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翌日
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あくるひ
ふりがな文庫
“
翌日
(
あくるひ
)” の例文
枇杷の実はわたくしが始めて心づいたその
翌日
(
あくるひ
)
には、早くも一粒をも残さず、近処の
蝉取
(
せみと
)
りに歩く子供等の
偸
(
ぬす
)
み去るところとなった。
枇杷の花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
しかし、このうち六人はその
翌日
(
あくるひ
)
、紀州方面へ逃げて行くところを、紀州勢の見廻りに出会って山の中でつかまってしまいました。
大菩薩峠:05 龍神の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
翌日
(
あくるひ
)
文鳥は鳴かなかった。粟を
山盛
(
やまもり
)
入れてやった。水を
漲
(
みなぎ
)
るほど入れてやった。文鳥は一本足のまま長らく留り木の上を動かなかった。
文鳥
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
この夜は別して身を
浄
(
きよ
)
め、
御燈
(
みあかし
)
の数を
献
(
ささ
)
げて、災難即滅、
怨敵退散
(
おんてきたいさん
)
の祈願を
籠
(
こ
)
めたりしが、
翌日
(
あくるひ
)
の
点燈頃
(
ひともしごろ
)
ともなれば、又来にけり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
其處
(
そこ
)
で
其
(
その
)
翌日
(
あくるひ
)
は
愈〻
(
いよ/\
)
怠惰屋
(
なまけや
)
の
弟子入
(
でしいり
)
と、
親父
(
おやぢ
)
は
息子
(
むすこ
)
の
衣裝
(
みなり
)
を
作
(
こし
)
らへ
頭
(
あたま
)
も
奇麗
(
きれい
)
に
刈
(
かつ
)
てやつて、ラクダルの
莊園
(
しやうゑん
)
へと
出
(
で
)
かけて
行
(
い
)
つた。
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
▼ もっと見る
その
翌日
(
あくるひ
)
もやっぱり今の通りに液を沸立てて栗へかけて一週間毎日そうしてそのまま
保存
(
しま
)
っておくと一年過ぎても味が変らない。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
幸い
翌日
(
あくるひ
)
はめずらしい朗らかな晩秋の好晴であったので、宿にそれといいおいて、午少し前からそっちへ
遊山
(
ゆさん
)
に出かけていった。
狂乱
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
「お仙はどうしたかいナア」と不幸な娘のことまで
委
(
くわ
)
しく聞きたがる母親を残して置いて、
翌日
(
あくるひ
)
正太は叔父の許を
発
(
た
)
って行った。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
翌日
(
あくるひ
)
から
探索
(
さぐり
)
が再び始つた。武士は道でゆきあふ人々の顔を、いちいちしらべるやうに見た。裏通の深まつた家の奥を一軒一軒
覗
(
のぞ
)
きこんだ。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
四十九日の
蒸物
(
むしもの
)
を、幸さんや安公に配ってもらってから、その
翌日
(
あくるひ
)
母親とお庄とは、
谷中
(
やなか
)
へ墓詣りに行った。その日はおもに女連であった。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
私はその晩中、子供を抱いてうろついたせいか、子供が風邪を引いて、
翌日
(
あくるひ
)
からひどく熱が出てね、もう駄目かと思ったよ。
人間繁栄
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
そこで吾輩は止むを得ず、その
翌日
(
あくるひ
)
の土曜日の休講を利用して、ブラリとB町の西木家へ出張してみた。M内科部長の温情に敬意を払ってね。
無系統虎列剌
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
翌日
(
あくるひ
)
手伝の娘を一人附けて呉れた。
矢張
(
やつぱり
)
ミハイロ同様な貧乏人で、古ぼけた
頭巾
(
づきん
)
に穴の
開
(
あ
)
いた腰巻に、
襯衣
(
しやつ
)
と、それで
身上
(
しんしやう
)
有りツ
丈
(
たけ
)
だといふ。
椋のミハイロ
(新字旧仮名)
/
ボレスワフ・プルス
(著)
その
翌日
(
あくるひ
)
、こんな
噂
(
うはさ
)
がぱつと
立
(
た
)
ちました。
昨日
(
きのふ
)
の
乞食
(
こじき
)
のやうなあの
坊
(
ぼう
)
さんは、あれは
今
(
いま
)
、
生佛
(
いきぼとけ
)
といはれてゐるお
上人樣
(
しやうにんさま
)
だと。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
それから気を着けると、いつかも江戸町のお
喜乃
(
きの
)
さんが、やっぱり例の紛失で、ブツブツいって
帰
(
けえ
)
ったッけ、
翌日
(
あくるひ
)
の晩方、わざわざやって来て
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
独語
(
ひとりごと
)
を言うて帰つて来た。そのお客は新聞記者だつたから、山県氏は
待設
(
まちまう
)
けたやうに
翌日
(
あくるひ
)
