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胸裡
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きょうり
ふりがな文庫
“
胸裡
(
きょうり
)” の例文
その一命をつかみとって、せめては、あの世で、故主
経久
(
つねひさ
)
、義久にまみえんという一念を——なお
密
(
ひそ
)
かに
胸裡
(
きょうり
)
ふかく秘している鹿之介なのである。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
たとえば己の欲を抑えても、愛する者に与えたいとか、自己の身を失っても理想を実行せねばならぬというような考は誰の
胸裡
(
きょうり
)
にも多少は潜みおるのである。
善の研究
(新字新仮名)
/
西田幾多郎
(著)
前者は人種、土地、教理、名称等の相違に留意することなく、その博大なる
胸裡
(
きょうり
)
に、地上一切の人類を
包擁
(
ほうよう
)
せずんば止まぬ。彼は対者の意見などには頓着せぬ。
霊訓
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ステイントン・モーゼス
(著)
一、美は比較的なり、絶対的に
非
(
あら
)
ず。
故
(
ゆえ
)
に一首の詩、
一幅
(
いっぷく
)
の画を
取
(
とっ
)
て美不美を言ふべからず。もしこれを言ふ時は
胸裡
(
きょうり
)
に記憶したる幾多の詩画を取て
暗々
(
あんあん
)
に比較して言ふのみ。
俳諧大要
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
といふぐらゐの気持は、案外この才人の
胸裡
(
きょうり
)
にうごいてゐたかも知れないのだ。
鸚鵡:『白鳳』第二部
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
▼ もっと見る
試みに男子の
胸裡
(
きょうり
)
にその次第の図面を
画
(
えが
)
き、我が妻女がまさしく我に
傚
(
なら
)
い、我が花柳に
耽
(
ふけ
)
ると同時に彼らは緑陰に戯れ、昨夜自分は
深更
(
しんこう
)
家に帰りて
面目
(
めんぼく
)
なかりしが、今夜は妻女
何処
(
いずく
)
に行きしや
日本男子論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
恋愛は各人の
胸裡
(
きょうり
)
に一墨痕を印して外には見る
可
(
べか
)
らざるも、終生
抹
(
まっ
)
すること能わざる者となすの
奇蹟
(
きせき
)
なり。然れども恋愛は一見して
卑陋
(
ひろう
)
暗黒なるが如くに、その実性の卑陋暗黒なる者にあらず。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
ドイツでは一八九九年以来高層気象観測所を公設し、ことにカイゼル自身がこの方に
力瘤
(
ちからこぶ
)
を入れて奨励した。カイゼルの
胸裡
(
きょうり
)
にはその時既に空中襲英の問題が明らかに画かれていたと称せられている。
戦争と気象学
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
“胸裡”の意味
《名詞》
胸の内。心中。胸中。
(出典:Wiktionary)
胸
常用漢字
小6
部首:⾁
10画
裡
漢検準1級
部首:⾐
12画
“胸”で始まる語句
胸
胸倉
胸襟
胸算用
胸毛
胸板
胸騒
胸算
胸乳
胸高