“胸裏”の読み方と例文
読み方割合
きょうり100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかもその併立せるものが一見反対の趣味で相容あいいれぬと云う事実も認め得るかも知れぬ——批評家は反対の趣味も同時に胸裏きょうりに蓄える必要がある。
作物の批評 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
お気に入っても入らなくても、虚勢や粉飾ふんしょくに事実を曲げて、聖断せいだんくらくしたてまつるべきではない——と、これは河内を出るときからの彼のかたい胸裏きょうりであった。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
胸裏きょうりの図案は三二でくずれた。見ると、筒袖つつそでを着た男が、まきせて、熊笹くまざさのなかを観海寺の方へわたってくる。隣りの山からおりて来たのだろう。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)