“大尽:だいじん” の例文
“大尽:だいじん”を含む作品の著者(上位)作品数
吉川英治5
岡本綺堂4
中里介山4
泉鏡花3
小川未明3
“大尽:だいじん”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸4.8%
文学 > 日本文学 > 小説 物語0.7%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)0.5%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
今から十三年前に二人は共謀して隣り村の或る大尽だいじんの家へ押し込みにはいって、主人夫婦と娘とをむごたらしく斬り殺した。
半七捕物帳:19 お照の父 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
こういうわけですから、有野村の大尽だいじんが京大阪へ向けて旅立ちをなされたという評判は、どこからも立ちませんでした。
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
これは馬鹿囃子だけでは追付かない、何かほかに一思案と思っているうちに、大尽だいじんの屋敷の園遊会の当日となりました。
そして、どうか、むすめさんを、わたしどもの大尽だいじん息子むすこのおよめにもらいたいといったのです。
海ぼたる (新字新仮名) / 小川未明(著)
昔から世間にくあるならいで、田舎のお大尽だいじんを罠に掛ける酌婦の紋切形であろう位に、極めて単純に解釈していた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
取りまき出入りの者を引きしたがえて、くるわのなかを、大尽だいじん客がそぞめかすように、日ごとの芝居茶屋通いで
どこかしらのお大尽だいじんが、京の芸妓げいこ色子いろこをこぞッて、琵琶湖びわこへ涼みに出かけるのだろう。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし妙なもので、散所ノ長者の顔にあると、瘤までが、この豪勢なお大尽だいじんの福相には、あっておかしくないもののように見える。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「それ、地主で、家作持かさくもちで、商売もしてる、鮫洲さめず大尽だいじんと云や、あの界隈かいわいじゃ、知らない者はねえぜ」
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
妻が女児の一人にそのうちをきいたら、小さな彼女は胸を突出し傲然ごうぜんとして「大尽だいじんさんのうちだよゥ」と答えた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
かるがゆえに君子は庖厨ほうちゅうを遠ざく……こりゃ分るまいが、大尽だいじんは茶屋のかまえおおきからんことを望むのだとね。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
むら大尽だいじんに、たかりつけてやろう。」と、おとこかんがえました。
天下一品 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「菊家へこうよ、私がお客で。大したお大尽だいじんだわね、お小遣を持扱もちあつかって。」
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「おい、何時いつまで黙ってるのだ、しびれがきれるぜ、御主人、鮫洲さめず大尽だいじん君、女をくれるか、いやか、返事をしてくれないのか」
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
おれは、一つをむら大尽だいじんに千りょうり、一つを隣村となりむら金持かねもちに、千三百りょうってやろう。
天下一品 (新字新仮名) / 小川未明(著)
後に、春の絵の本を見たら、香字という大尽だいじんに張りあう高総という大尽のことがあった。
あねは、それから程経ほどへて、大尽だいじん屋敷やしきからもどってきました。
港に着いた黒んぼ (新字新仮名) / 小川未明(著)
傾城けいせいの誠が金でつらを張る圧制な大尽だいじんに解釈されようはずはない。
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
五丁町ごちょうまちはじなり、吉原よしわらの名折れなり」という動機のもとに、吉原の遊女は「野暮な大尽だいじんなどは幾度もはねつけ」たのである。
「いき」の構造 (新字新仮名) / 九鬼周造(著)
なるほど、いってみると、そのうちは、むら大尽だいじんであります。
海ぼたる (新字新仮名) / 小川未明(著)
半月程前、一人の男を供に連れて、下高井の地方から出て来た大日向おほひなたといふ大尽だいじん、飯山病院へ入院の為とあつて、暫時しばらく腰掛に泊つて居たことがある。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
そして焼けた後しばらくは、近くに馬小屋とかがあって、馬丁のいたその一間ひとまに、石橋様というお大尽だいじんも、お嬢様たちも住んでいられたようであったというのです。
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
「いくら佐野のお大尽だいじんさまでも、こうなりゃあ腕づくだ。腕で来い」
籠釣瓶 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
いまごろ大尽だいじんは、あなたのえるのをおちでございます。
港に着いた黒んぼ (新字新仮名) / 小川未明(著)
衣装なり常着ふだんぎだからくはございませんが、なれども村方でも大尽だいじんの娘と思うこしらえ、一人付添って来たのは肩の張ったおしりの大きな下婢おんな
