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ねんめ
彼が
家に
歸つたのはお
品が
死んだ
時でも、それから三
年目の
盆の
時でも
家は
空洞と
清潔に
成つて
居てそれほど
汚穢い
感じは
與へられなかつた。
地震があってから
恰ど
最早十一
年目……
忘れもしませぬ……一
年三百六十
日の
中で、はい、
其日に
乳離れをなされました。
夫婦がこんな
風に
淋しく
睦まじく
暮らして
來た二
年目の
末に、
宗助はもとの
同級生で、
學生時代には
大變懇意であつた
杉原と
云ふ
男に
偶然出逢つた。
夫れほど
別れるがお
嫌やかと
背を
撫せられて
默頭づく
可愛さ、三
年目の
今日今さらに
寧いつもの
愁らきが
増しなり。
と
同時に一
昨年の
冬、
衣絵さん、
婿君のために
若奥様であつた、
美しい
夫人がはかなくなつて
居る……
新仏は、
夫人の三
年目に、おなじ
肺結核で
死去したのであるが……
さうして
今後の
豫算計畫にも
毎年七八千
萬圓の
國債を
計上して
始めて
其の
編成が
出來るのであるが
大正三
年以來十五
年目に
初て
茲に
國債を
計上しない
豫算が
出來たのである。
七
年目で
会った、たった
二人の
世界。
殆んど一
夜のうちに
生気を
失ってしまった
菊之丞の、なかば
開かれた
眼からは、
糸のような
涙が一
筋頬を
伝わって、
枕を
濡らしていた。
「おどろいたなあ。」と、おっしゃったけれど、
木は、そんなことに
関係なく、ぐんぐんと
大きくなりました。そして、三
年目からは、ほんとうに、
実がたくさんなりました。
彼女が
病院生活に
入つてから三
年目の
秋に、ある
地方から
一人の
若い
醫者が
來て、その
病院の
醫員になつた。
彼は
所謂人好きのする
男で、
殊に
院内の
看護婦達をすぐに
手なづけてしまうことが
出來た。
其の
間彼と
卯平とは
只一
回逢つたのみである。
卯平はお
品が三
年目の
盆にふいと
來てふいと
立つたのである。
ここで
逢ったが百
年目と、とっ
捕まえて
口説こうッたって、そうは
問屋でおろしませんや。
一
年目には
私が
處にもお
目出たうを
他人からは
言はれて、
犬張子や
風車を
並べたてる
樣に
成りましたれど、
何のそんな
事で
私が
放蕩のやむ
事か、
人は
顏の
好い
女房を
持たせたら
足が
止まるか
卯平はおつぎの
挨拶を
今更の
如くしみ/″\と
嬉しく
感じた。
卯平はお
品が
死んで三
年目の
盆に
來た
時不器用な
容子の
彼がどうして
思ひついたかおつぎへ
花簪を一つ
買つて
來た。