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われし
ふりがな文庫
“
我知
(
われし
)” の例文
紫玉は
我知
(
われし
)
らず
衣紋
(
えもん
)
が
締
(
しま
)
つた。……
称
(
とな
)
へかたは
相応
(
そぐ
)
はぬにもせよ、
拙
(
へた
)
な山水画の
裡
(
なか
)
の隠者めいた老人までが、確か自分を知つて居る。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
このときからわたしは
我知
(
われし
)
らずかの女を、なにか後光に
包
(
つつ
)
まれた人間
以上
(
いじょう
)
のものに思うようになり、それが白い大きなつばさをしょってはいないで
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
彼
(
かれ
)
は
頭
(
かしら
)
を
上
(
あ
)
げては
水車
(
みづぐるま
)
を
見
(
み
)
、
又
(
また
)
畫板
(
ゑばん
)
に
向
(
むか
)
ふ、そして
折
(
を
)
り/\
左
(
さ
)
も
愉快
(
ゆくわい
)
らしい
微笑
(
びせう
)
を
頬
(
ほゝ
)
に
浮
(
うか
)
べて
居
(
ゐ
)
た
彼
(
かれ
)
が
微笑
(
びせう
)
する
毎
(
ごと
)
に、
自分
(
じぶん
)
も
我知
(
われし
)
らず
微笑
(
びせう
)
せざるを
得
(
え
)
なかつた。
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
今
(
いま
)
はと
決心
(
けつしん
)
の
臍
(
ほぞ
)
固
(
かた
)
まりけんツト
立上
(
たちあが
)
りしが
又
(
また
)
懷中
(
ふところ
)
に
手
(
て
)
をさし
入
(
い
)
れて
一思案
(
ひとしあん
)
アヽ
困
(
こま
)
つたと
我知
(
われし
)
らず
歎息
(
たんそく
)
の
詞
(
ことば
)
唇
(
くちびる
)
をもれて
其儘
(
そのまゝ
)
に
身
(
み
)
はもとの
通
(
とほ
)
り
舌打
(
したうち
)
の
音
(
おと
)
續
(
つゞ
)
けて
聞
(
きこ
)
えぬ
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
蘿月
(
らげつ
)
は
稽古
(
けいこ
)
のすむまで
縁近
(
えんぢか
)
くに坐つて、
扇子
(
せんす
)
をぱちくりさせながら、まだ
冷酒
(
ひやざけ
)
のすつかり
醒
(
さ
)
めきらぬ
処
(
ところ
)
から、時々は
我知
(
われし
)
らず口の中で
稽古
(
けいこ
)
の男と一しよに
唄
(
うた
)
つたが
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
「はは、かうなりやあ
人間
(
にんげん
)
もみじめだ‥‥」と、
私
(
わたし
)
は
暗闇
(
くらやみ
)
の
中
(
なか
)
で
我知
(
われし
)
らず
苦笑
(
くせう
)
した。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
兎も角も先
道連
(
みちづれ
)
に成申さんとて是より彼の男と
同道
(
どうだう
)
して行程に彼旅人は
旅馴
(
たびなれ
)
たる者と見えて此邊の名所々々知らざる處もなく
此處
(
こゝ
)
に見ゆるが
比良
(
ひら
)
の高嶺彼處が三井寺
堅田
(
かただ
)
石山などと案内者の如く
教
(
をし
)
ふるにぞ友次郎夫婦は
我知
(
われし
)
らず面白き事に思ひ猶樣々に此處は
何
(
なに
)
彼處
(
かしこ
)
は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
用いてさまで
華
(
はな
)
あるものとも覚えぬものから句ごとに文ごとにうたゝ活動する
趣
(
おもむき
)
ありて
宛然
(
さながら
)
まのあたり
萩原某
(
はぎわらそれ
)
に
面
(
おもて
)
合わするが如く
阿露
(
おつゆ
)
の
乙女
(
