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わがくに
ふりがな文庫
“
我邦
(
わがくに
)” の例文
樽屋
(
たるや
)
桶屋
(
おけや
)
の商売が
我邦
(
わがくに
)
にはじまったのは、はっきり
何時
(
いつ
)
からということはできないが、ともかくもそう古いころのことでないらしい。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
全体
我邦
(
わがくに
)
の家庭は主人一人の翫具や慰みのために多額の金を
費
(
ついや
)
して家族一同のためには一銭二銭の買物さえ惜しがるという
風
(
ふう
)
がある。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
同じ筆法で行けば弘安四年六月三十日から七月一日へかけて玄界灘を通過した低気圧は
我邦
(
わがくに
)
の存亡に多大の影響があったのである。
戦争と気象学
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
これ他なし
我邦
(
わがくに
)
固有の旧文化破壊せられて新文化の基礎遂に成らず一代の人心甚だ
軽躁
(
けいそう
)
となりかつ
驕傲
(
きょうごう
)
無頼
(
ぶらい
)
に走りしがためのみ。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
第三の理由は、其複数なること是なり、前に言ひたる事あれば重ねて説かず。斯の如く
我邦
(
わがくに
)
の文学は古神学に恵まるゝところ極めて少なし。
他界に対する観念
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
▼ もっと見る
如何
(
いか
)
に
南北朝
(
なんぼくちょう
)
の戦乱が、
我邦
(
わがくに
)
の武備機関を膨脹せしめ、
而
(
しこう
)
してその余勇は、漏らすに
由
(
よし
)
なく、
延
(
ひ
)
いて
支那
(
シナ
)
辺海を
擾
(
みだ
)
したるよ。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
楠氏は申すまでもなく
我邦
(
わがくに
)
有史以来の忠臣、宮内省へ献納する製作の主題としてはまことに当を得たものでありましょう。
幕末維新懐古談:68 楠公銅像の事
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
而
(
しか
)
して寛厚は
宗
(
そう
)
に
如
(
し
)
かざるも、其の
惻隠
(
そくいん
)
の意に至っては、各条に散見せりと評せしめ、余威は遠く
我邦
(
わがくに
)
に及び、徳川期の識者をして
此
(
これ
)
を研究せしめ
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
さて
吾々
(
われわれ
)
が眼前にこの二大区別を控えて向後
我邦
(
わがくに
)
の道徳はどんな傾向を帯びて発展するだろうかの問題に移るならば私は
下
(
しも
)
のごとくあえて云いたい。
文芸と道徳
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
○
孰
(
たれ
)
か
我邦
(
わがくに
)
の現状に見て、金は一切の清めなりといへる
諺
(
ことわざ
)
の、遂に奪ふまじき大原理たるに
首肯
(
うなづ
)
かざらんや。近世最も驚くべきは、科学の進みなりとぞ。
青眼白頭
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
我邦
(
わがくに
)
軍人がたの御気象には欧洲各国でも舌を
巻
(
まい
)
ておるそうで、これは我が
某
(
ある
)
将官の方に箱根でお目通りをいたしたとき
直接
(
じき/\
)
に伺ったところでございます。
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
はたまた今日
我邦
(
わがくに
)
において、その法律の規定している罪人の数が驚くべき勢いをもって増してきた結果
時代閉塞の現状:(強権、純粋自然主義の最後および明日の考察)
(新字新仮名)
/
石川啄木
(著)
ベースボールはもと
亜米利加
(
アメリカ
)
合衆国の国技とも称すべきものにしてその遊技の国民一般に
賞翫
(
しょうがん
)
せらるるはあたかも
我邦
(
わがくに
)
の
相撲
(
すもう
)
、
西班牙
(
スペイン
)
の
闘牛
(
とうぎゅう
)
などにも類せりとか聞きぬ。
ベースボール
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
我邦
(
