“きょうり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
胸裡28.6%
胸裏21.4%
郷里21.4%
教理7.1%
彊里3.6%
杏里3.6%
筺裏3.6%
胷裏3.6%
鏡裡3.6%
驚裡3.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
たとえば己の欲を抑えても、愛する者に与えたいとか、自己の身を失っても理想を実行せねばならぬというような考は誰の胸裡きょうりにも多少は潜みおるのである。
善の研究 (新字新仮名) / 西田幾多郎(著)
お気に入っても入らなくても、虚勢や粉飾ふんしょくに事実を曲げて、聖断せいだんくらくしたてまつるべきではない——と、これは河内を出るときからの彼のかたい胸裏きょうりであった。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「こういう字体は、よくあるですよ。なんなら谷口をよんでもいいが、いま生憎あいにく郷里きょうりへかえっているのでね」
脳の中の麗人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
儒教じゅきょうが入って以来、その説くところやら、その儀式ぎしきがたいそう違って来たし、ことに仏教輸入以来はその教理きょうりさえも変化し、おそらくこんにち神道しんとうの名のもとに
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
願わくば今ず諸王の都邑とゆうの制を節し、其の衛兵を減じ、其の彊里きょうりを限りたまえと。居升きょしょうの言はおのずから理あり、しかも太祖は太祖の慮あり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
その上其方そちも知っている通り、源女殿は時々発作を起こす。……で、わしはいろいろの医者へ、源女殿の様態を診て貰ったところ、一人柳営お抱えの洋医、平賀杏里きょうり殿がこういうことを云われた。
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
病は苦悩の多く強いものでは無かったが、美しい花の日に瓶中へいちゅうしおれゆくが如く、清らな瓜の筺裏きょうりに護られながらようやく玉の艶を失って行くように、次第次第衰え弱った。定基は焦躁しょうそうしだした。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
我に射掛くる利箭りせんの毒は、それだけ彼女の懐を出でて彼女の胷裏きょうり清浄しょうじょうにすることになった。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
一匹の毒蛾どくがは、数千の卵を生みちらす。数千の卵は、また数十万の蛾と化して、民家の灯、王城の燭、後閣の鏡裡きょうり、ところ、きらわず妖舞して、限りもなく害をなそう。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かえって奇事これより生ずべしと驚裡きょうり胆を生じ候。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)