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
自分はあずまの田舎大尽だいじんごとくすべて鷹揚おうように最上等の宿舎に泊り、毎日のんきに京の見物、日頃ひごろけちくさくため込んだのも今日この日のためらしく
新釈諸国噺 (新字新仮名) / 太宰治(著)
前に幸内の行方ゆくえが今以て知れないところへ、今またお銀様とお君との行方が知れなくなったということは、伊太夫はじめ、この大尽だいじんの家の一家と出入りの者を驚かせずにはおきません。
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「めっそうな! 大尽だいじんのお墨附! めっそうな」
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
そんなら、彼ら大尽だいじん地租ちそもくもとに多額の負担ありやとたずぬれば、彼らの園邸えんていは宅地にあらずして、山林と登録とうろくしてあるから、税率もはなはだ少ない。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
「よう、お大尽だいじん御来駕ごらいが!」
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
「一度にお大尽だいじんになるんだとよ」
大捕物仙人壺 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
古代更紗で大尽だいじん遊び5・3(夕)
余程よっぽど大尽だいじんですから
一生に一つ珠運しゅうんが作意の新仏体を刻まんとする程の願望のぞみある身の、何として今から妻などもつべき、殊にお辰は叔父おじさえなくば大尽だいじんにも望まれて有福ゆうふくに世を送るべし、人は人
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
その頃、銀座さんととなうる化粧問屋の大尽だいじんがあって、あらたに、「仙牡丹せんぼたん」という白粉おしろいを製し、これが大当りに当った、祝と披露を、枕橋まくらばし八百松やおまつで催した事がある。
開扉一妖帖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「お大尽だいじんが通る」
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『お大尽だいじんさま』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さだめしさだめしその地にはあそばしかけの御用事も御座候はんそれ等を然るべく御取まとめ、飛鳥とぶとりもあとを濁ごすなに候へば、大藤おほふぢ大尽だいじんが息子と聞きしに野沢の桂次けいじ了簡りようけんの清くない奴
ゆく雲 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
何でもよくお気がついて、はたらきがありそうで、その上、おほほほ、お金があってあっさりして、と残りくまなくほめられて流石さすがに思慮分別を失い、天下のお大尽だいじんとは私の事かも知れないと思い込み、次第に大胆になって豪遊を試み
新釈諸国噺 (新字新仮名) / 太宰治(著)
おじいさんには面白いおはなしもございますのさ。私がね、誰かのはつのお節句のおり、神田へ買ものにゆきますとね、前の方に、いきな女たちにとりまかれて賑かにゆく人がありますのでね、おやおや、何処どこ大尽だいじんかと見ますとね。
旧聞日本橋:08 木魚の顔 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
というと、此の評判がぱっとして、今までは堅い奉公人で、ことに名主の女房にもなった者が枕付で出る、金さえ出せば自由になるというので大層客がありまして、近在の名主や大尽だいじんが、せっせとお隅の処へ遊びに来ますけれども、中々お隅は枕をかわしません。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
土地の大尽だいじんを踏み台にして身請みうけをされて、そこから松蔵のところへ逃げ込んで、小一年も一緒に仲よく暮らしているうちに、男は詮議がだんだんむずかしくなって来たので、女にも因果をふくめて、一旦江戸を立退たちのこうとするところを、高輪で室積藤四郎の手に捕われた。
半七捕物帳:31 張子の虎 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「——町を見ますと綾町、絹町、錦町などには、大きな織屋はたやがありますし、高台には、呂宋屋のお城みたいな別室があるし、浜には、納屋衆なやしゅうというお大尽だいじんのやしきや蔵がならんでいます。——それを思うと、奥の御寮人さまやお鶴様が、自慢たらたらのここのお店も、物の数でもありません」
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのお土産をね、津山さん、……本箱の上へ飾ってある処へ……でしょう。……不意でしょう。まるで動いて出たようでしょう。並んでいる木菟みみずくにも、ふらふらと魂が入ったから、羽ばたいて飛出したと——お大尽だいじんづきあいは馴れていなさるだろうから、一つ、切符で見ようじゃありませんか、というと、……嬉しい、といって賛成は、まことに嬉しい。
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
よし、もう一度調べてみよう。それでも音色に変りがなかったら、十万二十万は愚かのこと、百万にもあまる黄金白金こがねしろがねが、あの別荘にあるものと、見究めたところで間違いはねえ。いよいよそうなら忍び込み、奪い取って一かま起こし、もうその後は足を洗い、あの米八でも側へ引き付け、大尽だいじんぐらし栄耀栄華、ううん、こいつあ途方もねえ、偉い幸運にぶつかるかもしれねえ。
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)