わがくに
)
の教育は英国式か仏国式かはた独逸式か、独逸に於てはフレーベルの著書に見るも修身教育の
挙
(
あが
)
らざるを知るべくして、品格品行等
遥
(
はる
)
かに英米の生徒に及ばず、独逸
教育の最大目的
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
右
(
みぎ
)
の
如
(
ごと
)
く
定
(
さだめ
)
てサンデイは
休日
(
きうじつ
)
にて、
商賣
(
しやうばい
)
も
勤
(
つとめ
)
も
何事
(
なにごと
)
も
休息
(
きうそく
)
することむかしの
我邦
(
わがくに
)
の
元日
(
ぐわんじつ
)
の
如
(
ごと
)
し。
改暦弁
(旧字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
我邦
(
わがくに
)
学問の独立せざる久し。
王仁
(
わに
)
儒学を伝えてより以来、今日に至る
迄
(
ま
)
で
凡
(
およ
)
そ二千余年の間、未だ曾て
所謂
(
いわゆ
)
る独立の学問なるものありて我が子弟を教授せしを見ず(謹聴)。
祝東京専門学校之開校
(新字新仮名)
/
小野梓
(著)
方今
我邦
(
わがくに
)
、改正・振興すべきものはなはだ多し。音楽・歌謡・
戯劇
(
ぎげき
)
のごときもその一なり。
国楽を振興すべきの説
(新字新仮名)
/
神田孝平
(著)
例
(
たと
)
へば
日本
(
にほん
)
は
小島國
(
せうたうごく
)
であつて、
氣候
(
きこう
)
温和
(
をんわ
)
、
山水
(
さんすゐ
)
も
概
(
がい
)
して
平凡
(
へいぼん
)
で
別段
(
べつだん
)
高嶽峻嶺
(
かうがくしゆんれい
)
深山幽澤
(
しんざんゆうたく
)
といふものもない。
凡
(
すべ
)
てのものが
小規模
(
せうきも
)
である。その
我邦
(
わがくに
)
に
雄大
(
ゆうだい
)
な
化物
(
ばけもの
)
のあらう
筈
(
はず
)
はない。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
次に明の
慮不遠
(
りよふゑん
)
が医種子中に収めた「神農本草経一巻」がある。此書は
我邦
(
わがくに
)
に於ても、寛保三年と寛政十一年とに飜刻せられた。しかし慮は最晩出の李氏本草綱目中より白字を摘出したるに過ぎない。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
全体
我邦
(
わがくに
)
には百六十目一斤だの百二十目一斤だのと同じ一斤に相違のあるのは国の文明が進歩しない印で実に不便この上なしです。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
我邦
(
わがくに
)
のいわゆる神祇政策が、由来きわめて久しいものであったことは、まず『日本紀』が意識してこれを書き伝えようとしている。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
それで大勢のギリシア学者が寄合い討論をして翻訳をした、その結果が「ロイブ古典叢書」の一冊として出版され
我邦
(
わがくに
)
にも輸入されている。
変った話
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
鎖国令行われてより以来、
我邦
(
わがくに
)
と通商するものは、僅かに
支那
(
シナ
)
、
和蘭
(
オランダ
)
にして、その地方もまた長崎の
猫額
(
ねこのひたい
)
大の天地に限れり。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
蓋
(
けだ
)
し
我邦
(
わがくに
)
は極めて完成せる族制々度を今日まで持ち続けたるものなるからに、吾人の思想も亦た自から単純なりし事は、争ふ可からざる事実なり。
徳川氏時代の平民的理想
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
堀田原から従前通り私は
相更
(
あいかわ
)
らず師匠の家へ通っている。すると、明治十年の四月に、
我邦
(
わがくに
)
で初めての内国勧業博覧会が開催されることになるという。
幕末維新懐古談:25 初めて博覧会の開かれた当時のことなど
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
最後に小生は目下
我邦
(
わがくに
)
における学問文芸の両界に通ずる趨勢に
鑒
(
かんが
)
みて、現今の博士制度の
功
(
こう
)
少くして
弊
(
へい
)
多き事を信ずる一人なる事を
茲
(
ここ
)
に言明致します。
博士問題の成行
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
