郷里きょうり)” の例文
私は舅姑しゅうと郷里きょうりにおりましたから此方こちらでは夫婦差向さしむかいでございましたが二十日ばかり過ぎるとある時良人やどが家の近所で車から落ちて右の腕を怪我けがしました。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
「こういう字体は、よくあるですよ。なんなら谷口をよんでもいいが、いま生憎あいにく郷里きょうりへかえっているのでね」
脳の中の麗人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
五月の四日、粕谷草堂の夫妻は鶴子を連れて、お馨さんの郷里きょうりに於ける葬式につらなるべく出かけた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
へい。実は本年は不思議に実業志望が多ございまして、十三人の卒業生中、十二人まで郷里きょうりに帰って勤労に従事いたして居ります。ただ一人だけ大谷地おおやち大学校の入学試験を
茨海小学校 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
かくて三ヵ年、ジェンナーはハンターの薫陶くんとうを受け、いよいよ郷里きょうりへ帰って開業することになりましたが、わかれるときにも、ハンター先生は、例の激励げきれいの言葉をあたえました。
ジェンナー伝 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
と私はさじを投げ、大型のわなを郷里きょうりへ注文してその到着とうちゃくを待った。
かれの郷里きょうりでは、いま年々五月十四日に種痘祭がおこなわれるのであります。
ジェンナー伝 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)