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算
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さん
ふりがな文庫
“
算
(
さん
)” の例文
足許に白蟻ほどの小粒なのが、空から投げだされて、
算
(
さん
)
を
乱
(
みだ
)
して転がっている。よく見ると
雹
(
ひょう
)
だ。南は
斜
(
ななめ
)
に
菅笠冠
(
すげがさかぶ
)
りの横顔をひんなぐる。
不尽の高根
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
されば、有馬街道から西の
野末
(
のずえ
)
でございました。ひるの合戦に、そこらは馬のかばねやら兵のむくろが
算
(
さん
)
をみだしておりまする。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その
道筋
(
みちすじ
)
に、
夥
(
おびただ
)
しく沈めたる材木は、
恰
(
あたか
)
も手を
以
(
も
)
て
掻
(
か
)
き
退
(
の
)
ける如くに、
算
(
さん
)
を乱して
颯
(
さっ
)
と左右に分れたのである。
木精(三尺角拾遺)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「サンジョ」の「サン」は「
占
(
うら
)
や
算
(
さん
)
」の算である、「算者」または「算所」と書くのが命名の本意に当たっていると思われる、彼らは卜占祈祷の表芸の他に
俗法師考
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
一手
所望
(
しょもう
)
だ……という男の声は、
算
(
さん
)
をみだした闘場において、確かなひびきをもって栄三郎の耳をうった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
小角
(
しょうかく
)
や
浄蔵
(
じょうぞう
)
などの奇蹟は妖術幻術の中には
算
(
さん
)
していないで、神通道力というように取扱い来っている。
魔法修行者
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
現在
(
げんざい
)
に
於
(
おい
)
ては、九
州
(
しう
)
、四
國
(
こく
)
から、
陸前
(
りくぜん
)
、
陸奧
(
りくおく
)
、
出羽
(
でば
)
の
方
(
はう
)
まで
掛
(
か
)
けて三十五ヶ
國
(
こく
)
に
亘
(
わた
)
り
發見
(
はつけん
)
されて
居
(
ゐ
)
るので、
加之
(
しかも
)
横穴
(
よこあな
)
は一ヶ
所
(
しよ
)
に
群在
(
ぐんざい
)
する
例
(
れい
)
が
多
(
おほ
)
いのだから、
穴
(
あな
)
の
數
(
すう
)
を
算
(
さん
)
したら
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
いわんや
必勝
(
ひっしょう
)
を
算
(
さん
)
して
敗
(
はい
)
し、
必敗
(
ひっぱい
)
を期して
勝
(
か
)
つの事例も少なからざるにおいてをや。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
と同時に
牛飼
(
うしかい
)
の
童部
(
わらべ
)
を始め、御供の
雑色
(
ぞうしき
)
たちは余りの事に、魂も消えるかと思ったのでございましょう。
驚破
(
すわ
)
と云う間もなく、
算
(
さん
)
を乱して、元来た方へ一散に逃げ出してしまいました。
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
算
(
さん
)
をみだして、逃げてきた足なみは、ぴたりと
踵
(
きびす
)
をかえして、
稲
(
いな
)
むらにおりた
雀
(
すずめ
)
のように、ばたばたと
槍
(
やり
)
もろともに
身
(
み
)
をふせる。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
其
(
その
)
道筋
(
みちすぢ
)
に、
夥
(
おびたゞ
)
しく
沈
(
しづ
)
めたる
材木
(
ざいもく
)
は、
恰
(
あたか
)
も
手
(
て
)
を
以
(
も
)
て
掻
(
か
)
き
退
(
の
)
ける
如
(
ごと
)
くに、
算
(
さん
)
を
亂
(
みだ
)
して
颯
(
さつ
)
と
左右
(
さいう
)
に
分
(
わか
)
れたのである。
三尺角拾遺:(木精)
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
一説にこれは算所で、
算
(
さん
)
を置く
陰陽師
(
おんみょうじ
)
の部落であろうとの説もありますが、私はそれを信じません。
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
次第にその舟影は遠ざかり、不知火の一ツ一ツは
算
(
さん
)
をみだして消え果てた。あとはまったく元どおりな海しじまだった。
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
狼藉
(
ろうぜき
)
に
遭
(
あ
)
えりし
死骸
(
むくろ
)
の
棄
(
す
)