大内は西方智識の所有者であったから
歟
(
か
)
、堺の住民が外国と交商して其智識を移し得たからである歟、
我邦
(
わがくに
)
の城は
孑然
(
げつぜん
)
として町の内、多くは外に在るのを常として
雪たたき
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
支那では一般に好的、好々などいふてあたかも
我邦
(
わがくに
)
の「善い」「上等」などいふ処に用ゐる。
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
譬
(
たと
)
へば
日雇賃
(
ひようちん
)
にても
借家賃
(
しやくやちん
)
にても
其外
(
そのほか
)
物
(
もの
)
の
貸借
(
かしかり
)
約束
(
やくそく
)
の
日限
(
にちげん
)
皆
(
みな
)
何
(
いづ
)
れも一ウヰークに
付
(
つき
)
何程
(
なにほど
)
とて、
一七日毎
(
ひとなぬかごと
)
に
切
(
きり
)
を
付
(
つく
)
ること、
我邦
(
わがくに
)
にて
毎月
(
まいつき
)
晦日
(
みそか
)
を
限
(
かぎり
)
にするが
如
(
ごと
)
し。
其
(
その
)
一七日の
唱
(
となへ
)
左
(
さ
)
の
如
(
ごと
)
し
改暦弁
(旧字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
そもそも俳諧狂歌の類は江戸泰平の時を得て漢学和学の両文学
渾然
(
こんぜん
)
として
融化
(
ゆうか
)
咀嚼
(
そしゃく
)
せられたるの結果偶然現はれ来りしもの、
便
(
すなわ
)
ち
我邦
(
わがくに
)
古文明円熟の一極点を示すものと見るべきなり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
我邦
(
わがくに
)
に於て果して
能
(
よ
)
く行われつつあるか、何故に統一の目的たる効果は完全に収められ
得
(
え
)
られざるかは、思うに教育者がこれを活用するの余裕に乏しきためならざるか、語を換えて
曰
(
い
)
えば
教育の最大目的
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
古來
(
こらい
)
我邦
(
わがくに
)
の
化物思想
(
ばけものしさう
)
は
甚
(
はなは
)
だ
幼稚
(
えうち
)
で、
或
(
あるひ
)
は
殆
(
ほとん
)
ど
無
(
な
)
かつたと
言
(
い
)
つて
可
(
い
)
い
位
(
くらゐ
)
だ。
日本
(
にほん
)
の
神話
(
しんわ
)
は
化物
(
ばけもの
)
の
傳説
(
でんせつ
)
が
甚
(
はなは
)
だ
少
(
すくな
)
い。
日本
(
にほん
)
の
神々
(
かみ/\
)
は
日本
(
にほん
)
の
祖先
(
そせん
)
なる
人間
(
にんげん
)
であると
考
(
かんが
)
へられて、
化物
(
ばけもの
)
などとは
思
(
おも
)
はれて
居
(
ゐ
)
ない。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
中川君、それではね、食卓を飾るのに西洋風の粗雑な
掴
(
つか
)
み
挿
(
ざ
)
しの花を用いずとも
我邦
(
わがくに
)
には古来より練習した
活花
(
いけばな
)
の特技があるでないか。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
我邦
(
わがくに
)
の昔の「
歌垣
(
うたがき
)
」の習俗の真相は伝わっていないが、もしかすると、これと
一縷
(
いちる
)
の縁を
曳
(
ひ
)
いているのではないかという空想も起し得られる。
映画雑感(Ⅵ)
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
今から十七、八年まえに、
我邦
(
わがくに
)
にきていたフランスの
全権大使
(
ぜんけんたいし
)
、ポウル・クロウデルという人は名のきこえた詩人であった。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
是等の者を
外
(
よそ
)
にしても、元禄文学が大に
我邦
(
わがくに
)
文学に罪を造りたる者あり、
其
(
そ
)
を
如何
(
いか
)
にと言ふに、恋愛を其自然なる地位より退けたる事、即ち是なり。
「伽羅枕」及び「新葉末集」
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
多年
我邦
(
わがくに
)
の美術界のために尽くした功労をお
褒
(
ほ
)
めになった思し召しであろうと推察される。
