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氷柱
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つらゝ
ふりがな文庫
“
氷柱
(
つらゝ
)” の例文
項
(
うなじ
)
を
立
(
た
)
てた
苫
(
とま
)
も
舷
(
ふなばた
)
も
白銀
(
しろがね
)
に、
珊瑚
(
さんご
)
の
袖
(
そで
)
の
搖
(
ゆ
)
るゝ
時
(
とき
)
、
船
(
ふね
)
はたゞ
雪
(
ゆき
)
を
被
(
かつ
)
いだ
翡翠
(
ひすゐ
)
となつて、
白
(
しろ
)
い
湖
(
みづうみ
)
の
上
(
うへ
)
を
飛
(
と
)
ぶであらう。
氷柱
(
つらゝ
)
の
蘆
(
あし
)
も
水晶
(
すゐしやう
)
に——
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
力草
(
ちからぐさ
)
漸々
(
やう/\
)
と山へ
這上
(
はひあが
)
りて見ば此は
何
(
いか
)
に山上は
大雪
(
おほゆき
)
にて一面の
銀世界
(
ぎんせかい
)
なり
方角
(
はうがく
)
はます/\見分がたく
衣類
(
いるゐ
)
には
氷柱
(
つらゝ
)
下
(
さが
)
り
汐
(
しほ
)
に
濡
(
ぬれ
)
し上を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
我が
上
(
かみ
)
越後には名をよぶ
奇岩
(
きがん
)
おほき中にこれもその一ツ也。此
笈掛岩
(
おひかけいは
)
の
氷柱
(
つらゝ
)
こそ我が国の人すら目をおどろかすなれ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
曲者は蝋燭を吹消さずに逃去りしと見え燭台の
頂辺
(
てっぺん
)
に
氷柱
(
つらゝ
)
の如く垂れたる
燭涙
(
しょくるい
)
は黒き汚れの色を帯ぶ、
個
(
こ
)
は蝋燭の自から燃尽すまで
燃居
(
もえい
)
たるしるしなり。
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
大きな
氷柱
(
つらゝ
)
は軒に下るだらう。なつかしき少年達よ。Kはかう思つて、長い手紙をまた繰返して読んだ。
田舎からの手紙
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
▼ もっと見る
堺老人は、笑ひながら、さう云つて、富岡から煙草を一本貰つて、
炉
(
ろ
)
の火をつけた。硝子戸は、暗くなつて来た。ひくい
廂
(
ひさし
)
には
氷柱
(
つらゝ
)
のさがつてゐるところもある。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
文吾(五右衞門の幼名)は、唯一人畦の
小徑
(
こみち
)
を急いでゐた。山國の秋の風は、冬のやうに冷たくて、崖の下の水車に通ふ筧には、槍の身のやうな
氷柱
(
つらゝ
)
が出來さうであつた。
石川五右衛門の生立
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
もうその話をきいたゞけで全身が
氷柱
(
つらゝ
)
のやうにゾーツとしてしまつて、昏倒しさうであつた。
天狗洞食客記
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
馬丁は馬に食はせて、今度は自分も乘つて、
氷柱
(
つらゝ
)
の垂下つた暗い
隧道
(
とんねる
)
を指して出掛けた。
伊豆の旅
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
内端
(
うちは
)
な
女心
(
をんなごゝろ
)
の
泣
(
な
)
くにも
泣
(
な
)
かれず
凍
(
こほ
)
つてしまつた
檐
(
のき
)
の
雫
(
しづく
)
は、
日光
(
につくわう
)
を
宿
(
やど
)
したまゝに
小
(
ちひ
)
さな
氷柱
(
つらゝ
)
となつて、
暖
(
あたゝ
)
かな
言葉
(
ことば
)
さへかけられたら
今
(
いま
)
にもこぼれ
落
(
お
)
ちさうに、
筧
(
かけひ
)
の
中
(
なか
)
を
凝視
(
みつ
)
めてゐる。
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
とあるが、即ち其の文樣が
氷柱
(
つらゝ
)
などの如くなつて居るのであらうから、此が唐の時代に我邦に渡つて、平安朝頃迄盛に使用せられた綾地切と稱するものと同じであらうと想像される。
染織に関する文献の研究
(旧字旧仮名)
/
内藤湖南
(著)
助手の一人は解剖臺に取りつけてある龍頭をひねると、水は
氷柱
(
つらゝ
)
でもつるしたやうに音もなく磁器製の解剖臺に落ちて、小さな幾條かの溝を傳つて、中央の孔から
床
(
ゆか
)
の下に流れて行つた。
実験室
(旧字旧仮名)
/
有島武郎
(著)
ああ 空に向つて垂れる
氷柱
(
つらゝ
)
の先端
気象台風景
(新字旧仮名)
/
仲村渠
(著)
岩
(
いは
)
を
削
(
けづ
)
つて
點滴
(
したゝ
)
る
水
(
みづ
)
は、
其
(
そ
)
の
火
(
ひ
)
の
見
(
み
)
階子
(
ばしご
)
に、
垂々
(
たら/\
