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黒塗
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くろぬり
ふりがな文庫
“
黒塗
(
くろぬり
)” の例文
染出
(
そめいだ
)
したる
萌黄緞子
(
もえぎどんす
)
の
油箪
(
ゆたん
)
を掛て二棹宰領四人づつ次に
黒塗
(
くろぬり
)
に
金紋
(
きんもん
)
付
紫
(
むらさ
)
きの
化粧紐
(
けしやうひも
)
掛
(
かけ
)
たる先箱二ツ徒士十人次に黒天鵞絨に白く
御紋
(
ごもん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
大連
(
たいれん
)
で夜間飛行の練習をやっていると、計器盤のある処に
点
(
つ
)
いているライトの光で、その
黒塗
(
くろぬり
)
の計器盤に、
己
(
じぶん
)
の乗っている飛行機の
後
(
うしろ
)
から
追っかけて来る飛行機
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
黒塗
(
くろぬり
)
のランドーの
蓋
(
おおい
)
を、秋の日の暖かきに、払い退けた、中には
絹帽
(
シルクハット
)
が一つ、美しい
紅
(
くれな
)
いの
日傘
(
ひがさ
)
が一つ見えながら、両人の前を通り過ぎる。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
又
(
また
)
お
履物
(
はきもの
)
は
黒塗
(
くろぬり
)
りの
靴
(
くつ
)
見
(
みた
)
いなものですが、それは
木
(
き
)
の
皮
(
かわ
)
か
何
(
なん
)
ぞで
編
(
あ
)
んだものらしく、そう
重
(
おも
)
そうには
見
(
み
)
えませんでした……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
ゆったりと
坐
(
すわ
)
って
烟草
(
たばこ
)
を二三服ふかしているうちに、
黒塗
(
くろぬり
)
の膳は主人の前に
据
(
す
)
えられた。水色の
天具帖
(
てんぐじょう
)
で張られた
籠洋燈
(
かごランプ
)
は
坐敷
(
ざしき
)
の中に置かれている。
太郎坊
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
が、
黒塗
(
くろぬり
)
の巖乘な格子を
隔
(
へだ
)
てた上、格子の外には四尺あまりの溝があつて、それより先へは進むこともなりません。
銭形平次捕物控:078 十手の道
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
不浄よけの
金襴
(
きんらん
)
の
切
(
きれ
)
にくるんだ、たけ三寸ばかり、
黒塗
(
くろぬり
)
の小さな
御厨子
(
みずし
)
を捧げ出して、
袈裟
(
けさ
)
を机に折り、その上へ。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と云いながら
手探
(
てさぐ
)
りにて取出したのは
黒塗
(
くろぬり
)
の小さい
厨子
(
ずし
)
で、お虎の前へ置き。
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その中のある神さまには、とくに赤色の
盾
(
たて
)
や
黒塗
(
くろぬり
)
の盾をおあげになりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
やがてこのざわめきのなかに、浅黄
刺子
(
さしこ
)
の稽古着に
黒塗
(
くろぬり
)
日の丸胴をつけた諏訪栄三郎が、多勢の手で一隅から押し出されると、上座の鉄斎のあから顔がにっこりとして思わず
肩肘
(
かたひじ
)
をはって乗り出した。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
貢さんは
黒塗
(
くろぬり
)
の経机の前の
円座
(
ゑんざ
)
の上に坐つて三度程
額
(
ぬか
)
づいた。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
その中央に、
黒塗
(
くろぬり
)
の
床几
(
しょうぎ
)
が置かれた。
茶漬三略
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
明
(
あけ
)
て内より
白木
(
しらき
)
の
箱
(
はこ
)
と
黒塗
(
くろぬり
)
の箱とを取出し伊賀亮が
前
(
まへ
)
へ差出す時に伊賀亮は天一坊に
默禮
(
もくれい
)
し
恭
(
うや/\
)
しく
件
(
くだん
)
の
箱
(
はこ
)
の
紐
(
ひも
)
を
解
(
とき
)
中より
御墨附
(
おんすみつき
)
と御
短刀
(
たんたう
)
とを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
立って行って
戒名
(
かいみょう
)
を読む気にもならなかった健三は、やはり
故
(
もと
)
の所に
坐
(
すわ
)
ったまま、
黒塗
(
くろぬり
)
の上に金字で書いた小形の札のようなものを遠くから眺めていた。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
障子
(
しょうじ
)
、
欄間
(
らんま
)
、
床柱
(
とこばしら
)
などは
黒塗
(
くろぬり
)
り、
