丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
顎十郎捕物帳:17 初春狸合戦 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
食肉鳥のように鋭く光ったトビ口が、陽にきらめいた。川岸づたいに、ヨシやアシや熊笹などを踏みつけて上って行った。もはやどう見ても、押しも押されもしない立派な流送人夫どもであった。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
といって霧は一刻ごとにずんずん深くなるばかりなのです。「ええ、いっそ登ってしまえ。」——僕はこう考えましたから、梓川の谷を離れないように熊笹の中を分けてゆきました。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)