てられたらむように、
婦女等
(
おんなたち
)
は
算
(
さん
)
を乱して手荷物の間に
横
(
よこた
)
われり。
取舵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
算
(
さん
)
なき死骸をそのあとに捨てみだし、逆に新田軍は、多くの投降者やまた新たな“馳せ参じ”を容れていたから、その兵力はいよいよ激増をみせていた。
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
荷
(
に
)
と
荷
(
に
)
を
合
(
あは
)
せ、ござ、
筵
(
むしろ
)
を
鄰
(
となり
)
して、
外濠
(
そとぼり
)
を
隔
(
へだ
)
てた
空
(
そら
)
の
凄
(
すさま
)
じい
炎
(
ほのほ
)
の
影
(
かげ
)
に、
目
(
め
)
の
及
(
およ
)
ぶあたりの
人々
(
ひと/″\
)
は、
老
(
おい
)
も
若
(
わか
)
きも、
算
(
さん
)
を
亂
(
みだ
)
して、ころ/\と
成
(
な
)
つて、そして
萎
(
なえ
)
たやうに
皆
(
みな
)
倒
(
たふ
)
れて
居
(
ゐ
)
た。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
城兵は桐山、吉年村、森屋などの方へ、
算
(
さん
)
をみだして逃げて行った。また、水ノ手の高塚山を掻き分けて、無二無三、奥へさして落ちて行く一群も先にあった。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
此
(
こ
)
の
兒
(
じ
)
、
最
(
もつとも
)
少
(
いとけ
)
なしと
雖
(
いへど
)
も、
後
(
のち
)
に
自
(
おのづ
)
から
設得
(
まうけえ
)
んと。
果
(
はた
)
せる
哉
(
かな
)
、
長
(
ひとと
)
なりて
荊州
(
けいしう
)
の
刺史
(
しし
)
となるや、
潛
(
ひそか
)
に
海船
(
かいせん
)
を
操
(
あやつ
)
り、
海
(
うみ
)
を
行
(
ゆ
)
く
商賈
(
しやうこ
)
の
財寶
(
ざいはう
)
を
追剥
(
おひはぎ
)
して、
富
(
とみ
)
を
致
(
いた
)
すこと
算
(
さん
)
なし。
後
(
のち
)
に
衞尉
(
ゑいゐ
)
に
拜
(
はい
)
す。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
高廉
(
こうれん
)
も望楼へあがってみた。打ち見れば、暁の
曠野
(
こうや
)
には、敵の梁山泊軍が、
算
(
さん
)
をみだして騒いでいる。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
六
(
む
)
ツになり、
散々
(
ちりぢり
)
にちらめいて、
忽
(
たちま
)
ち
算
(
さん
)
無
(
な
)
く、
其
(
そ
)
の
紅
(
くれない
)
となく、紫となく、緑となく、あらゆる色が
入乱
(
いりみだ
)
れて、上になり、下になり、右へ飛ぶかと思ふと左へ
躍
(
おど
)
つて、前後に
飜
(
ひるがえ
)
り、また飜つて
蠅を憎む記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
見れば、はるかかなたの火が、風に吹き散らされた
蛍
(
ほたる
)
のごとく、
算
(
さん
)
をみだしてきはじめたのだ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ぴつたり
閉
(
し
)
めた
襖
(
ふすま
)
一
枚
(
まい
)
……
臺所
(
だいどころ
)
へ
續
(
つゞ
)
くだゞつ
廣
(
ぴろ
)
い
板敷
(
いたじき
)
との
隔
(
へだて
)
に
成
(
な
)
る……
出入口
(
ではひりぐち
)
の
扉
(
ひらき
)
があつて、むしや/\と
巖
(
いは
)
の
根
(
ね
)
に
蘭
(
らん
)
を
描
(
ゑが
)
いたが、
年數
(
ねんすう
)
算
(
さん
)
するに
堪
(
た
)
へず、で
深山
(
みやま
)
の
色
(
いろ
)
に
燻
(
くす
)
ぼつた、
引手
(
ひきて
)
の
傍
(
わき
)
に
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「や、左様でございますか。勘定に間違いのない
心算
(
つもり
)
でございますが、では、念の為もう一
算
(
さん
)
」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ぴったり閉めた襖一枚……台所へ続くだだっ広い板敷との
隔
(
へだて
)
になる……
出入口
(
ではいりぐち
)
の
扉
(
ひらき
)
があって、むしゃむしゃと
巌
(
いわ
)
の根に蘭を描いたが、年数
算
(
さん
)
するに
堪
(
た
)
えず、で
深山
(
みやま
)
の色に
燻
(
くす
)
ぼった、
引手
(
ひきて
)
の
傍
(
わき
)
に
霰ふる
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
算
常用漢字
小2
部首:⽵
14画
“算”を含む語句
計算
目算
胸算
心算
胸算用
卦算
算木
算段
算術
算筆
珠算
算用
宝算
公算
皮算用
推算
掛算
算法
算法闕疑抄
御破算
...