“瓶中”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
へいちゅう66.7%
びんちゅう33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
病は苦悩の多く強いものでは無かったが、美しい花の日に瓶中へいちゅうしおれゆくが如く、清らな瓜の筺裏きょうりに護られながらようやく玉の艶を失って行くように、次第次第衰え弱った。定基は焦躁しょうそうしだした。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
春雨霏々ひひ。病牀徒然とぜん。天井を見れば風車かざぐるま五色に輝き、枕辺を見れば瓶中へいちゅうの藤紫にして一尺垂れたり。ガラス戸の外を見れば満庭の新緑雨に濡れて、山吹は黄ようやく少く、牡丹は薄紅うすくれないの一輪先づ開きたり。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
以上はコルテス博士がポルトガルの海岸にて拾上ひろいあげし、不思議なる瓶中びんちゅうより出でし不思議なる書面なり、記者はもはや多く記さず、賢明なる読者諸君は、なにゆえに近頃ヨーロッパの学者社会より
南極の怪事 (新字新仮名) / 押川春浪(著)