(
くち
)
の
中
(
なか
)
で
何遍
(
なんべん
)
も
宗教
(
しゆうけう
)
の二
字
(
じ
)
を
繰
(
く
)
り
返
(
かへ
)
した。けれども
其
(
その
)
響
(
ひゞき
)
は
繰
(
く
)
り
返
(
かへ
)
す
後
(
あと
)
からすぐ
消
(
き
)
えて
行
(
い
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
看護婦がどうも分らないと答えると、隣の人はだいぶん
快
(
い
)
いので朝起きるすぐと、運動をする、その器械の音なんじゃないか
羨
(
うらや
)
ましいなと
何遍
(
なんべん
)
も繰り返したと云う話である。
変な音
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その晩井深は
何遍
(
なんべん
)
となくこの画を見た。そうして、どことなく細君の評が当っているような気がし出した。けれども
明
(
あく
)
る日になったら、そうでもないような顔をして役所へ出勤した。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
代助は
翌日
(
よくじつ
)
になつて
独
(
ひと
)
り書斎で、
昨夕
(
ゆふべ
)
の
有様
(
ありさま
)
を
何遍
(
なんべん
)
となく
頭
(
あたま
)
の
中
(
なか
)
で
繰
(
く
)
り返した。二時
間
(
かん
)
も一所に
話
(
はな
)
してゐるうちに、自分が平岡に対して、比較的
真面目
(
まじめ
)
であつたのは、三千代を弁護した時丈であつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
何
常用漢字
小2
部首:⼈
7画
遍
常用漢字
中学
部首:⾡
12画
“何”で始まる語句
何
何処
何時
何故
何人
何方
何卒
何處
何日
何事