又
(
また
)
縁
(
えん
)
の
欄干
(
てすり
)
、
庇
(
ひさし
)
、その
他
(
た
)
造作
(
ぞうさく
)
の一
部
(
ぶ
)
は
丹塗
(
にぬ
)
り、と
言
(
い
)
った
具合
(
ぐあい
)
に、とてもその
色彩
(
いろどり
)
が
複雑
(
ふくざつ
)
で、そして
濃艶
(
のうえん
)
なのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
と言って、蚊帳の
周囲
(
まわり
)
をぐるりと半分、床の間をがたりと
遣
(
や
)
ると、何か
提
(
ひっさ
)
げた、その一腰、片手に
洋燈
(
ランプ
)
を
翳
(
かざ
)
したので、
黒塗
(
くろぬり
)
の
鞘
(
さや
)
が、袖をせめて、つらりと光った。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
冷
(
つめた
)
い
挽割飯
(
ひきわりめし
)
と、
大根
(
だいこ
)
ッ
葉
(
ぱ
)
の味噌汁と、
塩辛
(
しおから
)
く煮た
車輪麩
(
くるまぶ
)
と、何だか正体の分らぬ山草の
塩漬
(
しおづけ
)
の
香
(
こう
)
の
物
(
もの
)
ときりで、膳こそは
創
(
きず
)
だらけにせよ
黒塗
(
くろぬり
)
の
宗和膳
(
そうわぜん
)
とかいう奴で、御客あしらいではあるが
観画談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
と襟を洗う
振
(
ふり
)
をして伴藏の方を見せないようにしている
暇
(
ひま
)
に、伴藏は
彼
(
か
)
の胴巻をこき、ズル/\と出して見れば、
黒塗
(
くろぬり
)
光沢消
(
つやけ
)
しのお
厨子
(
ずし
)
で、扉を
開
(
ひら
)
くと中はがたつくから黒い絹で
包
(
くる
)
んであり
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
御殿
(
ごてん
)
の
玄関
(
げんかん
)
は
黒塗
(
くろぬり
)
りの
大
(
おお
)
きな
式台
(
しきだい
)
造
(
づく
)
り、そして
上方
(
うえ
)
の
庇
(
ひさし
)
、
柱
(
はしら
)
、
長押
(
なげし
)
などは
皆
(
みな
)
眼
(
め
)
のさめるような
丹塗
(
にぬ
)
り、
又
(
また
)
壁
(
かべ
)
は
白塗
(
しろぬ
)
りでございますから、すべての
配合
(
はいごう
)
がいかにも
華美
(
はで
)
で、
明朗
(
ほがらか
)
で
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
但
(
たゞ
)
し
拵
(
こしら
)
へ
付
(
つき
)
貳尺四寸
餘
(
よ
)
無名物
(
むめいもの
)
縁
(
ふち
)
赤銅
(
しやくどう
)
鶴
(
つる
)
の
彫
(
ほり
)
頭
(
かしら
)
角
(
つの
)
目貫
龍
(
りよう
)
の
純金
(
むく
)
丸
鍔
(
つば
)
瓢箪
(
へうたん
)
の
透
(
すか
)
し
彫
(
ぼり
)
鞘
(
さや
)
黒塗
(
くろぬり
)
鐺
(
こじり
)
銀
(
ぎん
)
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
高い処に
照々
(
きらきら
)
して
間数
(
まかず
)
十ばかりもござりますのを、
牛車
(
うしぐるま
)
に積んで来て、
背後
(
うしろ
)
に
大
(
おおき
)
な森をひかえて、
黒塗
(
くろぬり
)
の門も立木の奥深う、
巨寺
(
おおでら
)
のようにお建てなされて、東京の御修業さきから
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼
(
かれ
)
の
足元
(
あしもと
)
には
黒塗
(
くろぬり
)
の
蒔繪
(
まきゑ
)
の
手文庫
(
てぶんこ
)
が
放
(
はふ
)
り
出
(
だ
)
してあつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
子供
(
こども
)
たちは、
手
(
て
)
に
手
(
て
)
に
太鼓
(
たいこ
)
の
撥
(
ばち
)
を
用意
(
ようい
)
して、
社
(
やしろ
)
の
境内
(
けいだい
)
に
備
(
そな
)
へつけの
大太鼓
(
おほだいこ
)
をたゝきに
行
(
ゆ
)
き、また
車
(
くるま
)
のつきたる
黒塗
(
くろぬり
)
の
臺
(
だい
)
にのせて
此
(
こ
)
れを
曳
(
ひ
)
きながら
打
(
うち
)
囃
(
はや
)
して
市中
(
しちう
)
を
練
(
ね
)
りまはる。ドヾンガドン。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
小脇に威勢よく
引抱
(
ひっかか
)
えた
黒塗
(
くろぬり
)
の
飯櫃
(
めしびつ
)
を、客の膝の前へストンと置くと、
一歩
(
ひとあし
)
すさったままで、
突立
(
つった
)
って、
熟
(
じっ
)
と顔を
瞰下
(
みおろ
)
すから、この時も
吃驚
(
びっくり
)
した目を遣ると、両手を引込めた布子の袖を、上下に
みさごの鮨
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
黒
常用漢字
小2
部首:⿊
11画
塗
常用漢字
中学
部首:⼟
13画
“黒塗”で始まる語句
黒塗塀
黒塗膳
黒塗車
黒塗金蒔絵
黒塗金蒔繪