の新聞をしこたま買込んで連絡船に乗込んだといふ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
翌日
(
あくるひ
)
は、各々自分の家に訪ねて来るものと思つて、気早の
老人
(
としより
)
などは、花茣蓙を押入から出して炉辺に布いて、渋茶を一掴み
隣家
(
となり
)
から貰つて来た。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
と
翌日
(
あくるひ
)
は意を決して新潟へ
往
(
ゆ
)
く支度をして居ります。御案内でもございましょうが、十六里、十五里とも
川舟
(
かわふね
)
で、夜に掛って往くのでございます。
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その
翌日
(
あくるひ
)
、早く起きて、小ぐまさんは畑にゆきました。そしてお昼ころまで、あつちこつちをさがしましたが、ほゝづきの木の影も形もありません。
小ぐまさん の かんがへちがひ
(新字旧仮名)
/
村山籌子
(著)
其後は上流に巨材などは有りませんから、水は度〻出ても大したことも無く、出るのが早い代りに
退
(
ひ
)
くのも早くて、直に
翌日
(
あくるひ
)
は何の事も無くなるのです。
観画談
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
その日は、
夜
(
よ
)
をとほして、こほろぎは、ころころと話し続けました。その
翌日
(
あくるひ
)
も、その翌日も、いつになつたらその話を
止
(
や
)
めるか、わかりませんでした。
小熊秀雄全集-14:童話集
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
「それから、
翌日
(
あくるひ
)
はわざと
詩子
(
ふみこ
)
お姉様に庭などへ出て頂いて、相手を散々惑わせた上、その晩は人形を寝室へ寝かして、お姉様は私のお部屋へ泊ったの」
身代りの花嫁
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
犬嫌
(
いぬぎらい
)
の父は泊めた
其夜
(
そのよ
)
を
啼明
(
なきあか
)
されると、うんざりして了って、
翌日
(
あくるひ
)
は是非
逐出
(
おいだ
)
すと言出したから、私は
小狗
(
こいぬ
)
を抱いて逃廻って、
如何
(
どう
)
しても放さなかった。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
その
翌日
(
あくるひ
)
熱に苦めらるゝこと前に倍すとも、そは顧みるべき事ならず。友は嬉しとおもふや、あらずや、そは知るべきならねどなど、心ありげに云へり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
その
翌日
(
あくるひ
)
の朝、五台の軍用自動車が、それ/″\に違つた国旗を
靡
(
なび
)
かせながら、ホテルの玄関へ着きました。
けむり(ラヂオ物語)
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
翌日
(
あくるひ
)
秀夫は銀行へ往って課長の眼の無い
隙
(
すき
)
を見て、牡蠣船へ往ったと云う朋友にそれとなく牡蠣船の勘定などを聞いていたが、その夕方下宿へ帰って来ると
牡蠣船
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
翌日
(
あくるひ
)
私は散歩した。二月上旬の曇った日で、町には人出が少なかった。公園の方へ歩いて行った。公園にも人はいなかった。花壇にも花は咲いていなかった。
銀三十枚
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
けれども
翌日
(
あくるひ
)
になつて、豆小僧が、また山に柴刈りに行くとき、豆和尚さんの前に出ますと、豆和尚さんは、待てと言つて、四枚のお守札を出して渡しました。
豆小僧の冒険
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
けれど、
翌日
(
あくるひ
)
になって、
日
(
ひ
)
はいつしか
高
(
たか
)
く
上
(
あ
)
がったけれど、
金持
(
かねも
)
ちの
帰
(
かえ
)
ってくるけはいはなかったのです。その
中
(
うち
)
に
二人
(
ふたり
)
のものは
腹
(
はら
)
が
減
(
へ
)
って
目
(
め
)
がまわってきました。
金の魚
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
翌日
(
あくるひ
)
の朝
洋一
(
よういち
)
は父と茶の
間
(
ま
)
の食卓に向った。食卓の上には、
昨夜
(
ゆうべ
)
泊った
叔母
(
おば
)
の茶碗も伏せてあった。
お律と子等と
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
其の
翌日
(
あくるひ
)
のことでした。差出し人の書いてない手紙が私宛に参りました。これを母がいぶかしそうに二階の私の部屋に持ちこんで来たときは、思わずハッとしました。
三角形の恐怖
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
けれどつばめは、その
翌日
(
あくるひ
)
から、きんまくわの悪い虫だけは、一ぴきもとつてやりませんでした。きんまくわは、毛虫や青虫に食はれて、だん/\葉がなくなりました。
きんまくわ
(新字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
翌日
(
あくるひ
)
學校への往き返りの途中でも彼れは
屡々
(
しばしば
)
結婚について珍しげに考へた。擦れ違ふ女の姿形を無心には見過せなくて、
穢
(
