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突立
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つゝた
ふりがな文庫
“
突立
(
つゝた
)” の例文
背
(
せ
)
を
高
(
たか
)
く、
足
(
あし
)
を
踏
(
ふ
)
んで、
沼
(
ぬま
)
の
岸
(
きし
)
を
離
(
はな
)
れると、
足代
(
あじろ
)
に
突立
(
つゝた
)
つて
見送
(
みおく
)
つた
坊主
(
ばうず
)
の
影
(
かげ
)
は、
背後
(
うしろ
)
から
蔽覆
(
おつかぶ
)
さる
如
(
ごと
)
く、
大
(
おほひ
)
なる
形
(
かたち
)
に
成
(
な
)
つて
見
(
み
)
えた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
両親にもながの
暇乞
(
いとまごひ
)
をして、やがて肌を脱いで、刀を手に取つた。
介錯
(
かいしやく
)
役に
側
(
そば
)
に
突立
(
つゝた
)
つてゐた伯父は落ついた声で呼びかけた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
と、
急
(
きふ
)
に
來
(
き
)
た
人
(
ひと
)
の
院長
(
ゐんちやう
)
だと
解
(
わか
)
つたので、
彼
(
かれ
)
は
全身
(
ぜんしん
)
を
怒
(
いかり
)
に
顫
(
ふる
)
はして、
寐床
(
ねどこ
)
から
飛上
(
とびあが
)
り、
眞赤
(
まつか
)
になつて、
激怒
(
げきど
)
して、
病室
(
びやうしつ
)
の
眞中
(
まんなか
)
に
走
(
はし
)
り
出
(
で
)
て
突立
(
つゝた
)
つた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
兄
(
けい
)
、
嫂
(
そう
)
、
阿甥
(
あせい
)
、
阿姪
(
あてつ
)
、書生など三階総出の舞台の中央にすつくと
突立
(
つゝた
)
つ木強漢(むくつけをとこ)。其れ韈(くつした)をお
穿
(
は
)
きなさい。韈は穿きぬ。
燕尾服着初めの記
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
驚く程強い光澤を含んだ
黄色
(
くわうしよく
)
に彩られて、其の上には大空が一面思ふさま青く輝き、地平線の境には眞白な雲の列と緑色の
白楊樹
(
はくやうじゆ
)
が二三本離れ離れに
突立
(
つゝた
)
つて居るばかり。
新帰朝者日記
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
「
何
(
なに
)
か御用ですか」と
門野
(
かどの
)
が又
出
(
で
)
て
来
(
き
)
た。
袴
(
はかま
)
を
脱
(
ぬ
)
いで、
足袋
(
たび
)
を
脱
(
ぬ
)
いで、
団子
(
だんご
)
の様な
素足
(
すあし
)
を
出
(
だ
)
してゐる。代助は
黙
(
だま
)
つて
門野
(
かどの
)
の
顔
(
かほ
)
を見た。
門野
(
かどの
)
も代助の顔を見て、
一寸
(
ちよつと
)
の
間
(
あひだ
)
突立
(
つゝた
)
つてゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
其儘
(
そのまゝ
)
突立
(
つゝた
)
つて
志村
(
しむら
)
の
方
(
はう
)
を
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
た。
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
と
自棄
(
やけ
)
に
突立
(
つゝた
)
つて、
胴體
(
どうたい
)
ドタンと
投出
(
なげだ
)
すばかり、
四枚
(
よまい
)
を
兩方
(
りやうはう
)
へ
引
(
ひき
)
ずり
開
(
あ
)
けた、
肱
(
ひぢ
)
かけ
窓
(
まど
)
へ、
拗
(
す
)
ねるやうに
突掛
(
つゝかゝ
)
つて
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
理髪床
(
かみゆひどこ
)
の主人は謹んでお受けをした。そして
使者
(
つかひ
)
が帰つたあとで、土間に
突立
(
つゝた
)
つて大きな
咳払
(
せきばら
)
ひをした。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「まあ野々宮さんの
所
(
ところ
)
へ
行
(
い
)
つて、御談義を聞いて
