墓場はかば)” の例文
ホラシオはがぬけた。オフィリャの狂態きょうたいになっての出はすごく好かった。墓場はかば墓掘はかほりの歌う声が実に好く、仕ぐさも軽妙であった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
これはたいてい赤貝あかがひるい貝殼かひがらゑぐき、その周圍しゆういばかりをのこして前腕まへうでにはめむでのでありまして、石器時代せつきじだい墓場はかばから人骨じんこつ
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
木が無くなった森の跡は、ちょうど墓場はかばのようでした。大きな木の切株きりかぶは、石塔せきとうのように見えました。王子はその中を飛んでゆかれました。
お月様の唄 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
やっと、たどりくと、そこはまだあたらしい墓場はかばで、今度こんど戦争せんそうんだひとのしかばねがうずまっていて、つちいろ湿しめっていたのでありました。
強い大将の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ロレ おくらせられい。……内室おくがたも一しょにらせられい。……パリスどのにも。……いづれも亡姫なきひめ隨行ともをして墓場はかば準備したくをなされ。
モンパパ号はあまりにも完ぜんに爆破粉砕ばくはふんさいしたので、そのころ海上には破片一つも見えてはいず、海上はまっくらで、墓場はかばのように静かであった。
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
寺男は、ただ意外いがいに思いながら、音のするほうへ近づいていきました。いったところは平家へいけもん墓場はかばでありました。いつか雨はりだしていました。
壇ノ浦の鬼火 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
はるになつてゆき次第しだいけた或日あるひ墓場はかばそばがけあたりに、腐爛ふらんした二つの死骸しがい見付みつかつた。れは老婆らうばと、をとことで、故殺こさつ形跡けいせきさへるのであつた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
『オヤオヤ! わたくし不思議ふしぎところる……わたくしゆめているのかしら……それともここわたくし墓場はかばかしら……。』
たにおくには墓場はかばもあるだらう、人生じんせい悠久いうきうながれ此處こゝでも泡立あわだたぬまでのうづゐてるのである。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
大吉は並木と二人で墓場はかばへゆき、ジャノメ草やおしろい花をとってきて八津をまつった。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
嗚呼ああ博士よ、君にして幽霊ゆうれいを見るの望みあるならば、なんぞ墓場はかばに行くを要せん。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
けふも墓場はかばいてゐた
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
このような墓場はかばいまから十年前じゆうねんぜんまではよくわからなかつたのでありますが、だん/″\わかつて各地かくちにおいて續々ぞく/\發見はつけんされてまゐりました。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
番丙 これなる老僧らうそうは、ふるへながら溜息といきき、なみだながしてをりまする。只今たゞいま墓場はかばからまゐるところを取押とりをさへて、これなるすき鶴嘴つるはしとを取上とりあげました。
はるになってゆき次第しだいけた或日あるひ墓場はかばそばがけあたりに、腐爛ふらんした二つの死骸しがい見付みつかった。それは老婆ろうばと、おとことで、故殺こさつ形跡けいせきさえあるのであった。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
いま大東京の建物はその青白い光に照されて、墓場はかばのように睡っている。地球がだんだん冷えかかってきたようで、心細い気のする或る秋の夜のことだった。
○○獣 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「さあ、わしについてくるがいい。」と、ぎんのつえをったおじいさんがいいましたので、おとこは、ついてゆきますと、やがて、かれは、さびしい墓場はかばたのであります。
銀のつえ (新字新仮名) / 小川未明(著)
勿論もちろんここは墓場はかばではない。はか現界げんかいのもので、こちらの世界せかいはかはない……。現在げんざいそなたのにはこの岩屋いわや薄暗うすくらかんずるであろうが、これは修行しゅぎょうむにつれて自然しぜんあかるくなる。
一寸先いっすんさき見えぬ闇夜やみよ、寺男は、両足りょうあしが、がくがくふるえましたが、勇気ゆうきをつけて、びわののする墓場はかばの中へはいっていきました。そして、ちょうちんのをたよりに、法師をさがしました。
壇ノ浦の鬼火 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
もっとも墓場はかばだとか、そのほか場所ばしよ完全かんぜん土器どきうづもれてゐることもありますが、私共わたしども發見はつけんするのはおほくは破片はへんです。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
番甲 此邊このあたりだらけぢゃ。墓場はかば界隈かいわいさがさっしゃい。さゝ、つけ次第しだいに、かまうたことはい、引立ひきたてめさ。
もしぼくたちの宇宙艇の力がたりなくなったり、エンジンが故障になると、宇宙艇は前へも後へも進むことができなくなり、永遠にその宇宙の墓場はかばにつながれてしまうでしょう。
宇宙の迷子 (新字新仮名) / 海野十三(著)
きてときにはさんざん悪口わるぐちわれたものが、んでからくちきはめてめられたり、またその反対あべこべに、生前せいぜん栄華えいがゆめたものが、墓場はかばってからひどいはずかしめをけたりします。
昨夜ゆうべ、おまえは平家へいけ墓場はかばの前で、雨にぬれて、すわっていたそうじゃ。
壇ノ浦の鬼火 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
どこもここも墓場はかばのようにしずかで、祈りの声も聞えなければ、人の姿も見えなかった。
霊魂第十号の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それから火星を追いかけているうちに、火星人のためにわれわれは危害きがいを加えられるかもしれない。悪くすればわれわれは宇宙を墓場はかばとして、永い眠りにつかなければならないかもしれない。
三十年後の世界 (新字新仮名) / 海野十三(著)
この奇怪なる出来事の間、場内は墓場はかばのようにしずまりかえっていた。
霊魂第十号の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
墓場はかばに日があたっているような風景ですね」
三十年後の世界 (新字新仮名) / 海野十三(著)
宇宙の墓場はかば
宇宙の迷子 (新字新仮名) / 海野十三(著)