むさぐる
)
しい田舍女の一人々々が頭の中に浸み込んだ。
入江のほとり
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
翌日
(
あくるひ
)
は
好
(
い
)
い天気で、太陽は忘れないで、三宅坂の日輪草にも、光と熱とをおくりました。日輪草は
眼
(
め
)
をさましましたが、どうしたことか、今日は熊さんがやって来ません。
日輪草:日輪草は何故枯れたか
(新字新仮名)
/
竹久夢二
(著)
暫しありて清二郎は湯にとて降りて
復
(
ま
)
た
来
(
きた
)
らず、雨は
夜
(
よ
)
の
間
(
ま
)
に
上
(
あが
)
りしその
翌日
(
あくるひ
)
の夕暮、
荻江
(
おぎえ
)
が家の窓の下に
風鈴
(
ふうりん
)
と共に
黙
(
だんまり
)
の小花、文子の口より今朝聞きし座敷の様子
訝
(
いぶか
)
しく
そめちがへ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
私達が Monte Carlo へ着いた
翌日
(
あくるひ
)
、水曜日の
巴里
(
パリー
)
英字新聞だいり・まいる紙大陸版「リヴイラで何が起ってるか・起ってないか」欄の人事往来にこう出ていた。
踊る地平線:09 Mrs.7 and Mr.23
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
燕はこのわかいりりしい王子の
肩
(
かた
)
に羽をすくめてうす寒い一夜を過ごし、
翌日
(
あくるひ
)
町中をつつむ
霧
(
きり
)
がやや晴れて朝日がうらうらと東に登ろうとするころ旅立ちの用意をしていますと
燕と王子
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
お帯も上下、二通り、お長繻絆や、なにやかと、さしづめ遁れぬ御用のものは、揃えてあげまするやうと。あの
翌日
(
あくるひ
)
深井様御越しの節のおつしやり付け。それではお柄を伺ひましてと。
したゆく水
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
翌日
(
あくるひ
)
、四年前と同じように、淀の川尻から舟に乗ったが、ふしぎに
生絹
(
すずし
)
にうやうやしく
一揖
(
いっしゅう
)
をするものがあった。占うことを自分の好きでやる、例の愁いのある額をしている男であった。
荻吹く歌
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
翌日
(
あくるひ
)
の午後には、大屋敷の子が三人印度紳士の書斎に坐って、病人の気をひきたてようとしていました。子供達は、特に病人から来てくれといわれたので、来て病人を慰めているのでした。
小公女
(新字新仮名)
/
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット
(著)
「それを残して置いてその
翌日
(
あくるひ
)
学校へ持つて来て私に
頂戴
(
ちやうだい
)
。毎日よ。」
私の生ひ立ち
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
してその
翌日
(
あくるひ
)
も同じ事を繰返して
人間失格
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
してその
翌日
(
あくるひ
)
も同じ事を繰返して
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
その
翌日
(
あくるひ
)
の私の弱い
瞼
(
まぶた
)
のうへに
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
その
翌日
(
あくるひ
)
代助は平気な顔をして学校へ出た。兄は二日も頭が痛いと云って苦り切っていた。そうして、これを
年齢
(
とし
)
の違だと云った。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
田舎
(
いなか
)
から京都に戻ったあの
翌日
(
あくるひ
)
高雄へ紅葉を見に行かずに、ここへ来たら、何とか女の様子も分ったろうに、と、思ったがしかたがない。
狂乱
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
これでどうにか一時話がつくだろうと、その夜は行末の事までこまごまと、抱き合いしめ合い、語りあかして、
翌日
(
あくるひ
)
の朝早く
あぢさゐ
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
別に一斤の白砂糖を一合の水で煮立ててよく溶けた時熱い処を今の栗の上からかけて一晩置くと
翌日
(
あくるひ
)
は栗から
液
(
つゆ
)
が出て少し濃くなっている。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
そして
翌日
(
あくるひ
)
になると、栄蔵は、買つたばかりの紙鳶を持つた新太郎ちやんと一緒に、尼ヶ瀬の惣兵衛ちやんの家へ出掛けた。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
俎板
(
まないた
)
とんとん庖丁チョキチョキ、出放題な、
生欠伸
(
なまあくび
)
をして大歎息を発する。
翌日
(
あくるひ
)
の天気の噂をする、お題目を唱える、
小児
(
こども
)
を叱る、わッという。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“翌日”の意味
《名詞》
翌日(よくじつ)
基準の暦日の次の日。
(出典:Wiktionary)
翌
常用漢字
小6
部首:⽻
11画
日
常用漢字
小1
部首:⽇
4画
“翌日”で始まる語句
翌日舗
翌日午後