来
(
こ
)
い」と云ひ棄てゝ、相手は池の方へ行き掛けた。三四郎は
愚劣
(
ぐれつ
)
の
看板
(
かんばん
)
の如く
突立
(
つゝた
)
つた。与次郎は五六歩
行
(
い
)
つたが、又笑ひながら帰つて
来
(
き
)
た。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
と
言
(
い
)
ふ。
天窓
(
あたま
)
の
大
(
おほ
)
きな、
頤
(
あご
)
のしやくれた、
如法玩弄
(
によはふおもちや
)
の
燒
(
やき
)
ものの、ペロリと
舌
(
した
)
で、
西瓜
(
すゐくわ
)
喰
(
く
)
ふ
黒人
(
くろんぼ
)
の
人形
(
にんぎやう
)
が、ト
赤
(
あか
)
い
目
(
め
)
で、
額
(
おでこ
)
で
睨
(
にら
)
んで、
灰色
(
はひいろ
)
の
下唇
(
したくちびる
)
を
反
(
そ
)
らして
突立
(
つゝた
)
つ。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其時
(
そのとき
)
荒坊主
(
あらばうず
)
岸破
(
がば
)
と
起上
(
おきあが
)
り、
舳
(
へさき
)
に
突立
(
つゝた
)
ツて、はつたと
睨
(
ね
)
め
付
(
つ
)
け、「いかに
龍神
(
りうじん
)
不禮
(
ぶれい
)
をすな、
此
(
この
)
船
(
ふね
)
には
文覺
(
もんがく
)
と
云
(
い
)
ふ
法華
(
ほつけ
)
の
行者
(
ぎやうじや
)
が
乘
(
の
)
つて
居
(
ゐ
)
るぞ!」と
大音
(
だいおん
)
に
叱
(
しか
)
り
付
(
つ
)
けたと
謂
(
い
)
ふ。
旅僧
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
提灯
(
ちやうちん
)
を
一個
(
ひとつ
)
引奪
(
ふんだく
)
つて、
三段
(
さんだん
)
ばかりある
階
(
きざはし
)
の
正面
(
しやうめん
)
へ
突立
(
つゝた
)
つて、
一揆
(
いつき
)
を
制
(
せい
)
するが
如
(
ごと
)
く、
大手
(
おほて
)
を
拡
(
ひろ
)
げて
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
何故
(
なぜ
)
か
雪枝
(
ゆきえ
)
は
他人
(
たにん
)
を
訪問
(
はうもん
)
に
来
(
き
)
たやうな
心持
(
こゝろもち
)
に
成
(
な
)
つて、うつかり
框際
(
かまちぎは
)
の
広土間
(
ひろどま
)
に
突立
(
つゝた
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
我
(
われ
)
勝
(
が
)
ち、
鳥
(
とり
)
が
飛
(
と
)
ぶやうに、ばら/\
散
(
ち
)
ると、さすがは
救世主
(
キリスト
)
のお
乳母
(
うば
)
さん、のさつと
太陽
(
ひ
)
の
下
(
した
)
に
一人
(
ひとり
)
堆
(
うづたか
)
く
黒
(
くろ
)
い
服
(
ふく
)
で
突立
(
つゝた
)
つて、
其
(
そ
)
の
狂人
(
きちがひ
)
と
向合
(
むきあ
)
つて
屈
(
かゞ
)
みましたつけが、
叶
(
かな
)
はなく
成
(
な
)
つたと
見
(
み
)
えて
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
が、
唐突
(
だしぬけ
)
に
大
(
おほき
)
な
材木
(
ざいもく
)
が
化
(
ば
)
けて
突立
(
つゝた
)
つて、
手足
(
てあし
)
の
枝
(
えだ
)
が
生
(
は
)
えたかと
疑
(
うたが
)
はるゝ。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
橋
(
はし
)
を
挟
(
さしはさ
)
んで、
川
(
かは
)
を
溯
(
さかのぼ
)
つたり、
流
(
なが
)
れたりして、
流網
(
ながれあみ
)
をかけて
魚
(
うを
)
を
取
(
と
)
るのが、
川
(
かは
)
ン
中
(
なか
)
に
手拱
(
てあぐら
)
かいて、ぶる/\ふるへて
突立
(
つゝた
)
つてるうちは
顔
(
かほ
)
のある
人間
(
にんげん
)
だけれど、そらといつて
水
(
みづ
)
に
潜
(
もぐ
)
ると、
逆
(
さかさ
)
になつて
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
突
常用漢字
中学
部首:⽳
8画
立
常用漢字
小1
部首:⽴
5画
“突立”で始まる語句
突立上
突立状