幕末維新懐古談:67 帝室技芸員の事
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
蓋
(
けだ
)
し八代将軍吉宗蘭書の禁
緩
(
ゆる
)
んで以来、
我邦
(
わがくに
)
蘭書を講ずるもの
漸
(
ようや
)
く増加し、安永、天明よりして、寛政、文化に及び、杉田、前野、大槻の徒、相接して出で、
蛮社
(
ばんしゃ
)
の名漸く高く
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
曇った鏡が人を映すように男は
鈍々
(
のろのろ
)
と主人を見上げた。年はまだ三十前、
肥
(
ふと
)
り
肉
(
じし
)
の薄皮だち、血色は激したために余計紅いが、
白粉
(
おしろい
)
を
透
(
とお
)
して、
我邦
(
わがくに
)
の人では無いように美しかった。
雪たたき
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
しかるにこの頃は
二水
(
にすい
)
の冲の字を用ゐる人多し。両字とも水深の意なきにあらねど
我邦
(
わがくに
)
にて「おき」の意に用ゐるは字義より来るに非ずしてむしろ水の真中といふ字の組立より来るに
非
(
あらざ
)
るか。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
我邦
(
わがくに
)
現代における西洋文明模倣の状況を
窺
(
うかが
)
ひ見るに、都市の改築を始めとして家屋
什器
(
じゅうき
)
庭園衣服に
到
(
いた
)
るまで時代の趣味一般の
趨勢
(
すうせい
)
に徴して、
転
(
うた
)
た余をして日本文華の末路を悲しましむるものあり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
その代りランを注文して純粋のイチボが半分交って来るような事もあるけれども
我邦
(
わがくに
)
の商売人がもっと責任を重んじなければ実に困るよ
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
我邦
(
わがくに
)
古来の貞淑の美徳が、女の学問のためにただちに
覆
(
くつが
)
えされるもののごとく、もし憂える者があったらそれは誤りである。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
少なくも
我邦
(
わがくに
)
では、まだあまり十分に研究されていないか、ともかくも一般的興味の対象とはなっていないようである。
教育映画について
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
生命あり希望あり永遠あるの恋愛は、到底万有教国に求むることを得ざるか、そも/\いつかは之を得るに至るべきか、
我邦
(
わがくに
)
文学の為に杞憂なき能はず。
「歌念仏」を読みて
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
我邦
(
わがくに
)
での魔法の歴史を一瞥して見よう。先ず上古において
厭勝
(
まじない
)
の術があった。
魔法修行者
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
我邦
(
わがくに
)
現代における西洋文明模倣の状況を
窺
(
うかが
)
ひ見るに、都市の改築を始めとして家屋
什器
(
じゅうき
)
庭園衣服に到るまで時代の趣味一般の趨勢に
徴
(
ちょう
)
して、
転
(
うた
)
た余をして日本文華の末路を悲しましむるものあり。
浮世絵の鑑賞
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
衛生思想が進歩したら
我邦
(
わがくに
)
でも必ず銅分を含んだ食器を厳禁する事になりましょう。僕の家では決して青銅や銅の鍋を使いません。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
我邦
(
わがくに
)
の現在「にひなめ」と呼んでいる
尊
(
とう
)
とい式典と、二者だいたいに同じものということを、意識した上での用法であったかという点である。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
我邦
(
わがくに
)
ではまだそれほどでもないが、それでも彼の名前は理学者以外の方面にも近頃だいぶ拡まって来たようである。
アインシュタインの教育観
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
我
常用漢字
小6
部首:⼽
7画
邦
常用漢字
中学
部首:⾢
7画
“我邦”で始まる語句
我邦人
我邦土