)
と
雫
(
しづく
)
して、
立
(
た
)
ちながら
氷柱
(
つらゝ
)
に
成
(
な
)
らむ、と
冷
(
ひやゝ
)
かさの
身
(
み
)
に
染
(
し
)
むのみ。
何處
(
どこ
)
に
家
(
いへ
)
を
燒
(
や
)
く
炎
(
ほのほ
)
があらう。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
踏分々々
(
ふみわけ/\
)
たどり行て見ば殊の外なる大家なり吉兵衞は
衣類
(
いるゐ
)
も
氷柱
(
つらゝ
)
垂
(
た
)
れ其上二日二夜海上に
漂
(
たゞよ
)
ひ
食事
(
しよくじ
)
もせざれば
身體
(
しんたい
)
疲
(
つか
)
れ
果
(
はて
)
聲も
震
(
ふる
)
へ/\戸の
外
(
そと
)
より案内を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
これらは
我家
(
わがいへ
)
の
氷柱
(
つらゝ
)
にて
珍
(
めづ
)
らしからず、
宮寺
(
みやてら
)
のつらゝは猶大なり、又山中のつらゝは
里地
(
さとち
)
に
比
(
ひ
)
しがたし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
覆
(
シエード
)
のまはりにはきらきらとしたビードロの
氷柱
(
つらゝ
)
がさがり
沼辺より
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
もる処を
修治
(
つくろはん
)
とするに雪
全
(
まつた
)
くきえざるゆゑ手をくだす㕝ならず、漏は次第にこほりて
座敷
(
ざしき
)
の内にいくすぢも大なる
氷柱
(
つらゝ
)
を見る時あり。是
暖国
(
だんこく
)
の人に見せたくぞおもはる。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
もう
一度
(
いちど
)
は
覺
(
おぼ
)
えて
居
(
ゐ
)
ない。いづれも
大事
(
だいじ
)
に
至
(
いた
)
らなかつたのは
勿論
(
もちろん
)
である。が、
家中
(
いへぢう
)
水
(
みづ
)
を
打
(
う
)
つて、
燈
(
ひ
)
も
氷
(
こほ
)
つた。
三年目
(
さんねんめ
)
の
時
(
とき
)
の
如
(
ごと
)
きは、
翌朝
(
よくあさ
)
の
飯
(
めし
)
も
汁
(
しる
)
も
凍
(
い
)
てて、
軒
(
のき
)
の
氷柱
(
つらゝ
)
が
痛
(
いた
)
かつた。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
もる処を
修治
(
つくろはん
)
とするに雪
全
(
まつた
)
くきえざるゆゑ手をくだす㕝ならず、漏は次第にこほりて
座敷
(
ざしき
)
の内にいくすぢも大なる
氷柱
(
つらゝ
)
を見る時あり。是
暖国
(
だんこく
)
の人に見せたくぞおもはる。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
高島田
(
たかしまだ
)
の
前髮
(
まへがみ
)
に
冷
(
つめた
)
き
刃
(
やいば
)
あり、
窓
(
まど
)
を
貫
(
つらぬ
)
くは
簾
(
すだれ
)
なす
氷柱
(
つらゝ
)
にこそ。カチリと
音
(
おと
)
して
折
(
を
)
つて
透
(
す
)
かしぬ。
人
(
ひと
)
のもし
窺
(
うかゞ
)
はば、いと
切
(
せ
)
めて
血
(
ち
)
を
迸
(
ほとばし
)
らす
匕首
(
あひくち
)
とや
驚
(
おどろ
)
かん。
新婦
(
よめぎみ
)
は
唇
(
くちびる
)
に
含
(
ふく
)
みて
微笑
(
ほゝゑ
)
みぬ。
婦人十一題
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
児曹
(
こども
)
らが手遊の
輴
(
そり
)
もあり。
氷柱
(
つらゝ
)
の六七尺もあるをそりにのせて大持の学びをなし、木やりをうたひ引あるきて戯れあそぶなど、
暖国
(
だんこく
)
にはあるまじく
聞
(
きゝ
)
もせざる事なるべし。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
裸
(
はだか
)
なる
所以
(
ゆゑん
)
は
人気
(
じんき
)
にて堂内の
熱
(
ねつ
)
すること
燃
(
もゆる
)
がごとくなるゆゑ也。
願望
(
ぐわんまう
)
によりては一里二里の所より正月三日の雪中寒気
肌
(
はだへ
)
を
射
(
いる
)
がごときをも
厭
(
いとは
)
ず、
柱
(
はしら
)
のごとき
氷柱
(
つらゝ
)
を
裸身
(
はだかみ
)
に
脊負
(
せおひ
)
て堂押にきたるもあり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
“氷柱”の意味
《名詞》
つらら。
夏に涼をとるための氷の柱。
(出典:Wiktionary)
“氷柱”の解説
氷柱(つらら)は、建物の軒下や岩場などから棒状に伸びた氷。軒下などに水滴が垂れてできる氷の柱をさしている。
(出典:Wikipedia)
氷
常用漢字
小3
部首:⽔
5画
柱
常用漢字
小3
部首:⽊
9画
“氷”で始まる語句
氷
氷嚢
氷雨
氷室
氷川
氷山
氷罅
氷島
氷見
氷斧