おとめ
)
に
逢見
(
あいみ
)
る心地す
相川
(
あいかわ
)
それの
粗忽
(
そゝっか
)
しき
義僕
(
ぎぼく
)
孝助
(
こうすけ
)
の
忠
(
まめ
)
やかなる
読来
(
よみきた
)
れば
我知
(
われし
)
らず
或
(
あるい
)
は笑い或は感じてほと/\
真
(
まこと
)
の事とも想われ
仮作
(
つくり
)
ものとは思わずかし是は
怪談牡丹灯籠:01 序
(新字新仮名)
/
坪内逍遥
(著)
お
懐
(
なつか
)
しい。
私
(
わたし
)
は
貴下
(
あなた
)
が
七歳
(
なゝつ
)
の
年紀
(
とし
)
、お
傍
(
そば
)
に
居
(
ゐ
)
たお
友達
(
ともだち
)
……
過世
(
すぐせ
)
の
縁
(
えん
)
で、
恋
(
こひ
)
しう
成
(
な
)
り、いつまでも/\、
御一所
(
ごいつしよ
)
にと
思
(
おも
)
ふ
心
(
こゝろ
)
が、
我知
(
われし
)
らず
形
(
かたち
)
に
出
(
で
)
て、
都
(
みやこ
)
の
如月
(
きさらぎ
)
に
雪
(
ゆき
)
の
降
(
ふ
)
る
晩
(
ばん
)
。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
長いあいだわたしは火をながめていたけれど、だんだん
我知
(
われし
)
らずうとうとし始めた。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
もしやお
前
(
まへ
)
さんはと
我知
(
われし
)
らず
聲
(
こゑ
)
をかけるに、ゑ、と
驚
(
おどろ
)
いて
振
(
ふり
)
あふぐ
男
(
をとこ
)
、あれお
前
(
まへ
)
さんは
彼
(
あ
)
のお
方
(
かた
)
では
無
(
な
)
いか、
私
(
わたし
)
をよもやお
忘
(
わす
)
れはなさるまいと
車
(
くるま
)
より
濘
(
すべ
)
るやうに
下
(
お
)
りてつく/″\と
打
(
うち
)
まもれば
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
今
(
いま
)
の
客人
(
きやくじん
)
の
氣
(
き
)
の
長
(
なが
)
さまだ
車代
(
しやだい
)
くれんともせず
何時
(
いつ
)
まで
待
(
ま
)
たする
心
(
こゝろ
)
にやさりとてまさかに
促
(
はた
)
りもされまじ
何
(
なん
)
としたものぞとさし
覗
(
のぞ
)
く
奧
(
おく
)
の
方
(
かた
)
廊下
(
らうか
)
を
歩
(
あゆ
)
む
足音
(
あしおと
)
にも
面
(
おもて
)
赫
(
くわつ
)
と
熱
(
あつ
)
くなりて
我知
(
われし
)
らず
又
(
また
)
蔭
(
かげ
)
に
入
(
い
)
る
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
と
叱
(
しか
)
りつけられて
我知
(
われし
)
らずあとじさりする
意氣地
(
いくぢ
)
なさまだ
霜
(
しも
)
こほる
夜嵐
(
よあらし
)
に
辻待
(
つじまち
)
の
提燈
(
ちやうちん
)
の
火
(
ひ
)
の
消
(
き
)
えかへる
迄
(
まで
)
案
(
あん
)
じらるゝは
二親
(
ふたおや
)
のことなり
馴
(
な
)
れぬ
貧苦
(
ひんく
)
に
責
(
せ
)
めらるゝと
懷舊
(
くわいきう
)
の
情
(
じやう
)
のやる
方
(
かた
)
なさとが
老體
(
らうたい
)
の
毒
(
どく
)
になりてや
涙
(
なみだ
)
がちに
同
(
おな
)
じやうな
煩
(
わづら
)
ひ
方
(
かた
)
それも
御尤
(
ごもつと
)
もなり
我
(
われ
)
さへ
無念
(
むねん
)
に
膓
(
はらわた
)
の
沸
(
に
)
え
納
(
をさ
)
まらぬものを
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
我
常用漢字
小6
部首:⼽
7画
知
常用漢字
小2
部首:⽮
8画
“我”で始まる語句
我
我儘
我慢
我家
我邦
我々
我身
我等
我輩
我執